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織田家の家臣になったと思ったら小田家でした…!  作者: 長谷川ヨシテル(れきしクン)
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第6話 新情報盛りだくさん!常陸国の勢力図が分かった気がする!

なんか、小田おだ家ってのは、思っていたよりもスゴい家らしい。

川越城かわごえじょうの戦い」で大惨敗してたから、少しナメてた。


どこまでホントか分かんないんだけど、

源頼朝みなもとのよりともさんの時代から続くらしい。


最近の教科書では違うみたいだけど、

“いい国作ろう”(1192年)からだから、

だいたい300年以上の歴史があって、

ずっと、この常陸ひたちのこの辺り一帯を治めている名族みたい。


明治時代が始まって現代まで、

150年くらいなんだから、マジでスゴすぎ。


そんで、小田家に限らず、

鎌倉時代がスタートする頃から続いている大名も多いらしい。


小田家とは敵対関係が続いている結城ゆうき家とか佐竹さたけ家もそうらしい。


うん、結城家は知ってるんだ、ぼくは。

だって『SENGOKU丸』で“御手杵おてぎね”っていう、

天下てんか三名槍さんめいそうの槍を使う「結城秀康ゆうきひでやす」という武将が登場するのよ。


イケメン系というよりも、

パワー系のキャラで、槍をブンブン振り回す感じ。

ごめんなさい、あまり使ってない。


そんで「あれ、結城秀康って徳川家康とくがわいえやすの息子だったよね」、

と思って、彦次郎ひこじろうに聞いてみた。


「彦次郎?」って、あ、そうでした。

小田さんが、いや、お屋形様がアドバイザー的な人を付けてくれたのよ。


お屋形様の側近、いわゆる小姓こしょうみたい。

ぼくの好きな織田信長おだのぶながでいう「森蘭丸もりらんまる」的な人ってことかな。


名前は「菅谷すげのや彦次郎」。

そう、菅谷おじさんこと、菅谷左衛門(さえもん)さんの息子です。

年齢はお屋形様と同世代。

そして、カワイイ。まぎれもないイケメン。

屋敷で女性が彦次郎を見かけると「キャッキャ」言ってる。


ていうかさ、ぼくは珍しい現代人男なわけだから、

もうちょっと屋敷の女性たちも注目して良いと思うんだ。

なのに、全然モテないし、やっぱりどの時代もやはりイケ・・・、

これ以上はやめておこう、無駄にツラくなる。


いや、そんな話じゃなくて。

アドバイザー彦次郎は、ぼくの質問に丁寧に答えてくれた。


それで聞いてみたわけ。

「結城家って、徳川家康の息子の結城秀康の?」って。


そしたら、超絶ぽかーん顔。


「とくがわ・・・?いえやす・・・?」


聞いてから気づいたけど、あれか、

家康って、まだこの時、全然の時か!

今川義元いまがわよしもとのとこでどうのこうのって話あったもんな。

彦次郎、パニクらせてごめん(笑)。


となると、家康の息子なんか、まだ生まれてないだろうし、

っていうか、家康って地元は愛知県なんだから、

茨城県の結城家と関係あるわけないか。


「彦次郎、なんでもない(笑)」


あと、もう一つのライバル大名、佐竹家も聞いたことある。

けど、聞いたことあるだけだな。

K−1の佐竹とは関係ないもんな。

あの人、よく試合やってたけど、

結果、強かったのか弱かったのか、よく分からん人だったな。


いや、その話はよくて、

戦国大名の佐竹家は、なんか聞いたことはある。


小田家は、この佐竹家とは、

お屋形様のお父さんと手を組んだりしてた時期もあったんだけど、

最近は仲が悪くなる一方らしい。

領地問題で小競こぜり合いも繰り返しているとか。


あ、そうそう、また新情報で恐縮なんだけど、

お屋形様にはお父さんがいて、家臣からは「大殿様おおとのさま」呼ばれてる。

アラかんくらいのおじいちゃんで、

昔はブイブイいわせてたんだろうという雰囲気を持ってる。


ただ、この前の川越城の戦いでの大惨敗で、

怪我をしたみたいで、心身ともにお疲れの様子。

普段はお城の屋敷で療養しているみたいで、

あまりお会いする機会はない。


これがこの数日間で得た情報!


小田家もライバルの結城家も佐竹家も歴史があって、

常陸だと今は、この3家が有力大名らしい。


彦次郎に地図も描いてもらって、

常陸の3大名の勢力図は把握したな、たぶん。


っていうか、この時代の人たち、

地図がザックリすぎないか!(笑)

よく分かるなあれで!


彦次郎が描いてくれた常陸の地図は、

細長いサツマイモみたいな形してて、

下の部分が小田家、左上が結城家、右上が佐竹家、

そんでもっと小さい単位でいろんな武将たちがいるらしい。


そこに「川越城の戦い」で小田家に大勝利した北条ほうじょう家みたいに、

常陸の外の大名たちも深く関わってくるらしい。


彦次郎はいつもニコニコと答えてくれる。

ありがとう、彦次郎。


ただ、そんな彦次郎が、時々、

暗〜い表情で、ぼくに愚痴ぐちる時があった。


「我が家中かちゅうは、あなどられ始めております」


何気なく聞き流してしまった彦次郎の意味するところが、

ハッキリと形となって現れたのは、それから2年後のことになる。

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