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特撮転生 仮面レイダーZEROM 最終回から始まるアナザーストーリー  作者: JING
第三章 ドラゴンとドラゴニュートと奴隷呪法
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第28回 あれ、何も無いのか?

ダンジョンの一番奥に何も無かったらつまらないですよね?

ふと思ったんだがこういう上に上に昇っていくダンジョンというもののボスは上がれば上がるだけ強くなるものじゃないのか?


60階層のボスをナーガに変身したミサキが楽々と倒したあとそんなことを考えていた。


「どうかなさいましたかご主人様?」

「丁寧語キャラはまだ続けるのか?」

「は、はい!そこは線引きというかなんというか・・・。」

「まあいい、迷宮ってのはボスってモノもどんどん強くなるもんじゃないのかと思ってな。」

「確かに。」

「強くなってってるぞ?オレはここまで来たこともないけど。そう感じるのは相性だろうけどハヤト達が強すぎるからじゃないか?」


それもあるか・・・


「よし、なら次のボスは全員で変身しないで相手にしてみるか!」

「え!?わたし出来るかな・・。」

「ミサキは魔法で攻撃して俺は剣、リリィは戦闘スタイル変わらないだろうからルリコはその援護。どうだ?」

「まあそれなら・・・確かに今って65階層は素通りできるからそれなら70階のボスで試してみようか。」

「ご主人様、攻略も良いですがそろそろいいお時間かと。」


この世界では夜遅くに働くことは女神が良しとしないという言い伝えがある。それにより基本的に夜夜中(よるよなか)まで働くような仕事は基本的に無く、夜半には盗賊すら大人しく、魔物でさえ襲ってくることがないらしい。

かく言う俺も夜中に調べ物をしていたらリリィに見つかりたしなめられたことがある。

他にも一週間毎日やっている店は無い、ギルドさえ休みの日があり大体その日を休みとする者が大半、大体の者は一週間に二日以上仕事を休むなど世界的にホワイト感がある。

・・・この世界の女神も実は稀人で生前ブラック会社でこき使われたとかじゃないだろうな。


そうして俺たちは一旦ダンジョンから脱出してギルドに帰ることにしたのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ダンジョン攻略を始めてから四日目。

昨日はゆっくり休んだので今日からまたお仕事開始だ。


「さて、世界樹の最高到達記録ってのは何階だったんだかな。」

「お主らここ最近見かけぬと思ったら世界樹に挑戦しておったのか・・・。」

「ジオちゃん久しぶりー♪」

「わぷッ!?」


久々に顔を見せたジオは明らかにやつれていた、今はミサキにつかまって胸に顔を埋めて苦しそうだが。


「ジオ、確か以前に俺達が倒したヒュドラがいたのは65階層だったな。」

「うむ、もし行くなら再びボスが出現するようにアレを解凍しておくんじゃぞ?」

「了解、んで最高到達階ってのは何階なんだ?」

「正式な記録としてギルドに残っておるのは70階層までじゃ。それより上には階層がないとか上がる手段が無いとかの噂でそれより進んだ者はいないはず。」

「へぇ・・・。」

「くれぐれも言っておくが世界樹を破壊するような真似だけはするでないぞ!?お主らはやりかねんのだから本当にやめてくれ!フリではないぞ!?」

「善処する。」


よし、腹も満たした事だし攻略の続きといこう。

その後65階層の魔法盤へワープすると上層階へ上がっていく。凍らせていたヒュドラはさっさと解凍済み、そのまま襲いかかってくるかと思ったがそのまま崩れ落ち床に吸収されていったので先に進むことにした。

それ迄の石畳は割と綺麗なものであったがこの66階からのそれは苔むしていたり天井から蔓が下がっていたりと今までのフロアに比べて人の出入りがない、ジャングルの映画のようなより鬱蒼とした雰囲気が強まっていた。


「これは凄いな・・・。」

「調べてきたけど世界樹ダンジョンの65階層以上は最後に出入りのあった記録は今から50年以上前のパーティくらいみたいだよ。ジオはやっぱハイエルフだから最近みたいな話だったけどこれは相当だと思う。」


魔物も昆虫系がたまに出てくるくらいなのでルリコでも充分対処できているが明らかに人馴れしていない様子で戸惑っているように見えた。

進むのが面倒なだけでたいして強い魔物もいないな。


そうしてたどり着いた70階層のボス部屋前、やはり苔に塗れていた扉を開けるとそこは窓から明るい光が射し込む幻想的な場所だった。

しかしそれまでのボス部屋に共通していた二つの物が無い、次のフロアに登るための魔法盤のある部屋と肝心の中央にいるはずのボスモンスターである。

あるとすれば天井の真ん中に水晶のような大きな丸い物体が嵌め込まれているくらいだろう。


「あれ?なんにもないぞ。」

「今までだとボスが中央にいたな、これではまるで塔の頂上階のようだ。」

「ご主人様、ただ今龍の聴力にてこの階の反応を探りましたがネズミの一匹もいないようです。」

「リリィちゃんの耳でわからないなら何もいないのかな・・・。」


俺はそのまま中央まで歩いていくがやはり何も無い・・・?・・・床になにか模様が埋もれているか?

サッサっと靴で払ってみるとそこには魔法陣の跡のようなものが見えるがかなりボロボロだ。


「ルリコ、少しこれをみてくれないか?魔法陣のようなものはあるが掠れていて起動しないようだ。」

「どれどれー?」と、三人が俺に近寄ってくると僅かに床に光が宿るような感じはあったがなにか召喚されてくるということも無いようだ。


「うーん、本来ならこの魔法陣と天井のクリスタルが反応して起動するような罠?かなにかのギミックなんだろうけどこれじゃ特にヒントも無いし分からないかな・・・。」

「あとは明り取りの窓があるだけか・・・他のボスの階層には無かったよな?」

「65階の大穴はわたしたちが開けただけだしね。」

「ふむ、ボスがいないなら上に行くしかないが此処が最上階という可能性もあるんだよな。ルリコ、ダンジョンってモノは確かに最奥にダンジョンコアって大魔石があるんだよな?」


確かギルドで暇つぶしをしていた時にジオから借りた本にそんなことが書いてあった気がする。

なんでもそれをダンジョンから切り離したり破壊するとダンジョンはそれまでの宝箱に罠や魔物、ボス級モンスターが生み出されなくなりただの洞窟や廃墟になってしまうらしい。

それも含めてジオには壊さないよう念を押されていたがこうも何も無いんじゃ最上階にあるというお宝でも持って帰らないことには面白くもないな。

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