101、そういうことってあるよね?
そうね~。
前話の続きです。
お義父さんの工場は、昔ならでは無防備つーか、ガレージ開けっ放しの良き時代感のある建物なんです。
仕事帰りに代車を返しと車を引き取りに着くと、お義父さんがいません。
事務所をのぞくもいないので、どうしたものかとうろうろしていると、回覧板を持ったおば様がやって来ます。
軽く挨拶をして、お義父さんの不在を告げますが、もじもじとじっとされています。
私は「あの、私、義理の息子です。お義父さんは不在みたいので、回覧板をお預かりしましょうか?」と言うも、「えっ、はあ」となんともいえない返事、工場の二階では物音がします。おば様はしきりに「二階で物音がしますね」と言われます。(お義父さん、ワンちゃん飼っているしなあ)と私はさほど気になりません。それからおば様は「待つのも大変でしょう。でしたら電話で確認したらどうですか」と尋ねられます。よっぽど回覧板を届けたいのかなと思った私はスマホを取り出しお義父さんに電話します。すると、お義父さんは二階にいたんですね、「すぐに降りて来るよ」と私はそのままおば様に伝えました。すると、「ありがとうございます。すいません」と何故か平謝りされていました。
お義父さんから修理した車の鍵を貰い、家路に着く途中ではっ!と謎が解けました。
不審がられていたんですね。
理由として一、私は工場に全く行かないので、顔が知られていない。ニ、うろうろが物色しているようにみえた。三、怪しい物音(複数で犯行におよんでいる)。四、謎の平謝りです。
あっ、そうかと条件は揃っているなと、家で奥さんにその話をすると「間違いないね」と言われました(笑)。
だって、しょうがないじゃないか。
そうだよね~。




