表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
921/2067

昼はステーキ!

カリディアは別行動中なので一緒には踊れませんね。

勘違いしていました。

一部の文章を修正しました。

「ええと、次が出るまでの時間って、まだかかりそうか? 余裕があるならリクエストの肉を焼くけど?」

 作り置きを取り出しかけて、ふと思いついて俺はハスフェルを振り返った。

「おう、まだしばらくかかりそうだから大丈夫だ。是非肉を焼いてくれ」

 何故か満面の笑みのハスフェルだけでなく、ギイとオンハルトの爺さんからも元気な返事が返って来て、小さく吹き出した俺は、サクラに取り出してもらったコンロとフライパンを机の上に並べた。

「いやあ、しかしこれは美味そうな肉だよ」

 取り出した、グラスランドブラウンブルの熟成肉を見ながらそう呟く。

「あいつらの分は分厚めで、俺の分は……」

 横を見ると、コンロの隣で目をキラッキラに輝かせながら俺を見つめているシャムエル様と目が合う。

「俺も厚切りサイズだな」

 苦笑いして分厚く切り、肉を叩いて筋切りしてからしっかりとスパイスを振る。

「油を引いてから、火をつけますよっと」

 並べたコンロに火をつけて油を引いたフライパンを乗せていく。

「テフロン加工の有り難みを思い知るよな。鉄のフライパンは油を引いてしっかり焼かないと駄目だもんな」

 軽く揺すって油を回し伸ばすと軽く煙が上がったタイミングで肉を並べていく。

「味噌汁くらい出しておくか」

 肉の様子を見つつ、作り置きの味噌汁も小鍋に取り分けて追加で出したコンロに火をつける。

「味噌汁は温めれば良いんだよな。見ててやるよ」

 ギイがそう言ってくれたので、味噌汁は任せて俺は肉焼きに専念する。

「そろそろ焼けたかなあ……よしよし、良い感じだ」

 トングを使って分厚い肉をひっくり返すと、良い感じに焼けた肉の香ばしい香りが立ち上る。

「うああ、香りだけ〜〜!」

 付け合わせの温野菜を選んでたオンハルトの爺さんと、ギイの分のパンも一緒に焼いていたハスフェルの悲鳴が重なる。

「もうちょっと待て、まだお預けだ」

 笑いながらそう言って、ちょっとだけ火を弱くする。別に意地悪しているわけではなく、ここからは中まで火が通るようにじっくりと焼いていくからだよ。



「そろそろ焼けるぞって、うわあ!」

 良い感じに肉が焼けたのでコンロの火を止めてそう言いながら振り返ると、すぐ後ろにお皿を持った三人が並んでいた。

「ほら、これはお前の分な」

 いつもの如く、ハスフェルが俺の分のお皿も用意してくれていた。

「おう、ありがとうな。お待たせ、はいどうぞ」

 そう言って受け取り、それぞれのお皿に分厚い熟成肉のステーキを乗せてやる。一番デカくて分厚いのをハスフェルのお皿に乗せてやる。

 嬉しそうにいそいそと席へ戻る三人を見送り、俺はいつもの簡易祭壇に自分の分を並べる。

 ちなみに、俺はパンじゃなくてご飯が食べたかったのでおにぎりを出したよ。

「ハスフェルのリクエストで、昼から肉を焼いたよ。少しだけどどうぞ。それから午後からの狩りがうまくいきますように」

 一応、神様なんだからこれくらいは願っても良いだろう。

 手を合わせて目を閉じる。

 いつものように頭を撫でられる感触のあとに目を開くと、いつもの収めの手がステーキを撫でて消えていくところだった。

「受け取ってくれたみたいだな」

 小さく呟き、お皿を持って席に戻る。



「お待たせ」

 待っていてくれた三人にそう言って俺も改めて手を合わせる。

 置いたお皿の隣では、待ち構えていたシャムエル様が大きなお皿を手にステップを踏み始めた。

「食、べ、たい! 食、べ、たい! 食べたいよったら食べたいよ〜〜〜〜〜!」

 欲望に忠実なダイレクト食べたいソングに合わせた、これまたものすごい速さのステップが繰り出される。

「あはは、お見事お見事」

 笑いながらそう言って、大きく切ったステーキをお皿に乗せてやる。ほぼ半分……。

 味噌汁は別に取り出したお椀に、ステーキの横にはおにぎりと温野菜も半分こしてやるとそりゃあもうこれ以上無いくらいの満面の笑みで頷かれて、何度か飛び跳ね始めた。それから、これまたものすごい速さのステップを踏み始める。

 最後は三回転で決めのポーズだ。



「おお〜〜〜お見事!」

 笑って拍手をしてやるとシャムエル様は嬉しそうに目を細め、照れ隠しするかのように自分のもふもふしっぽに抱きついた。

「ふおお〜〜〜〜ステーキ定食〜〜〜!」

 そして大声で歓喜の叫びを上げた後、お皿のお肉に向かって顔面からダイブしていったよ。

 まあ、好きに食ってくれ。笑った俺は自分の分の肉を切って口に入れた。

「ううん、自分で焼いていうのも何だがやっぱり美味いなあ」

 柔らかいのにしっかりと噛み応えもあって、しかもジューシー!

 昼からの思わぬ贅沢な時間に満足して切ったステーキを乗せたおにぎりに、大きな口を開けてかぶりついたのだった。



 さて、午後からはどんなジェムモンスターが出るんだろうな?

 タートルなんとかって言ってたから……亀かな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] はじめまして。いつも楽しく読ませてもらってます。 一点おかしいところがあったので、書かせて頂きました。 2話前ぐらいの最後で、ベリーとフランマとカリディアは飛び地の周りを調べに行ったは…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ