203、つづきのつづきだよ。潮が引いた海を渡る
海を渡る。
海水浴場に着きました。
こういうご時世もあり、砂浜は遊泳禁止となっています。
元よりおじさんおばさんは散歩が目的ですけどね(笑)。
車から降りると、さんさんと輝く太陽に熱波が私たちを襲います。
「これは・・・」
「長くいれないね」
とりあえず、砂浜の方へ行くと、潮がかなり引いています。
「あれっ」
私は指さします。
潮が引いて、コンクリートの道が現れています。
その距離は100m以上でしょうか。
「行ってみようか」
「うん」
私たちはコンクリの道を歩きます。
さっきまで、海中だったのでしょう、コンクリ床は濡れていて、サンダルを履いている私は思わず足を滑らせそうになります。
「ドジっ子だから気をつけてよ」
「うん」
奥へと進むと、砂浜から海へ、ざぶざぶと波の音が聞えます。
「急に潮が満ちたらどうしよう」
「怖いね」
「一応、目印つけとこうか」
「じゃ、あの手前の砂浜の石が浸かったら、ヤバいと」
「うん」
私たちは結局、コンクリの終点まで辿り着きました。
眼下にはくっきりと島原が見えます。
「もうすぐ着きそう」
「だね」
しばらく海を眺め、振り返るとカップルがこちらに来ています。
「帰ろうか」
「うん」
私たちは、カップルと交代しました。
なかなかよき体験でした。




