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特撮転生 仮面レイダーZEROM 最終回から始まるアナザーストーリー  作者: JING
第五章 亜人の街とリゾート地とルリコの決断
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第46回 悪いが叩きのめさせてもらった

ファイナルアタックは使っていないため爆発しませんでした。

ここはバチュラの街の中心部、様々なイベント事を行う円形広場だ。

あの後正式に私闘をブラックさんに頼んでみるとようやく言葉が通じたらしく興奮交じりにこの場を用意してくれたというわけだ。あの父親に俺の力を舐められたままというのも()()頭にくるしな。


「ハヤト、気をつけろよ?」

「親父さんをのさないようにか?」

「それは別にいい、父ちゃんも調子に乗りすぎたしな。問題はあんなでも元S級冒険者なんだよ・・・オレは三年前全力で戦ったけど涼しい顔で気絶させられたんだ。」

「そうなのか・・・なら変身せずにどこまでやれるか楽しみってモノだ。」

「・・・ハヤトは心配するまでもないみたいだな。」


「まだか()()()殿()よ、いや()()()殿()だったか?まあどっちでもよいわ!」


「やっぱ変身して全力で叩き潰していいぞアレ。」

「・・・危なくなったらな。」


今のでうちの三(ミサキ・ルリコ・)(リリィ)からは敵認定されていそうだな・・・。

さっさと簡易な柵で囲まれた円形広場(リング)に入っていくと後ろで入ってきた場所も柵で閉じられた。


「ルールは一つ、相手を柵に触れさせた者の勝利だ!さあ今宵のエンターテイメントの開始ですぞ、我が娘が賞品だ!!!」

「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」」」」」


そういや人族と戦ったことはあるが亜人種と拳を交えたことは無かったな。

羽織っていた上着を脱ぎ捨てるブラック、その肉体は猛々しい筋肉の鎧を纏っていた。


「さあきたまえ!どんな武器を使おうと構わんぞ!!」

「戦う時までうるさいのは勘弁しろよ・・・。」


一気に踏み込んでそのまま拳を放つ。が、素早く反応したブラックは半身を翻して避けると俺目掛け糸を発射してくる。なるほど、これなら遠距離武器でも使わない限りは対処可能ということか。


「ハッハッハその程度ですかなアツゥイ!」


着火魔法(ファイアスターター)で糸を焼き脱出すると一旦バックステップで距離をとった。

不用意に飛び込めば糸で縛り上げられるならとそのまま火の弾を放つが相手も糸の玉を放って防いでくる。

一々煽ってきながら戦うのはこの人のファイトスタイルなのだろうか。


「どうした!仮にも魔人さまと言われた力は見せてくれんのか!?」

「もしアンタが傷ついたらルリコが泣くからな!」

「ハハッ!それは傷を負わせられたらの話だな!」


リクエストがあったなら仕方ない、使ってやろう。


【チェンジ】【ウィンド】

二枚のレイドカードを腕のバインダーから引き抜くと腰に出現させた白金に輝くゼロムドライバーへとスキャニングした。


『カァメェェンレイダァァアゼロォォムッウィィドォスタァァイルゥッ!!』


そしてその場で放たれた竜巻によって周りの柵が吹き飛び、緑色の魔法陣を透過した俺は仮面レイダーゼロムへと変身した。


「ま、魔人さまの噂は本当だったのか!?」

「化け物だ!」「あれが伝説の魔人?俺は女と聞いたぞ!」


随分な言われようだな、俺はリクエストに答えただけだと言うのに。

俺は風の力を纏ったまま歩み寄るとブラックは怯んだように後ずさりした。


「ククッやりおるな、相当強いのだろうその姿は!」

「自慢じゃないが魔物は相当倒してきたな。」

「なるほどな!ならばわしも全力を見せようではないか!」

「は?」


すると無数の糸を全身に巻き始めたブラックはみるみるうちに毛糸玉のようになっていき・・・その後彼の姿のは巨大な大蜘蛛へと変わっていく。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ちょ、何あれルリコちゃん!?」

「アレも父ちゃんの得意な変化魔法(ミューテーション)だよ、化け蜘蛛に姿を変えて戦うんだけど正直言って魔物と戦ってると両方魔物に見えるんだよな・・・。」

「変化魔法ですか、興味深いですわね・・・しかし柵は吹き飛んでしまいましたが判定はどうなさるのでしょうか。」

「・・・どっちか気絶したらでいんじゃね?」


『ゆくぞむこどのぉ!!!!』

「怪我したら後で治してやるよ!!」


殴る蹴るの乱打を浴びせていくが流石の巨体だ、たじろぐことも無い。

それなら暑苦しいオヤジは一度文字通り燃やしてやるとするか。


【フレイム】

『スタイルチェェェェンジィ!フレイムスタァァアイルッ!!』


仮面レイダーゼロム・フレイムスタイル。

突如上がった炎の柱、そして真っ赤な魔法陣から放たれる火のエフェクトが全身を包み込むと俺の姿は赤い装甲に彩られた姿と化す。そして現れた赤い仮面は赤龍そのもの。

文字通り炎を自在に操るゼロム第四の姿である。

その炎は相手を燃やすのみではなく、相手の体温をサーモグラフィーのように感知し正確な攻撃を可能とする能力も有する。

このスタイルに変身した場合のみゼロムスラッシャーは右腕部に装着され鉤爪のような形に変化するのだが今回は要らないだろう。


親父さんの本体を傷つけないように身体を削るのに向いているのが実はフレイムスタイルなのである。もちろんギャラリーに被害をもたらさないのも当然だ。


「はぁぁぁああああ・・・行くぞ!フレイム・スマッシャー!!!」


俺の正拳突きから放たれた炎の竜巻は一気に巨大蜘蛛を巻き込むと急激に方向を変えて垂直に燃え上がり焼き付くす!!


その後竜巻を消すと元の姿になったブラックが落下してくるので受け止めで地面に下ろしてやる。

少なくない火傷をしているようだがこの程度なら命に関わることは無いだろう、そのまま回復魔法を使って傷を治してやる。


「そこまで、そこまでです〜!勝者、ハヤト・獅子王!!」

「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」」」」」


そこでようやくコハナさんのストップがかかりこの奇妙な戦いは幕を閉じることになったのである。

・・・待てよ?最初スルーしてたけど我が娘が賞品とか言ってなかったかこの蜘蛛オヤジは??

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