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特撮転生 仮面レイダーZEROM 最終回から始まるアナザーストーリー  作者: JING
第二章 初めての海と臨海都市とアラクネ
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第19回 投獄された仮面の戦士

お金持ち=権力者という図式が成り立つようです。

どうやら俺が止めた馬車に乗っていたらしい少年・・・青年?がなにか文句があるらしく相当怒っているようだ・・・普通そこはルリコの心配をするべきじゃないのか?


「?見間違いか?・・・いや、ぼくちんの魔道馬車の前になにか置いたか!?せっかく気持ちよく走ってたってのに!」

「これが魔導馬車というのか、いやあの子が轢かれかけたから俺が止めたんだが。」

「・・・かなりのスピードを出してたのになにかの魔法か!?とにかくこの街の大商会の一人息子のこのギュータン・アンドロメダとアンドロメダ商会にに舐めたマネしてくれたな!タダじゃ済まないと思えよこの・・・真っ黒な服着たダッセェ唐変木が!」

「これはライダースジャケットだ、ファッションは知らんが機能性は高い。」

「知るかそんなこと!」


そんな全く噛み合わない会話をしているとミサキが軽く袖をクイクイと引いてくる。


「(ねえねえこれマズイんじゃない?このまるまる太った子お金持ちの息子っぽいよ?)」

「関係ないだろう、人身事故を防いでやったんだぞ俺は。」

「(それはそうだけど・・・)」

「おいそこの金髪女!誰が太ってるだと?!ぼくちんはポッチャリ愛され系だ!!」

「あらー聞こえてたか☆」

「・・・ミサキもわかってて煽ってないか?オレなら平気だし・・・。」

「人身事故だと?ぼくちんが魔物かも分からない蜘蛛女を轢いたところで何も問題ないさ!だってぼくちんはお金持ちなんだからね!!どうせソイツだってあんたの奴隷かなんかだろ!?」


・・・この世界の奴隷身分の者がどう言ったものかは知らないがこの少年、いやこの子の家では明らかに人権を逸した扱いをしてるのか?亜人種を明らかに差別していなければ出てこない発言ではないだろうか。


「誰が奴隷だ!」

「その通り、彼女は大切な仲間だ。君が誰かは知らんが君のせいで死んでいたかもしれない者に対してその言葉は無いんじゃないか?」

「ああ?知るかよそんなこと!」


と、言い争いが続いていると流石にギャラリーも増えてきたようでそこに馬に乗った衛兵が通りかかる。


「なんだ何があった!散れ散れ!!」

「衛兵さんか?俺のパーティメンバーが」「おい衛兵!!この失礼な黒づくめの怪しいヤツを捕まえろ!!」

「は?」


俺の言葉を遮ってきた少年、ギュータンとかいったか?なんだか美味そうな名前の子は何やら俺が全面的に悪いと主張したいようだが街を護る衛兵にそれはないだろう。


「む?・・・これはこれはアンドロメダ商会のお坊ちゃま!!おいお前たち、コイツらを捕縛しろ!」

「「はあ?」」


そうして俺たち三人は衛兵に縄であっという間に雁字搦めにされると牢獄を兼ねるこの街の番兵所に連行されたのだった・・・。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



投獄され数時間後。

自分たちの話など全く聞かない衛兵相手では埒が明かないと思った俺は白紙のレイドカードに捕まった経緯を書き連ね、鉄格子の嵌った窓からギルドへと飛ばした。

夕日が差し込むようになってしまったが恐らくジオもメズールさんもまだいるだろう。


「なんだか大変なことになっちゃったね・・・それにしても何も聞かずに逮捕なんて有り得ないんじゃない?」

「ふむ、それほどアンコダマ?商会とやらの権力がこの街では強いのではないか?」と、ピクニックの時に残ったサンドイッチを取り出して食べる。次元収納に入れたものは基本的に時間経過が作用することはなくなるので仮に熱々の料理を入れて置いても冷める事は無いのだ。


「あ、わたしにも残ってたらちょーだい。お腹すいちゃった。」

「オレも欲しいぞー!」


そんなやり取りをしていると檻の外がにわかにガヤガヤとしてきたので聞き耳を立てるとどうやらギルド長がなんでこんな場所に!?とか聞こえ始めたのでうまく伝言が目に入ってくれたらしい。


「ハヤトよ無事か?!」

「ハヤトさん!?」


と、メズールだけでなくジオも来たようだ。

カードには無かった俺たちの言葉を聞いてメズールさんは頭痛がしてきたようなポーズを取って話し始めた。


「大体の事情はわかりましたわ、よりによってアンドロメダのバカ息子と事故ってしまうなんて・・・面倒くさいことになりましたわね。」

「衛兵にも問答無用だったからな、俺が何を言おうとうるさい黙れしか返してくれない。」

「・・・この街の大きな貿易商会でもあるアンドロメダ家はギルドはもちろん街自体への寄附金も多い権力者のようなものなんです。貴族の悪い面だけのような振る舞いを家族全員がしていますね、まあ旦那さんと息子の二人しかいないんですけど。」

「うわぁ、テンプレみたいな人達なんだ。」

「自分たちの身の回りの事は雇い入れたメイドや【本物の執事】、奴隷を使ってやらせているとかで。黒い噂を聞くこともありますが金の力を使って黙らせているようなのです。ギルドとしてはあまり関わりあいにはなりたくはない案件ですね・・・。」


執事に並々ならぬ思い入れがありそうな彼女だった。


「ギルド長、悪いがそろそろ時間なので・・・。」

「あら、申し訳ありませんね。彼らはわたくしの権限において連れ帰らせていただきます。」

「いや、それはダメだ!いくらギルド長の知り合いとはいえそいつらは商会にケンカを売っちまったんだ、今日のところは投獄してあるが明日には街から追放か処分することに決まってる。」

「・・・それもアンドロメダ商会からの打診ですの?聞けば彼らは魔導馬車の暴走の被害者と言うではありませんか!」

「知らねぇよ!俺たちだって逆らえばこの街から追い出されちまう、ギルドじゃ助けてくれないだろ?」


どうしたらいいものか・・・さすがに俺も警察の厄介になったことは無いからな・・・。

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