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第49話 初めまして天動さん

「もう占拠されたのか!」


後手に回ってしまった信之は、すぐに国会議事堂に向かおうとするが


「…僕も行かせてください。」


「え、蒼汰!?」


蒼汰の言葉に奏は驚く。


「流石に危険だ。相手がどの程度強いのかわからない。」


相手の実力が不明であるため、信之は反対の意見を出す。


「…命の危険があるのは分かっています。それでも…!」


「ごめんね、蒼汰くん。命の危険があるとわかっている所に連れて行けないよ。蒼汰君たちのお父さんとお母さんに申し訳が立たないもん。」


「…!」


蒼汰は目を大きく見開く。


「…そうだよ。蒼汰がそんな危ないところに行くの、お父さんとお母さんが生きてたら絶対に許さないよ。…お願い…行かないで?」


奏は震えながら蒼汰の腕を掴む。


「…すみません、冷静さを欠いていました。恨みが晴らせるなら死んでもって思っていましたけど、そんなことしたらお姉ちゃんが生きて行けないもんね。」


蒼汰は優しく微笑み、奏を見る。


「蒼汰…。」


「分かってくれて良かったよ。良し、俺は国会議事堂に行ってくるよ。」


「うん、私は蒼汰くんと奏ちゃんと一緒に待ってるね!」


イリスは信之を送り出そうとするが…。


「…イリスさん、僕達は大丈夫です。行ってきてください。」


「うんうん!奏達は大丈夫~。」


蒼汰と奏は、二人で問題ないとイリスに進言する。


「え…でも…。」


「…一人より、二人の方がより安全だと思いますので行ってきてください。」


「…むう…。」


イリスは、このまま奏達を二人にしていいのかと悩む。


「イリス、行こうか。あの子達二人きりの方が良い時もあるだろう。」


イリスがいたら逆に神経を使わせてしまうと判断した信之はイリスを誘う。


「…うん、わかった!奏ちゃん、蒼汰くん、行ってくるね!」


「行ってらっしゃい、イリスさん!」


「…行ってらっしゃい。」


信之とイリスは魔装召喚を行い、テレポートで国会議事堂へ向かった───────


「…お姉ちゃん、僕悪い子だ。」


「どうしたの?蒼汰?」


「…あの人達が強いから、優しいから、そこに漬け込んで僕も一緒に行って、お父さんとお母さんの仇を取ろうって考えてた…。」


「蒼汰…。」


「…でも、そんなのお父さんもお母さんも…望まないよね…。」


「そうだね。あの人達が事件解決して、帰ってくるのを一緒に待とう?」


「…うん。」



───────国会議事堂の外に着いた信之たちは、状況の悪さに険しい顔つきとなる。


「警察や警備がやられているな…。」


外はかなりの数の警察、警備の人達が倒れている。


「うん…。早く行った方が良さそうだね。」


「そうだな。…今探知を行ったけど、二つの塊で分かれているようだが双方共に特に動きがないな…。恐らくこの二つは参議院と衆議院の議員達だな。後は広間っぽい所で三人が固まっている。三人のうち二人がステータスを持っている…行ってみよう!」


「うん!」


信之達は瞬間移動を使用し、広間へと向かった。



「そんな事をして何になる!お前たちがやっているのは日本の為になんぞならん!」


「あー、結構ですよ。老人の戯言など聞きたくありません。貴方を殺し、ほかの国会議員も根絶やしにさせて頂きますね。」


中央広間では総理大臣と神示、利花が話していた。

神示と利花も他の天動衆と同じく灰色のローブを着ていた。


神示は、総理に銃を向けて今にも撃とうとしている。


「させないよ。」


瞬間移動した信之は、死刻で銃を両断する。


「くっ…!ピエロか…!?」


「…!」


神示と、利花は驚き後ろに飛んで後退する。


「…ピエロ?」


総理は何があったのかわからず、呆然としている。


「はあっ!」


後退した利花の元にイリスがパンチを繰り出す。本気でもないただのパンチとは言え、ステータスがステータスなのでとてつもない威力である。


「盾花!…なっ!きゃあっ!」


利花は、防御スキルである盾花を展開するが呆気なく破られて吹き飛ぶ。

イリスは吹き飛んだ利花を追う。


(女性の方は任せて!)


(サンキュー、イリス。俺は天動だな。お互い気をつけて戦おう。)


(うん!)



「天動神示…ですね?」


「…ああ、そうだよピエロ君!ちょうど良かった!僕は君に会いたかったのだよ!」


驚いていた天動は、直ぐに笑顔となる。

その表情は吹き飛んで行った利花の事など気にもしないといった感じだ。


「私に?」


「そうさ!君は非常に強いからね!是非とも天動衆の傘下に入ってもらいたく、話をしたかったのさ!」


「…喜んで人を殺すような者のいる組織に入れと…?」


信之は声を押し殺して問う。


「ん?なんの事だい?…あぁ、もしかしてうちの部下で喜んで人を殺すような者がいたということかな?それは僕の本意ではないよ。僕は、こちらの命令を聞かない者がいたら殺してもいいとは命令したけどね。」


神示は、笑みを絶やすことなく饒舌に語る。


「…命令を聞かなかったら殺してもいいと?」


「それはそうさ!日本において…いや、世界においてこの僕が絶対さッ!僕の命令に背く者は何人足りとも許さないッ!泣いて詫びようが何しようが死ぬ運命となるのだッ!ひゃーはっは!!」


「…お前も一緒だな…。あの殺人鬼と…。」


信之は拳を握り締めて仮面越しに神示を睨む。


「おやおや~?話し方変えたのかい?まあいいけど。ただ、殺人鬼と同じというのはやめて欲しいね。僕には大義がある!それを遂行、達成する為には犠牲が必要だ!改革をする際は常に犠牲は付き物だろう?僕の言うことを聞いていれば、その者が死ぬ事はほとんど無いと思うよ?ただの改革よりもなんて優しいのだろうと国民は涙して欲しいくらいだね!」


神示の口からは、自己中心的な発言しかされない。


「お前について行って何の意味がある…。その先には戦争しかないだろう!人が苦しむ世界しかない!」


「そこはまだ、僕の大義の過程さ!過程の上で苦しむのは仕方ないことさ!僕は手に入れたステータス、スキルで世界最強となる。この世界の真理は弱肉強食!僕の組織に入った者は強者でありそれ以外のものは弱者だ!僕の組織の傘下に入れば、庇護下に置かれるのと一緒なのだからそれだけで安心だろう?」


「…お前の目的は自信が最強となる事なのか?一般人を傘下に入れてなんの意味がある?」


「いい質問だねぇ!僕のスキル、英雄は契約した者の獲得した経験値の1%を譲渡してもらう代わりに、契約した者に対して全ステータスを10%上昇させることが出来るのさ!なので、人が増えれば増えるほど組織はより強固となり、僕はレベルが上がっていくッ!」


信之は話しを聞きながら、魔纏の瞳でステータスやスキルを確認する。


(なんだよこれ…チート過ぎるだろ!)


信之は神示の強さに驚いた…。












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― 新着の感想 ―
[一言] はぁ・・・無双系を書く作者ってなんですぐこういう話にするんだろうね? 無双だ、最強だと掲げておいて拮抗や苦戦する相手をだして自分で自分の作品に嘘をつく 結果読者を騙す結果になる 宣伝したとお…
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