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ソースカツと味噌カツ作り!

「じゃあ、味付けは俺がするから、カツの準備を頼むよ」

 まず作るのは、あいつらも大好きなトンカツ系だ。

 今回はまずはグラスランドブラウンボアの肉と、豚肉のヒレとロースを使う。それからチキンカツとビーフカツも作ってやろうと思う。

「まずはトンカツだな」

 笑ってそう呟いた俺は、広げたお肉を軽く叩いてはスパイスを振ってスライム達に渡した。

 もうこの工程はすっかり慣れたもののスライム達は、小麦粉チーム、溶き卵チーム、パン粉チームに分かれて流れ作業でどんどん下拵えをしていってくれる。

 大きなバット単位で肉の種類まで分けてくれる気遣い振り、もう俺嬉しくて涙が出そうだ。



「よし、じゃあ揚げていくか」

 次々に机の上に並べられる下拵えの済んだカツの山を見て、小さく笑った俺はコンロに大きなフライパンを乗せて並べた。

「色々使ったけど、結局菜種油と太白胡麻油を混ぜて使うのが、一番カラッと揚がるんだよな」

 そう呟きながら、並べたフライパンに二種類の油を混ぜて入れて火にかけていく。

「そろそろかな」

 しばらく待って、油が温まったらトンカツをゆっくりと入れて行く。

 油が跳ねないようにしないとな。



 俺が火を使い始めたのを見て、すぐ近くでチキンカツの下拵えをしていたスライム達がそのまま作業をしながら道具ごと後ろに下がって火から離れる。

「ああ、ちょっと近かったかな。ごめんよ」

「大丈夫で〜す!」

 それを見て苦笑いしながら謝ると、隣の机まで下がったスライム達が一斉に触手を振ってそう応えてくれた。

 流れ作業でどんどん届けられる下拵えの済んだカツを、俺は四つのフライパンを使って順番にひたすら揚げ続けた。




「はあ、これくらい揚げれば当分大丈夫だろう」

 文字通り山積みに揚がった各種カツを前に、俺は笑いが止まらない。

「それじゃあ次の作業だな。誰か、キャベツの千切り作ってくれるか。出来るだけ細くな」

 大きめのキャベツの玉を丸ごと渡して大量の千切りを作ってもらう。

「よし、じゃあまずは弁当用のソースカツ丼と、ソースカツサンドを作るぞ」

 大きめの片手鍋を取り出して、各種ソースの瓶も取り出して並べる。

「ええと、たっぷりのトンカツソースと中濃ソース、それからウスターソースも大体同量ずつ入れて、ここにケチャップ少々と蜂蜜を入れる」

 大きめのスプーンで鍋をかき混ぜて特製ソースを作る。

「ここに蜂蜜を入れてちょっと甘みをつけてっと」

 蜂蜜を入れたところで鍋を火にかけ水を少し加えて少しとろみのあるソースを作る。

「黒胡椒はたっぷりっと」

 ミルを使って黒胡椒も多めに加えて更に混ぜる。

 温まったらソースの出来上がり。



「さて、じゃあ誰か食パンを八枚切りに切ってくれるか」

「はあい、どうぞ!」

 先を争うみたいにして、スライム達が食パンを切ってくれる。

「ここにまずはマヨネーズとマスタードを塗って、トンカツをパンのサイズに合わせて大きかったらカットするんだ」

 一つ大きめのカツを取り出して、パンと並べて説明する。

 スライム達は興味津々で俺の手元に大注目だ。

「それで、カツをこのソースに浸します。衣にしっかりとソースをつける事。こんなふうに残るとそこだけ硬くなるからな」

 作る時の注意点を説明しつつ、カツをソースの中に落とす。

「パンには千切りのキャベツをこれくらい。満遍なく広げて出来るだけはみ出さないようにな」

 千切りキャベツを乗せたパンの上に、先程のソースを絡ませたカツを乗せてもう一枚のパンでサンドする。

 ひっくり返しておいておけば完成だ。

「はあい、じゃあ作りま〜す!」

 嬉々としたサクラの声と同時に、ずらっと並んだスライム達がせっせとソースカツサンドを作り始める。

「じゃ、これだけ作ってくれるか」

 ロースカツの入ったバットをスライム達に渡し、俺は次の準備をする。

「グラスランドブラウンボアのカツは、ちょっと癖があるからこれは味噌カツサンドで決まりだよな」

 これまた大きめの片手鍋に赤味噌っぽい濃いめの味噌を入れ、そこにお酒と味醂と砂糖を足していく。

「混ざったら火にかけて、ちょっとはちみつも入れるっと」

 ねっとりするまで少し煮込み、味を確認して最後にこれにも黒胡椒を入れておく。

「これもさっきと同じ要領で作るんだけど、味噌はこんな風にカツの上に後から塗るんだ。浸けてしまうと付き過ぎで味が濃くなり過ぎるからな」

 一つ見本に作れば、あとはスライム達にお任せだ。



「じゃあ、同じ要領でソースカツ丼と味噌カツ丼も作るか」

 さっきと同じ手順で二種類のソースをたっぷりと作る。こっちは甘さ控えめで、スパイスをガッツリ効かせてるよ。

 大きめのお椀を取り出してご飯をたっぷり二人前くらい用意する。

 あいつらなら、一食でこれくらいは余裕だろうからな。

 ご飯の上に千切りキャベツをたっぷりと乗せ、ソースを絡めたカツを切ってから二枚ずつ乗せてやる。

 どう考えても超大盛りサイズだが、あいつらなら一食でこれくらいは余裕だって。

「だけどどう考えても、やっぱり食う量がおかしいよな」

 小さく笑ってそう呟き、カツサンドを作った時の端っこを待ち構えていたシャムエル様に渡してやった。

 同じ手順で味噌カツ丼も作ってやり、こちらは切ったカツの上に味噌だれをたっぷりかけてやる。

 それから、チキンカツを使って、チキンカツサンドとチーズ入りチキンカツサンドも大量に作る。



「さて、じゃあこれくらいで一旦渡すか。ええと、ベリー、弁当を渡すから持って行ってやってくれるか」

 机に並べたお皿に、切ったクラブハウスサンドとBLTサンド、それから焼きそばドッグと焼きそばサンドも切って並べる。

 それからソースカツサンドとチキンカツサンド各種。キャベツサンドと一緒にタマゴサンド各種も並べる。それから屋台で買ったり差し入れでもらったサンドイッチも色々と盛り合わせておく。

 その隣には超大盛りのソースカツ丼と味噌カツ丼も並べておく。

「あとはサラダと味噌汁。付け合わせは師匠のところのお惣菜が色々あるからそれを付けてやればいいな」

 と、ここで机に並んだ大量のガッツリ飯を見てベリーが吹き出す。

「いやあ、それにしても見事なお手並みでしたね。あっという間にこれだけの料理が出来てしまった。料理は知識としては知っていても、さすがに、これは私には出来ませんねえ」

 感心したように笑って拍手をするベリーの言葉に、ちょっとドヤ顔になった俺とスライム達だったよ。

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[一言] ベリーにもフルーツサンドをw
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