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特撮転生 仮面レイダーZEROM 最終回から始まるアナザーストーリー  作者: JING
第四章 ドワーフと活火山と炭鉱都市
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第36回 お宝目指してエンヤコーラ

そも初心者が探掘など普通はやらないものですが。

ここはバッカスの活火山。

この山では他では見られないという魔力を豊富に含んだ希少な鉱石や主に魔石の代用品として使われるが滅多に見つからない焼石炭と呼ばれる石が採掘されるらしい。


「んで、俺たちはなんでこんな所にいるんだっけ・・・。」


カーンカーンカーンカーン・・・。


「そりゃ・・・リュウガさんに『お前ら暇で力が余ってるだろ、ちょっくらおつかい頼まれてくれねぇか?』って言われてよく内容も確かめないで安請け合いするから・・・。」


カーンカーンカーン・・・。


「やっぱりハヤトも変身したら?」


カーンカーン・・・。


「ご主人様、無理せず水分補給を忘れずにファイトです!」


カーン・・・。


「クーラー・・・ちょっとゼロムキャリアー出すわ。」

「こんな狭いところでやめろォ!」


現在、俺たちはリュウガの依頼(おつかい)で焼石炭を探しに来ていたのだった、ちゃんと報酬は弾んでやるって言ってたが火山だけあってかなり暑い。

この廃坑になった横穴はなんでも溶岩に近寄りすぎて封印されていたらしいが最近になってその焼石炭がよく見つかるようになったらしい・・・。

ちなみにミサキは既に仮面レイダーナーガへと変身済みである。


「仕方ないなぁ、わたしが少しずつ冷やそうか?」

「いや、最悪溶岩が吹き出してきた時のために温存しといてくれ。」

「オレは氷水ほしいぞー。」「はいどうぞ。」とリリィがすかさず俺の次元収納から氷を取り出してルリコに渡した。


「多めに氷を持ってきたのは正解だな・・・。」

「そういやなんでハヤトは変身しないんだ?」

「俺の属性は風と雷に炎、後は水と光なんだよ。水のスタイルに変身したとしてもこれだけの熱に対抗するには役不足だ。」

「水と氷ってそんなに違うのか?」

「ミサキのフリーズスタイルは凍らせるってよりも正確には温度を操る形態だ。だから氷を出せるのは空気中の水分を凝結させて氷点下まで下げることで・・・ここまでは理解できるな?」

「オレそういうのは眠くなってくるぞ。」

「チッ、この世界には学校とか無いのか!?」


坑道跡にはタブレットを持ち込み、魔力反応のある場所・溶岩の反応・金属探知・その他の情報を打ち込みながら掘り進めている。魔力反応に関しては要はプログラムだ、少し設定を変えてやれば強弱くらいの反応をキャッチできるようには出来る、した。

それでも何が埋まってるかまではわからないので掘り出してみたら魔力鉱石でしたというオチが続いているのだ。

そもそもそれが石炭の亜種であれば金属探知機も反応しない可能性がある、つまり()()()()()()()()()()さえあれば当たりなんだが・・・。


「全然見つかりませんわね・・・。」

「冒険者が見つけたってのは眉唾だったのか?」

「なんか面倒になってきたね、ここら辺吹き飛ばしてみない?」

「やめろ馬鹿。」


俺もよく冷えたスポドリを喉に流し込みながら答える、一旦休憩するか。


「リリィは教養があるんだよな、不思議だったんだよこの世界は識字率は高いくせに学問とか修めてるのは貴族くらいなんだろ?」

「そうですね、私はロレンツ様に教わりましたので。文字書きは基本的に各家庭や教会が『子供には一定の教養を与えるべし』と広まっているお陰で最低限の勉強できる環境が整っています。」


教会が絡んでるってことはまた女神か。確かに読み書き計算は商人でなくてもできた方がいいに決まっているが。


「ご主人様の仰った学校というものは貴族かある一定の武門の家系や商人しか行かないものですね。帝国には魔法学園という魔力の優れた者の通う学び舎があるそうですが。」

「へぇ、ファンタジー物の定番だね!」

「ふぁんたじぃ?」「ああ、ミサキの話は半分くらい聞いておくのが正解だ。」「なんでよぉ!!」


そりゃあスマホを持ってこれたからって『もしかしたら私のチート能力はスマホかもしれない!ネットに繋いだりママゾンで買い物したり!』とか言って初日に諦めてたようなやつだからだろ。

そもそもネットに繋げられるわけが無いし買い物したとしてどうやって配達させるつもりだ、支払いすら出来ないだろう。

それにしては充電せずとも使ってる様子があるし、こっそりネット小説を読んでる節があるのは不思議なんだが俺には撮った写真くらいしか見せてくれない。


まあそんな上手くは行かないだろうなと考えていると横穴の先からなにか聞こえてくるような・・・魔物がこんなところに入り込んでいたのか?


「ハヤト、ここはあたしが!」と、ナーガが身構えている先に現れたのは・・・数人の女の子?


「あれ、お兄ちゃんたち何してるの?」

「ここはすたれた廃坑なのにー。」

「僕らの遊び場なんだよー?」


明らかにおかしいだろ、こんな場所にガキがいるなど。


「ご主人様!」「ハヤト、なんか変だぞコイツら。」

「普通に考えて人族(ヒューマン)の子供がいる所じゃない、誰だお前らは。」


「ケケケ、質問に質問で返すなよぉ。」

「まあ人族の子供はいないよねぇ。」

「魔物はいてもおかしかないけどね!!」


そう言った女児らの頭からは角が生え、服の背を羽が突き破りヒョロっとした尻尾が伸び始める。

瞳は黒目と白目が反転しその姿は既に人間ではないだろう。


「「「ここは我ら【悪魔族(デビル)】のナワバリだ!」」」

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