表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/36

バッドエンド:ハッピーエンドの手前


なぜか、幼い姿で始まった生は()()()()()()()だった。

悪役令嬢を始末さえしてしまえばいいと思っていた。


能力は上手く扱える。

両親など意のままだ。


恐ろしいものなど無いと思っていた。


自分の都合にいいから、勘違いしていた。


痛みが身体を焼くように軋ませる。

思考は上手くまとまらず、恐怖だけが、この身をただ走らせた。


あの時、そのまま死ねていたらよかったのに。


あまりの恐怖に何度、そう願ったことか。



あの日、事が上手く運んだものの事件が露呈するまでは良かった。

その先がないと分かっていても、ダイヤは積もりに積もった鬱憤を晴らしたかった。


醜く老いていく中で迎えに来ない息子を恨んで過ごした日々は、あまりに長かった。


このまま、終わるなんて嫌だった。

生まれ直すことすら、夢なのではないかと思う時を過ごしてきた。


それが起きた時には、いつもよりも幼い姿に戻っていた。

念願の生まれ直しだった。


「やっぱり、神様はわたしの味方なのね!!!!」

何故、納屋に汚い格好で閉じ込められているのか分からないが、ダイヤはすぐに人を呼んだ。

久しぶりに使う能力は、あの若い時のように遺憾なく発揮された。


使用人を上手く使い、帰宅した夫妻に怒鳴りつけられそうになりながらも場を掌握するのは簡単だった。


たった一言だけでいい。


「わたしを愛して!」

夢にまで見た世界に()()()()()()


何でも叶う。

わたしは世界に愛されてる。

望めば、叶う。


()()()()()()()()()()()()()



久しぶりの全能感に酔いしれていた。

悪いのは、すべて悪役令嬢のせいだと思い込んでいた。


なんで、どうして?


息切れしながらも叫ぶ。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()



暗闇の中、黄金の瞳が嗤う。


どこから、狂ったんだろうか。

必死に小さな足を走らせながら、思う。


()()()()()()()()()()()()()()()()


頭の片隅でファンブックの内容が走馬灯のように流れる。


最初から、詰んでいたんだ。

わたしの世界じゃなかったんだ。


絶望感に打ちひしがれる余裕もなく、鼻歌まじりに足音は近付いてくる。



()()()()()()()()()()()()()()()()()()


神殿にいた頃は、死んだって言うつもりがなかった言葉が嘘のように口から滑り出てくる。

それでも、許してもらえるのか分からず、ただ駆ける。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


その時、ようやく謝っても許されないことを思い知ったのだ。

それでも、恐怖から言葉は止まらなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ