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魔獣使い集合!

 それから数日は平和な日が続いた。

 近場へ日帰りで狩りに出る時には、俺も一緒に参加してクーヘンの店で売れそうな、それほどの大きさの無い一般家庭向きの低レベルのジェムをせっせと集めて回った。



「遠出はしないんだな。大丈夫だとは言ってたけど一応まだ警戒中なのか?」

 その日、近場での狩りを終えて街へ戻る途中に何となく思いついてそう言うと、ハスフェルは笑って空を指差した。

「まあ、一応警戒はしているが、そっちはケンタウロス達に任せているよ。それよりも、そろそろ雪の季節だからな。遠出をして急に降られるとさすがにちょっと困るだろうから、一応何かあっても街まで帰れる距離で狩りをしてるんだよ」

「ああ、そうか。それなら納得だ。確かに急に雪に降られたら怖いな」

 確かに、あの何も無い郊外でまともに雪に降られたら本気で立ち往生しそうだ。

「なあ、お前らは、雪が降っても大丈夫なのか?」

 思わずマックスを覗き込みながらそう尋ねる。

「まあ、猛吹雪の時などはちょっと遠慮したいですが、そうでなければ平気ですよ。雪は楽しいですから私は好きですよ」

「雪は大好きです!」

 マックスに続き目を輝かせてそう答えたのは、雪豹のヤミーと狼コンビだ。

「あはは、確かにヤミーはそうだな。そっか、テンペストとファインも雪は平気なんだ」

「私も平気ですよ」

 得意気にそう答えたのはオーロラグリーンタイガーのティグ、それからグリーンフォックスのフラッフィーだ。

「へえ、ティグとフラッフィーも雪は平気なんだ。じゃあ、もしも急に雪に降られてもお前らが先陣切って雪を蹴散らしてくれれば大丈夫かな?」

「任せて〜!」

 嬉しそうに声が揃い、思わず俺も笑顔になる。

 ちょっと増やしすぎたかとも思った従魔達だけど、こうやって聞いてみると良い感じにバランスが取れててそれぞれにちゃんと役割があるんだよな。良いねえ。素晴らしいよ。

「私はどうしてもって言われたら行けないわけじゃあないけど、寒いのは嫌だなあ」

 隣を走るニニが嫌そうに言い、カッツェだけでなく猫族軍団もほぼ全員が雪と聞いて嫌そうにしている。

「あはは、犬は喜び庭かけ回り猫はこたつで丸くなる。だな。じゃあ雪が降ったらその時は雪が得意な子達に頑張ってもらおう。よろしくな」

 笑って小さくそう呟き、もう一度マックスの首を叩いてやったのだった。



 日が暮れる少し前に街へ戻った俺達は、ひとまずギルドに顔を出した。

 一応、今でも毎日ハスフェル達はギルドマスター達と異常が無かったか周囲の状況を細かく報告し合って確認しているみたいだ。

 その間は俺は用事もないので、全員分の従魔達の面倒を見つつ、ギルドの端の方で彼らの話が終わるのを待っているのが最近の日課だった。

 まあ、その間に夕食は何にしようかなあ。なんてのんびり考えてるんだけどね。



 だけどその日はいつもと違って、ハスフェル達から別れた俺に駆け寄ってくる人達がいて驚いたよ。

 ハンプールで別れて、故郷に創造神様からのお告げを知らせに行っていたリナさん一家とランドルさんがバイゼンに到着していたんだよ。

 何でも午後の少し遅い時間にバイゼンに到着した彼らは、当然俺達を探し、それでギルドマスターから俺達が郊外へ狩りに行ってるけど夕方には戻って来るからって聞いて、ギルドで待っていたらしい。

 再会を喜んで手を叩き合って笑っていると話を終えたハスフェル達も戻って来て、そのまま全員揃って宿泊所へ移動したよ。



 ちなみに庭付きの部屋はあと三つしかなかったので、リナさん夫婦とアーケル君、それからランドルさんで一階の庭付きの部屋は全部埋まっちゃったらしい。

 従魔達にはトイレ問題があるので、浄化の術がかけられた砂場がある庭付きの部屋は魔獣使いが泊まる際には必須の部屋なんだよな。

 まあ、基本庭付きの一階は元々魔獣使い用に作られてた部屋だから、ある意味これが正しい使われ方だよな。

 ちなみに、もしもここにまださらに魔獣使いが泊まりに来た場合、裏庭にある広い方の厩舎に従魔達を入れてもらい、本人のみ宿泊所に泊まる事になるらしい。

 まあ、小さくなった従魔数匹程度なら部屋に連れて行っても大丈夫らしいけど、その場合は個人でトイレの面倒を見ないと駄目なんだって。

 従魔用トイレ持参で泊まるって、収納袋が無いと普通の冒険者にはそもそも無理な設定だよな。

 しかもその厩舎も埋まってしまえば魔獣使いは街の中に泊まる処が無くなるので、あとはもう城壁のすぐ外でテントを張って野宿するしかなくなるらしい。

 うん、泊まるところは大事だよな。その話を聞いて、別の街へ行く事があっても、まずは宿の確保を最優先にしようと心に誓った俺だったよ。

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