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襲撃…兄パート「最も危険な場所への接近」

好ましくない通過儀礼かも…。

女主人公ならではの表現の一つだと思っています。

「………!」


 …。


「……ろ…!」


 …?


「…きろ…!」


 …!


「おい!おきろ!敵襲だ!お前達姉弟はそこの地下通路から外へ出て、ここから離れろ!いいな?」


「あゝ…」


「よし!行け!」


 起き抜けで思考が(まと)まらないが、指をさされた場所の扉を開け…階段を少し()りて、細い通路を時々聞こえる爆発音に少しビクつきながらも、ひたすらに進み…(いく)つかの外へ続く扉を開けて、長い上り階段を上がり外へと出る。


「外だ!」


「…相変わらずな奴」


 妹の調子に突っ込んだら此方も調子が出てきて、周囲の状況を確認する。


(目の前には里へ通じる森か?、後ろは地下通路への洞穴(どうけつ)風で…木々で上手く隠されているな…)


「あっ、お兄ちゃん!」


 妹が見ている方…洞穴(どうけつ)出て右手後ろの方角に、町みたいな建造物(けんぞうぶつ)が並でいる所の、黄色(きいろ)(はた)施設(しせつ)悪魔(あくま)の様なモンスターが(むら)がっている。


「もしかして、彼処(あそこ)からきたのか?」


「そうだよお兄ちゃん」


「俺は足手纏(あしでまと)いか…」


「その森美徒(からだ)で出来ること把握(はあく)しないと…そうなるんじゃない?」


 ()()()()()()()…。


()()()()は、なんとか()()ることしたいんだよ」


 ()()()()()()()()()()()()()…。


「んーそうだねー………………………!」!」


 ガサガサと何かが近づいてくる氣配…!


「………!」


「お兄ちゃん…後ろへ」


「…お、おぅ」


 少し心の抵抗がある。


 妹の後ろで戦うゲームの(たぐ)いも一緒にしたことがあるが…、プライドと言うか…プレイスタイルが合わないのか…、違和感バリバリで多少しかない…。


(安全を確保できやすい立ち位置は…こんな感じだったか?)


 ガサ…、ガサガサ…、ガサ……………………………、ガサッ!!!!


 飛び出してきた何かに対して、妹は素早く腕でガードして押し返す。


「コイツ…!」


 骸骨(がいこつ)の顔、(けもの)(つの)、所々(ところどころ)にしかない筋肉…。


「ゴブリンデーモン!?」


「GUAAAAAAAAAAAAA!!!!!」


 ゲーム中盤で出てくる様なモンスターじゃねえか!


「お兄ちゃん…!後ろ!」


「…っ!」(鳴き声で氣を取られたか…!)


 後ろを見るともう一体のゴブリンデーモンが現れ、棍棒(こんぼう)を振り下ろし腕でガードしようとしたが…、向こうがその(すんで)で棍棒が引っ込ませて…。


「っぐ…!」(フェイントからのボディブロー…!こいつ、強い!)


 以前なら耐えられる様な痛みで意識が(うつろ)になる。


「…お兄ちゃん!っく!こいつ!」


 力では上だが…実質戦闘経験の差で、妹はゴブリンデーモンに翻弄(ほんろう)される。


(…っっっ!!!!!ヤバイ!ヤバイ!!くっそ………痛みで動けない!)


 不意打(ふいう)ちに成功したゴブリンデーモンは獲物(ぷるん)を抱えて、恐らく巣穴へ向かうだろう。


「お兄ちゃん!お兄ちゃぁああああん!!っ!!こいつ!こいつ!!」


 ………ではダメ…だ……。


 …、


 ……、


 ………。


 ズクンズクン。


「ぅ……!………イタイ…………」


 下腹部の痛みで起きる。


「…………ここどこだろう?」


 キョロキョロ。


「周囲は…暗い…、壁は…岩肌?………洞窟の中かしら?…………わたしは…、誰?」


 ズクンズクン。


 ドン………ドン……ドン…ドン、ドンッ、ドン!


「アアァ、オギガガァ、エルフノムスメェ」


 何となく…ギガントオークと思える存在が目の前にいる。


「オマエエ、イイニオオイイ、オレノヨメエエ、ニィイ、ナレエエ」


 ズクンズクン。


 怖い…、………、お嫁さん…?お嫁さん?…、付き合ってからの…?


「………えっと…、お付き合いしてからで…良いですか?」


 とりあえず肯定的な意見で、先送りを試みる。


「アアァ…モチロオゥダトオモオオ…」


 ズクンズクン。


 ニィイイっと笑い、大きな足音を鳴らしながら来た方向へ去っていき、ギィイイイイイイイイっと重いものが擦れる音がして…、止まった。


「…………………………」


 何とか大丈夫だった?


 …、


 ギガントオークの去った方向に行くと、金属の鉄格子があり外へは出られなくなっている。


 ズクンズクン。


「…オマエエタチィイイ、アノムシワアア、ツヨオオイ、フタリデエエタタカエエ…」


 と、遠くからギガントオークの声が聞こえる。


「…エルフノムスメェワアア、オレノヨメエエダアア、…オマエエエ、オレノヨメエエニイイ、テヲダシタアア………」


「GUGAA!GUGAA!」


「ダメエエダアア!」


 ズグンズグン。


「GYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!!!!!!!」


「コロサナアイイイ、オマエエ、モットハタラクウウ、アタエルウウ、ツレテイケエエ」


「GYY!GYY!」


「GYY、GYYYY!!」


 引きずられていく音がする…。


 ズクンズクン。


 どうやらわたしは…、引きずられていく音のゴブリンデーモンに………(けが)されてしまったようだ……。

今日も

ありがとうございます。


ここ変じゃね?報告や「おもしろい!」の感想お待ちしてます♡

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