表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
801/2066

カレー再びとメタルスライムコンプリート?

 夕食は、昨日に引き続きカレーだ。

 一応収納しているサクラには、外と同じに一日分だけ時間経過しておくようにお願いしておいたので、美味しくなっているはずだ。



「じゃあ、昨日と同じメニューで申し訳ないけど、好きに食ってくれよな」

 そう言いながら、カレーの鍋の横にカツ各種と昨日の焼いたチキンの残りも全部出し、鶏ハムと唐揚げも並べておく。ランドルさんが屋台の串焼き肉を山盛り出してくれたので、これも一緒に並べておく。

 あとはサラダと飲み物各種を適当に取り出せば準備完了だ。俺が楽出来るメニュー、あとは好きに食え。

 ご飯を入れたお皿を手に嬉々としてカレーの鍋に並ぶ彼らを見ながら、俺も自分の分を確保する事にした。



「やっぱり野菜は食わないとな」

 山盛りのサラダに鶏ハムを乗せながらそう呟き、一旦席に置いてから山盛りのご飯の上にカツ各種を全種類乗せる。だって、シャムエル様がめっちゃキラキラした目で俺を見てるんだからさあ……。

「ちょっと待ってくれよな。取り分けるのは、シルヴァ達にお供えしてからな」

 いつもよりも二回りくらい大きなお皿を抱えてステップを踏んでいるシャムエル様にそう言った俺は、最後に冷えた麦茶をマイカップに注いでから一通りを簡易祭壇に並べた。

「二日目のカツカレーだよ。昨日よりも美味しくなってると思います。少しだけどどうぞ」

 そう言って手を合わせて目を閉じる。

 いつもの収めの手が俺の頭を何度も撫でてから、カレーとサラダを順番にしっかり撫でてから消えていくのを見送った。

「悪い悪い。待っててくれたんだな。お待たせ」

 両手にお皿を持ち、マイカップも持って来て大急ぎで座る。

 皆が揃って手を合わせるのを見て、俺ももう一度改めて手を合わせた。



「はいお待たせ」

 シャムエル様は、もうこれ以上無いくらいに大興奮状態で、ぴょんぴょんと飛び跳ねては空中で足を打ち合わせている。

「へえ、器用なもんだな。それは俺には絶対無理そうだよ」

 笑って小さく拍手をしてから差し出されたお皿を受け取る。

「トッピングは当然……」

「もちろん全部乗せ大盛りでお願いしま〜す! あ、サラダはこれにお願いします!」

 皆まで言わせず即座に返ってくる予想通りの返事に小さく吹き出し、もう一枚差し出されたサラダ用のお皿も受け取った。

「はい、大盛りだぞ」

 もらったお皿にご希望通りのトッピング全部乗せ山盛りカレーを入れ、サラダも一通り入れてやる。

「ええと麦茶は……あ、既にお酒をもらってるのか」

 ドリンクのグラスが無かったので心配して見ると、既にハスフェル達から赤ワインをもらって飲んでいるところだった。さすがに俺はここで酒を飲む勇気はないので、大人しく麦茶を飲んでます。

 ランドルさんやリナさん達も平気で赤ワインを飲んでいるので、ちょっと涙目になったのは内緒だ。

 多分、この中では俺は一番酒に弱いんだから、まあ当然なんだけどねえ……。




「はあ、ごちそうさまでした」

「美味しかったです」

 山盛りに用意してあったカツや串焼き肉が、まあこれ以上ないくらいに綺麗さっぱり駆逐され、カレーの鍋も、もう洗わなくていいんじゃね? ってくらいに綺麗に平らげてくれたよ。

 まあこれだけ喜んで食べてくれたら、作り甲斐もあるってもんだね。

「はい、お粗末様。じゃあ果物くらい切るか」

 さすがに続けてケーキばかりは勘弁してほしい。なのでいつもの激うまリンゴとぶどうを取り出し、適当に切り分けてお皿に山盛りにしてやる。

「ああ、これはもう俺の分は全部無くなりましたからね。いいなあ、まだ持っておられるんだ」

 ランドルさんが、激うまリンゴを食べながらそう言って笑っている。

「あれ、かなり採ってたと思ったけど、もう食べちゃったんですか?」

 すると、ランドルさんは収納袋から大きな瓶を取り出して机に置いた。

「あの時持っていた収納袋は時間経過は普通通りでしたからね。なのでしばらくは大丈夫でしたが、当然日持ちはしません。なので手分けして全部砂糖煮なんかに加工したんです。これは赤ワインと一緒に煮込んだコンポートですよ。他には砂糖漬けやジャムも作りましたよ。どれも最高に美味しく出来たんですが、やっぱり生で食べるのが一番美味しい気がしますね」

 しみじみとそんな事を言われてしまい、苦笑いした俺は黙って追加のリンゴを取り出して切ってやった。



 そのあと、期限ギリギリまでここにベースキャンプを張って滞在して、俺達はひたすらメタルスライムを探してはテイムしまくった。

 その結果、無事に全員がメタルスライム全色テイムに成功したのだった。

 とにかく、最初にあの超レアな二色を全員がテイム出来たのが大きかった。

 だって、ここまでミスリルカラーとオリハルコンカラーはわずか一匹ずつしか現れず、これはランドルさんが希望してクーヘンの分としてテイムした子だけだったんだからさ。



「よし、お前の名前はバーミリオンだよ」

 最後の一匹はメタルシルバーにややオレンジがかった赤色で、これが最後のレアのアダマンタイトだと教えてもらった。

 最後の最後に、今まで全く出なかった最後のレア色のアダマンタイトの出現回に当たり、これでようやく全員のメタルスライムが全色揃ったわけだ。

「よっしゃ〜〜! これで全員集合だ〜〜!」

 大喜びの俺は、十色揃ったメタルスライム達を全員目の前に並ばせた。

 透明なスライム達と違って硬質な輝きを放つメタルスライム達はすごく格好良く見える。

「これでスライムトランポリンをしたら、もう大人気どころじゃねえんじゃね?」

 そう呟いた瞬間、目の前のメタルカラーを見つめて無言になった。

 だって、テンション上がりっぱなしで何も考えずにテイムしたけど、これって人目に晒していいものなのか不意に不安になったんだよ。

 レース模様のクロッシェみたいに、好事家に目をつけられて、もしも譲ってくれって大金を持って押し寄せてきたらどうしよう。

 込み上げる不安に涙目になってハスフェル達を振り返ろうとしたその時、いきなり目の前に並んでいたメタルスライム達が消滅した。

「はあ? ちょっ! スライムが消えたぞ!」

 慌てて俺が叫んだ目の前の草地には、なぜか俺の紋章を刻んだクリアの超定番スライムが一匹、ころんと転がっていたのだった。

 だけどアクアは横にいるよ?



「はあ〜〜〜〜〜? どうしてクリアがここにいるんだよ?」

 叫んだ俺は間違ってないと思う。

 しかもどうやらメタルスライムが消滅したのは俺だけじゃなかったらしく、あちこちで同じような悲鳴が上がり、その場は阿鼻叫喚の渦に包まれたのだった。

 ええ〜〜〜〜〜〜? マジで、ドユコト?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ