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クラブハウスサンドとBLTサンド

「よおし、それじゃあ今度こそ作るぞ」

 宿泊所に戻った俺は、身に付けていた防具を手早く外してサクラに綺麗にしてもらってから自分で収納しておいた。



「じゃあ、まずはシャムエル様リクエストのタマゴサンドからだな」

 買って来たばかりのゆで卵を取り出しつつ、机の上で目を輝かせているシャムエル様の尻尾を突っつく。

「ええと、まずこれの殻を剥いてくれるか」

 買ってきたゆで卵を全部まとめて取り出してそうお願いすると、バレーボールサイズになっていたスライム達が我先にと群がってゆで卵を飲み込み、あっという間に綺麗に殻を剥いてくれた。

「おう、ありがとうな」

 いつも思うけど、料理をしていてこういう面倒な作業を手伝ってもらえるのは本当に有難いよ。

「それじゃあこの茹で卵はスライスしてくれるか。こっちは細かく切ってくれ」

 殻を剥いてもらったゆで卵を分けて、大きなお皿とボウルに入れてまたお願いする。

「ええと食パンだな。じゃあこれも、八枚切りサイズで切ってくれるか」

 まとめて買い込んでいる大量の食パンも、六本取り出して切ってもらう。

 一本が3斤。つまりスーパーとかで売ってる食パンのパック三個分だ。

「はいどうぞ、切れたよ〜〜!」

 綺麗にカットしてくれた食パンをまな板の上に並べてくれたので、まずは食パンに柔らかくしたバターと粒マスタードを軽く塗っておく。見本を一枚だけやって見せればあとは全部スライム達がやってくれるから楽ちんだ。

 ボウルに入れた刻んだゆで卵には、塩胡椒をしてからマヨネーズをたっぷり入れてしっかり混ぜる。味付けの加減はスライム達には出来ないから、ここは俺の仕事だ。

「それで、こんな風にマヨネーズで和えた卵を全体に塗り広げてからここにスライスしたゆで卵を乗せるんだ。カットした時に黄身の部分が見えるように置くのが大事だからな。こっちの食パンは今から俺が厚焼き卵を作るから、それを挟む分だから使わないでくれよな」

 食パン三本分を取り分けてスライム達に渡す。

「了解です! じゃあやりま〜す!」

 ワンセット作って見せてやれば、残りはスライム達に任せられる。



「誰か、こっちも手伝ってくれるか」

 コンロとフライパンのセットを取り出し、生卵を三個取り出してお椀に割っておく。

「俺がこれで厚焼き卵を焼くから、ここにスライスしたチーズを乗せて、ケチャップをこれくらい塗ってからサンドしてくれ」

「了解です!」

 コンロから少し離れたところにゼータが並んでそれぞれスライスチーズを持って、エータがお椀の中に生卵を三個割って待ち構えてくれる。

「じゃあよろしくな」

 嬉々として作業を始めたスライム達を見て、俺も笑って熱したフライパンに溶き卵を流し入れて厚焼き卵を焼き始めた。




「よし、これでタマゴサンドの在庫は当分大丈夫だな」

 ガッツリ作った二種類のタマゴサンドをサクラが順番にお皿に並べて収納してくれるのを見ながら、厚焼き卵を作った時に出た端くれを齧るシャムエル様の尻尾を突っつき、次に何を作るか考える。



 机の上にはサクラが取り出してくれた大量のパン各種と一緒に、サンドイッチに使えそうな材料が綺麗に並べられている。



「ええと、それじゃあまずは作り置きが無くなってるクラブハウスサンドとBLTサンドだな」

 そう呟いて、鶏の胸肉を取り出してしっかり塩胡椒をしてから、フライパンに並べて皮から焼いていく。

 両面に焦げ目を付けたら蓋をして弱火でじっくり火を通す。

 その間にまた食パンを今度はやや薄めのサンドイッチサイズに切ってもらい、順番に簡易オーブンに放り込んで焼き始める。それからトマトを輪切りにしておき、大きめに千切ったレタスも取り出しておく。

「こっちのフライパンではベーコンエッグを焼くぞ」

 フライ返してベーコンをプレスしながら手早く焼いて行き、卵を割り入れてベーコンエッグを作っていく。

 鶏肉とベーコンエッグ、それからパンが大量に焼き上がったらクラブハウスサンドを作るぞ。

 まずは、マヨネーズとケチャップを混ぜ合わせてオーロラソースを大量に作る。これは後でBLTサンドにも使うから多めに作っておくよ。

 材料の準備が出来上がったところでまずは焼いたパンにオーロラソースを塗り、ベーコンエッグを乗せて卵の上にケチャップを塗る。そこにマヨネーズを塗ったパンを乗せて反対側にもマヨネーズを塗り塗り。

 そこにレタスと輪切りのトマト、それから熱々の鶏肉を乗せて三枚目のパンにはマスタードとマヨネーズを塗って乗せれば完成だ。

「分かったか?」

「分かりました〜〜! じゃあ作りま〜す!」

 並んだスライム達の間を流れ作業で、どんどんクラブハウスサンドが出来上がっていく。



「よろしくな。それじゃあ次はBLTサンドだな」

 笑ってそう言って、さっきのフライパンで今度は目玉焼きを大量に焼き始める。

「ベーコンエッグと目玉焼きは、朝にも食べられるからもうちょい作っとくか」

 もう一台コンロとフライパンを用意して、こっちにはまたベーコンエッグを焼き始める。

 それからこっちは八枚切りサイズの食パンを、順番に簡易オーブンで焼いていく。

「誰か、このトマトを厚めの輪切りに切っておいてくれるか」

 目玉焼きの様子を見つつ、取り出した大きめのトマトも輪切りにしておいてもらう。

 レタスはさっきの分がまだまだあるから、これで材料は準備OKだ。

 焼いたパンにオーロラソースを塗り、レタスを並べてから輪切りのトマトを乗せ、目玉焼きを乗せてもう一枚のパンで挟めば完成だ。

「じゃあこっちもよろしくな」

「はあい、頑張って作りま〜す!」

 元気な返事の後、二列に分かれたスライム達が手分けしてクラブハウスサンドとBLTサンドをどんどん作っていく。



 いやあ。流れ作業であっという間に出来上がって行くのを見てると、なんだか工場で量産されてるみたいな気がしてきたよ。

 本当にスライム達って働き者だねえ。ありがたやありがたや。

 ああもう作業が終わるな。早い! さて、それじゃああとは何を作ろうかねえ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] アカン!私の『スライムをテイムしたい病』が再発しそうや! 流れ作業が2列に…ってことは、メタルちゃんたちも調理補助に慣れてきたんだ~、とか想像するだけで可愛い過ぎる♪ [気になる点] 残…
[一言] スライム達が優秀過ぎて悶えそうっっ
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