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特撮転生 仮面レイダーZEROM 最終回から始まるアナザーストーリー  作者: JING
第一章 エルフと大樹と隠れ里
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第5回 恐怖!無尽蔵に詰め込まれる美食!?

まあ多分、今から何年経とうと地球が滅ぶまで日本から料理がなくなることは無いとは思いますが。

「では冒険者ギルドまでご案内しますね!」とすっかり元気になったサラに先導されてエルフの里マグラスを案内されている。

彼女の両親はギルド職員のため先に行って準備をしておくと木の上を飛ぶように走っていってしまった・・・この世界の人達は俺の元いた地球の人間に比べてフィジカルに優れているようだ。。。


それにしても()()()と言ってなかったか・・・見ればエルフ族?の人々はもちろん多いがそれ以外の普通の耳の者や犬猫のような耳が頭に生えた者、顔に鱗がありトカゲのようなしっぽを垂らしている者と様々な種族の人々が通りを闊歩している。


「ねね、サラちゃんひとつ聞いてもいい?」

「はいどうぞー?」

「エルフの隠れ里なんだよねここ、それにしてはスゴく色んな種族の人達が多いんじゃない?」と、ミサキが俺の心を読んだかのような疑問をサラにぶつけた。


「ああそれはですねっ、今の里長さまが原因ですよ。『村々が交流も無く閉じこもったままでは衰退の一途を辿ってしまう。それならばエルフの矜恃などクソ喰らえじゃ!』って感じで変えちゃったらしいです。」


道すがらミサキからエルフとはどんな種族かをレクチャーしてもらっていたがその当人も全くイメージが違ったらしく面食らっているようだ。

森から出ていけ人間め!なんてエルフは今どきいないのだと言う。

そして辿り着いたのは大きな切り株をそのままくり抜いて作ったかのような建物だった。


「これは凄いな・・・。」

「だね、ハヤト!」


中はさながら、映画で見たレストランというものに近い造りのようだ。


「・・・あれ、冒険者ギルドっていったらもっとゴチャゴチャしてて酒飲みたちがガハハとか笑ってて、怖い感じじゃないの?」

「なんだそのイメージは。」


ミサキがよく読んでいる小説に出てくる冒険者ギルドとは臭い・汚い・怖いの3Kを体現したような場所であり、新人冒険者の主人公などはベテラン勢から陰湿な嫌がらせを受けるのがセオリーらしい。


「そりゃあワシが監修したのだからそのようなマイナスイメージは撤廃しておるぞ!当ギルドは半分カフェレストランを兼ねており、可愛い獣人ウェイトレスもおる!!」


と、大声で説明してくれたのは・・・誰だこの幼女は。


「お嬢ちゃんよく知ってるね~説明してくれてありがとね?」

「誰がお嬢ちゃんであるか!ワシは!」

「あれ、里長さまだ。こんなところで何してるんですか?」

「「里長様!?」」

「違う!我こそはこの隠れ里マグラスの長にして女王、ジオ・マグラスであるぞ!!」

「・・・女王様?」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「そうかそうか、ではお主らがサラを魔物から助けてくれた強者であったか!」

「そうそう!すっごく強かったんだよシシオー、じゃなかったハヤトさん!!」

「言いやすいほうでいいさ。」と、グラスに注がれた氷水をあおった。


俺たち二人はサラとジオに案内されて個室形式となっている席へ通されていた。

しかし・・・見れば見るほど日本にはなかったもので溢れてるな。

木製のテーブルにシルク、カイコとやらの糸から出来た布製のテーブルクロス、ガラス製品は見た事はあるがこんなに芸術的な意図を入れる理由がわからん。まして驚いたのはこの水だ。

俺たちの常識で言えば飲用水なんてものは()()()()()()()()()()()()()()なものだ。それをただ井戸から汲んできた物に氷を入れただけでこんなに美味いという衝撃。


「・・・どうしたのじゃハヤトとやらは?」

「ああ、元々この人研究者だったからね・・・自分で理解できないもの見つけるといつも熱中しちゃうクセがあってね。」

「ふむ、まあよいか。では改めて我が里の者を助けてくれた礼を受け取ってもらうのじゃ!」


そういうが早いか数人に別れてフリフリした白黒の衣装を着た獣人のウェイトレスたちが何かを皿に乗せて運んでくるとテーブル狭しとばかりにどんどん並べていった。

・・・・・・何だこれは?


「へぇ、すっごーい!里長さんなぁにこれ?」

「女王じゃと言うておろうが・・・これが我が里の名物料理の数々であるぞ、心して堪能するが良い!」

「初めて見たな、これが【料理】ってものか。」


ここに来て水以上に俺たちの度肝を抜いてきたのがこの料理というものである。

もう説明など不要かもしれないが料理なんてものは俺は食べたことは無い、ミサキも同様のはずである。


俺たちのいた西暦2500年代には少なくとも日本からは料理などという文化は失われていた。ディストピア化された国にそんなものは不要とばかりに大陸に奪われたのである。

残されたのはペレットと呼称されるような合成食料と汚染された海から採取された蒸留水程度であった。

食料には味こそあるものの美味いとはとても思えるようなものではなかった。


「料理すら知らんとはどんな未開の土地から来たのじゃお主らは・・・まあ良い、まずは食ってその味を確かめるがよかろう!」

「「では・・・いただきます。」」


先程チャーハン?とか説明されたものをスプーンによそい俺たちは口に放り込む。


「なんだこれは!?!?」

「何これ美味しーーーーー!!!!」


そこからはもう止まることはなかった。

料理名程度は耳に止まるのだが食べる勢いが止まらない!!美味い、美味いぞ!!!

うまいうまいうまい!!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



俺たちが意識を取り戻したはテーブルに空っぽになった皿が小高く積まれた頃であった・・・。


「もう食べれましぇん・・・。」

「ご馳走様です・・・。」

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