サトミ キャンプ1日目
サトミ「最高ですわ~」
さっそく、温泉を満喫していた。
温泉はボートで移動した先にあった。
見渡す限り全てが砂漠。
囲いは一切なく、脱衣所すら無いのだから、オウタ達が来たら裸を見られる事になるだろう。
だがサトミは気にしていなかった。
他の人が「温泉に入りたい」と言っても、ここではない温泉を示すコンパスを渡すだろう。と考えていたからだ。
それが真実かどうか?
RQに真実を聞く事でしか解決されないが、聞くつもりは無いようだ。
サトミ「ふぅ・・・おちつきましたわ」
サトミ「では、もう一度考えてみましょう」
サトミ「RQは第1ステージに特別な意味など無いと言ってましたわ」
サトミ「でも、参加者であるあの人達は『第1ステージの意味』がある事に、確信を持っているようでしたわ」
サトミ「ボマーが最初に私達に『第1ステージの意味わかってないのか』って聞いてきましたわ」
サトミ「さらに、シールドも『説明しながら教えてあげる』って言いましたけど・・・『見てたら分かる』に変わってましたわね」
サトミ「結局それらしい答えを教えてもらう事、無かったですわよね」
言うつもりは無かった?言うつもりだったけど作戦が上手く行かなくて説明するの忘れてた?
サトミ「とにかく、ボマーとシールドは『ステージの意味』があると思っていた事は確かですわね」
・・・
そこから思考が進む事は無かった。
サトミ「大丈夫、大丈夫ですわ。お父様ならどう考えますの?」
サトミ「お父様の考えた方でこの問題を解いていきますわよ」
ーーー
父の言葉
世の中には、わからない事がたくさんある。
サトミ、サトミの名前は『悟る』という言葉から名付けている。
どういう人達と会い、どういう会話をするのか。
どんな出来事が起きるのか。
どんな出来事に遭う事が、出来ないのか。
それらをよくメモしておくんだ、大事なのは記録を残す事だ。
そのメモに書かれている事はサトミにとって重要な事が書かれているハズだ。
そのメモに書かれていない事はサトミにとって考えなくても良い事だ。
ーーー
頭の中に書き込んだメモを呼び起こす。
サトミ「私が思い出してた事に、既に答えがあるとすれば?」
サトミ「もしかして、シールドは既に教えてくれていた?」
サトミ「そういえば、シールドもボマーも・・・わたくし達の事を『能力名』で呼んでいた」
サトミ「作戦の説明の時も、トキノは逆再生の力で。シゲは狙撃手・・・ロケットランチャー」
サトミ「見てたら分かる。見る事が重要だったのね」
サトミ「第1ステージは『協力して討伐』、ふふふ、分かりましたわっ!」
温泉に浸かっている状況から、バザァン!と勢いよく立ち上がる。
サトミ「『第1ステージの意味』、それは『能力の使用時の観察』ですわ」
サトミはドヤ顔でそう言ったが、急に恥ずかしくなったのか顔を赤くして、再び温泉に浸かる。
『能力の使用時の観察』が正解なら、わたくしとオウタが作戦から外された理由も納得できる。
『能力』がシンプルだからだ。それに対してトキノとシゲの『能力』は『実践でどう使うのか見るしかない、試すしかない』。
ああ。だからなのね?
キャバ嬢もボマーも、シゲ達がピンチの時、助けに行こうとしなかった。それどころか双眼鏡で呑気に見ていた。
オウタが居てくれて良かった。ありがとうオウタ。