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特撮転生 仮面レイダーZEROM 最終回から始まるアナザーストーリー  作者: JING
第五章 亜人の街とリゾート地とルリコの決断
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第48回 旅のお供に魔王様はいかが?

まあ不動産屋をしてる魔王もいるとの事ですから・・・。

食堂に下りた俺とルリコを迎えたのはやたらニコニコ微笑んでいる蜘蛛の両親だった。

やはりこいつら仕組みやがったな・・・。


「いよう婿殿良い朝だな!昨晩はお楽しみのようでしたなってやつか!?」

「ルリコ、捕縛。」

「ぐあああぁぁぁっ!?」


ミノムシのようになったブラック、同じアラクネならすぐに突破できるだろうが少しくらいの猿轡(さるぐつわ)にはなるだろう。


「おはようございますご主人様。」

「ハヤトおはよう~ルリコに変なことしなかったよね?」

「お前もミノムシになりたいのか?」

「冗談でしょ~それにハヤトはそういうの鈍いしね。」


俺は鈍感であったことは無いと思うんだが・・・。


「おはようございますハヤトさん、早速で悪いのだけれど一つお願いがあるのだけれどいいかしら?もちろんギルドからの依頼という形でね。」

「ん?」

「実はこの街の裏手の森を開拓しているのだけれどそこで小さくはない先史文明の遺跡が見つかったの、そこを北欧大陸からいらっしゃっているお客様が確認したいとのことでね、護衛を受けていただけないかしら?」

「指名依頼ということなら喜んで。」

「母ちゃん、どんな相手なんだ?」

「一応はギルド長なのよ私?まあいいわ。」


相手は北欧大陸の帝国から訪れた例のツアコンに関わる大物らしい。

開拓中の森林に遺跡が見つかったとの事でちょうどこの地を訪れていたその人物が観光名所に出来るか否かをチェックしに行くための護衛が欲しいとのこと。


「もし受けて貰えるならそうね、十時にギルドで顔合わせしてちょうだいな。」

「あまり遊んでばかりでも仕方ないからな、受けさせてもらおう。」

「そう言ってくれると思ったわ♪じゃあ四人とも宜しくね。」


ヒナカさんはパーティではないからな。

おっさん(ブラック)はまだモゴモゴしているがほっといて他にもクエストが無いかギルドに先に向かうとしよう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「あら早かったですね、流石一流の冒険者は約束よりも早い時間に到着するものです。」

「何となく予感はあったがあんたか依頼主は。」


そこにいたのは船上で出会った・・・たしかコヨミだったか。

船の時とは違い黒いマントを羽織った彼女はニコニコとテーブルから立ち手を振ってきた。


「改めましてハヤトさん以外のメンバーの方にはお初にお目にかかります、コヨミと申します。魔帝国クライシスのツアーコンダクター兼、当代の()()が私ですわ。」

「「「魔王!?」」」


その場でクルっと回ってみせるコヨミ、金髪のロングヘアがパッと散る。見た目はミサキより若く見えるがこの世界の人間は見た目と年齢が比例する種族は純粋なヒューマンくらいだからな・・・だが女性に歳を聞くのはマナー違反。


「魔王様なのかー、おじいちゃんのイメージしかなかったぜ。」

「ルリコさまったら、ご主人様はリュウガ様から聞かれたかと思いますが前魔王のコヨミ様のお爺様は数年前に崩御なされて今は彼女が魔王の座を継いでおられるんです。」

「へぇ、オレ帝国の事情までは把握してなかったから初めて知ったぞ。」

「そうなのか・・・聞いてはならないかもしれないがなぜ次代が君の親御さんではなくコヨミ、さんに?」

「呼び捨てで構いませんわ、まだまだ私は若輩者ですしここには企業の開拓部長として来ておりますので。父は元々(まつりごと)よりも商売ごとに向いておりまして旅行会社を立ち上げていたのです。魔王としてのお仕事は宰相でもある叔父様がほぼ担っておりまして、それで私は割と時間があり魔王とツアコンの二足の草鞋を履いているのですわ。」


ツアコン魔王か・・・今や魔王も多様性を求められる時代なのか。

ん?ということは。


「添乗員ってことはツアーにはコヨミがずっと付いてくる形になるのか?」

「勿論そうですわよ?」

「・・・魔王さまがいいのかそれは。」

「当然。私は魔王としてもツアコンとしてもまだまだ経験が足りませんからね、民の声を聞くのにも良い立場なのですよ?さて・・・では早速お仕事の話と参りましょうか。」


彼女は優雅な所作で紅茶で喉を湿らすとテーブルへ地図を広げた。

バチュラの街を中心として海の他に下側に広がる大森林を開拓していくのがリゾート開発の手筈とのこと。

あとは自然破壊に繋がらないようにバランスを取りながらその範囲を広げていくとのことだ。

そこで彼女が指さしたのが森の黒くマーキングされたポイントだった。


「ちょうどこの辺りに件の遺跡がありまして、道中は問題ないのですが遺跡の中に小規模ながらダンジョンが発見されているのです。そこで私が調査をしようと思ったのですが一人で行くのを止められてしまいまして。」

「そりゃそうだろうな。」

「そこであなた方に白羽の矢が立ったというわけです、これがもしダンジョンコアの無いパターンであれば良し、仮にあったとしても冒険者を引き込めますのでまた良しとなります。」

「ふむふむ、懸念するとすれば大量発生(スタンピード)あたりか。」


スタンピードとはその名の通り迷宮から魔物が溢れ近隣の街などを襲ってしまう災害である。

理由は様々だがとある地域で突如魔物が大量に現れ村が壊滅、騎士団によって殲滅され原因を探ったところその周辺で中規模のダンジョンが発見されたというケースもあるらしい。


「ええ、長年未発見で放置され続けたダンジョンから大量発生(スタンピード)が起こると言われていますわ。それを防ぐ為にも冒険者に定期的に潜って頂きたいのです。コアさえなければ起こりえない現象ですから早急に調査が要るのですよ。」

「なるほど了解した。で、いつ行く予定だろうか。」

「貴方がたさえ宜しければ今日これからでも。資材は私の【収納魔法(アイテムボックス)】に収納しておりますので、あとは食材を持つだけですわね。」


収納魔法は術者の魔力量と直結してその容量が決まり、中に生物を入れることが出来ない・収容物は普通に時間が経過するため食べ物や魔物の素材などは腐る・術者本人が中に入ることは出来ないなど()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「それなら話が早い。街から近いのであれば早速出かけるとしよう。」

が、下記をどうかお願い致します】


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