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特撮転生 仮面レイダーZEROM 最終回から始まるアナザーストーリー  作者: JING
第一章 エルフと大樹と隠れ里
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第9回 完全におのぼりさんだな。

流石にカメラの魔道具は無いようです。

フィルムに写すスタイルのレトロなカメラなら作れそう。

この世界にやってきてからの一日目は嵐のように過ぎ去った。


元の世界では絶滅した大自然の森というものを初体験し、魔物と呼称される口から炎を吐き出す熊を倒し(吐かれる前に倒したが・・・)、エルフなる長い耳と高いフィジカルを持つ種族の女の子を救い、これまた巨大な大木の生えた【里】とかいう自然豊かな住居群に招待され、またも初体験となるとても美味い料理をたらふく味わった。その後また空飛ぶトカゲを倒したが食後の運動にもならなかった、

エルフ達を束ねる里の長、茶褐色の肌を持つ唯一のハイエルフ・ジオにはたいそう感謝されその後冒険者とかいう自由業のAランク認定を受けた。まあ、それがこの世界ではどのような価値を持つかはまた検証の余地があるのだが。


あれから俺たちはギルドに紹介された宿屋に泊まり、朝になって提供された朝食にまた舌鼓を打つことになる。


「この世界のものは何食べても美味しいねぇ~♡わたし昨日食べたクマさんのステーキハマっちゃいそうだよ!」


ミサキは魔物を食うことに躊躇いはないようだ・・・かく言う俺も今のところなんでも美味い、特に良かったのはワイバーンの舌をよく煮込んだシチューとやらだ。

ホロホロと崩れるように柔らかいくせにその肉を噛み締めれば旨味が溢れだしてくるのだ。そして野菜が溶け込んだスープも捨て難い、様々な食材が入り交じっているにも関わらず破錠しないのが不思議だった。


「魔物を食べるのと普通の動物を食うのに大した差はないみたいだな、むしろ倒さなくては食べられない魔物の方が美味い傾向にあるのかもしれん。」

「わたし大昔の日本のこと調べたことあったんだけどさ、昔はウシやブタにニワトリっていう生き物を家畜といってわざわざ育ててから食べてたんだってさ。」

「なぜだ?」

「野生の動物は美味しくなかったんだってさ、それで品種改良を重ねて皆が美味しいと認めるようなお肉は高値で取り引きされてたんだって。」


宿屋の一階は酒場を兼ねているらしく、俺たちはそこで焼いたパンとポタージュで朝食を取っていた。


「さて、冒険者になったからにはクエストを受けて魔物を狩ったりするのがミサキのいう常識なのか?」

「そうだねぇ、クエストにも色々あって里の人のお願いを聞いたり依頼を受けて働いたりするのもクエストなのよ?」

「冒険者とは何でも屋のようなものか、研究者だった俺とは全く違うジャンルだな。」

「まあまあ、そう言わずにどんな依頼があるか見に行ってみようよ。」

「ああ。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「おお、ハヤト達であるか!昨日は立て込んでしまいすまんかったな。」


ギルドに出向くと直ぐにジオに見つかった。

クエストボードの辺にいた彼女は相変わらずのヒラヒラとした露出度の高いドレスをはためかせながら駆け寄ってくる。

・・・ミサキがジオを見てニヤニヤしているのはスルーしよう。


「ううん、昨日はご馳走様。」

「それでな、今日はこの里の案内(あない)をワシ自らかって出ようと思っての。」

「・・・暇なのか?」

「今忙しいのは解体場じゃからな、ワシは暇なのじゃ!」

「じゃあお願いしようかな♪よろしくねジオちゃん!」

「ハヤトと違って愛想が良いのう・・・。」


ふん、そういうのはミサキの担当だ。

俺は嬉々としてジオの手を取った彼女の後に続いて重い腰を上げた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ここがこの里のシンボルの世界樹じゃ。」

「世界樹?」

「うむ、大樹アトラスとも呼ばれるこの世界が出来た時から生えているという伝説もある由緒正しい樹であるぞ。」


里の北側に大きくそびえ立つ大樹アトラス。

今やこの大陸の交易の要所となったマグラスの里のわかりやすいシンボルである。

その巨大さゆえに天気が良い時は大森林を抜けた先にあるという海沿いの街からでさえ見えるので里を目指して迷う者はいないという。


「大樹は天然のダンジョンにもなっていてな、その巨大さゆえに最上階まで辿り着いた者はいないとされているぞ。」

「ダンジョン?」

「ダンジョン!!それこそ冒険者の憧れだよね!!」

「そうじゃな、説明しておこう。」


「ダンジョンとは生き物でもあるのじゃ。魔石が生物に宿るとそれは魔物となるのは知っておるな、魔力の吹き溜まりで育った通常の物よりも大きな魔石はそこに存在するだけで周囲を蝕みダンジョンが発生するのだ。生まれたダンジョンはさらに他の生物から魔力を求めるため餌となる宝や獲物を用意して冒険者を引き寄せ、中に入って来たものから微量ながら魔力を吸う。そうしてダンジョンと冒険者の関係が成り立つのじゃ。」

「Win-Winってやつだね!」


「で、ダンジョンに挑戦するのか?」と、ミサキに尋ねてみる、こいつはそういうの大好きだろうからな・・・。


「してみたい・・・けど、今日は観光がいいかな。」

「じゃろうな、もしチャレンジするとしても準備は必須じゃし。」

「そんなに危険なのか?」

「普通ならば冒険者が十名ほどのパーティをバランス良く組んだ上で入念に探索予定を練り、十全に資材食料を持ち込み数日から数十日かけて探索するものじゃ。間違ってもそこらの店にランチへ行くような感覚で行くものでは無い。」

「そりゃそうだよね。」

「今もとある街が到達階の更新をすると息巻いてチャレンジしておるな、それもまた今までにないほどの旅団とでも呼ぶような気合いの入れようじゃ。」

「ほー。」


またミサキはスマホを取り出してパシャパシャと大木をカメラに収めたりときには自分も写りこむように撮影を繰り返していた。

それにジオが反応し「な、なんじゃその魔道具は?かめら?わ、ワシにも使わせてくれ!!」なんて興奮していたが。

少しでもおもしろいと思われましたらブックマーク並びに高評価お願い致します、作者の執筆意欲にダイレクトにつながります٩( ╹ ꇴ╹)۶

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