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狩場に到着〜!まずは昼飯だ!

「ごしゅじ〜〜〜ん! すっごく楽しかったからもういいよ〜〜〜! お片付けしてくださ〜〜〜い!」

 呆然と立ち尽くす俺達の周りを、すっかりプルプルになったスライム達が、ご機嫌で跳ね飛びながらそう言っている。

「お、おう。もういいのか?」

 なんとか無理矢理意識を引き戻して俺がそう言うと、足元を転がってたスライム達が一斉にリナさん達に向かって整列した。

「ありがとうございました〜〜また遊ばせてくださ〜〜い!」

「ああ、いつでも出来るから、水遊びはまた明日な」

 笑ったリナさんの言葉に、スライム達だけでなく横で聞いてたお空部隊と犬族軍団までもが大喜びしたのは言うまでもない。

 ううん、これってリナさん達と別れた後、急に出来なくなったら皆が拗ねそうだ。あとでシャムエル様と相談しておこう。

 この際俺じゃなくていいから、神様の誰かに是非とも水の術を覚えさせておいていただきたいっす。



 またリナさん達があっという間に水を切ってくれて、砂利の穴も従魔達があっという間に戻してくれた。

「よし、それじゃあちょっと遅くなったけど行くとするか。今日の目標は大物を一匹でもいいからリナさんとアーケル君にテイムさせる事だぞ」

「出来ればリンクスだな」

 ハスフェルの言葉に続いた俺の言葉に、リナさんがものすごい勢いで振り返る。

「い……いるんですか? ここに?」

「らしいですよ。探すのは従魔達に頼みますから、すぐに見つかるかどうかは分かりませんけどね」

 俺が笑ってそう言うと、リナさんは目を輝かせて従魔達を振り返った。

「任せてね。絶対探して来てあげるからさ」

 得意気なニニの言葉を通訳してやると、リナさんは感極まったように口元を押さえて、それからニニにしがみついた。

「ありがとう。すごく嬉しい……でも、でもリンクスは強いから、もし見つけても絶対に無理はしないでね」

「もちろん分かってるわ。大丈夫だから任せてね」

 嬉しそうにそう言ったニニが、リナさんの頬を横からベロンって感じに思いっきり舐める。もちろんこれ以上無いくらいにそっとだよ。

 悲鳴を上げて仰け反ってから、声を上げて笑いながらニニに抱きつくリナさん。

「ほら、母さん。早く移動しないと日が暮れるよ」

 呆れたアーケル君の声に我に返ったリナさんが手を離して、改めてニニを撫でてから自分の従魔の元へ走っていった。

 それを見送ったニニがちょっと残念そうにしていたので、マックスの鞍を装着し終えていた俺は、そっとニニを撫でてやった。

「ララが来て、お役御免になっちゃったな」

「そうね。でも楽しそうだから良かった」

 それだけ言って、知らん顔で身を翻して仲間達のところへ行ってしまう。ううん、やっぱり身体は大きくなってもああいうところは猫だよな。

「ほら、何してる、もう行くぞ」

 呆れたようなハスフェルの声に、俺も慌ててマックスに飛び乗ったのだった。




 そのままそれぞれの従魔に乗ってハスフェル達の案内に従って走り続け、太陽が頂点近くなった頃に俺達はようやく止まった。

 見える景色は、間近に迫ったカルーシュ山脈まで続く草地と点在する大きな木々のある森。時折、段差のある岩場もありそれなりに起伏に飛んだ地形だ。

「この辺りなのか? そのリンクスがいる場所ってのは」

 すると俺の横にいたニニが顔を上げて俺を見た。

「この辺りはリンクスの狩場よ。巣があるのはもう少し奥の森の中にある岩場の辺りね。今は多分巣に戻ってるだろうから見つけやすいと思うわ。手分けして探すから、ご主人達はこの辺りにいてね。ここなら見晴らしもいいし、万一何かが襲ってきてもすぐに見つけられるでしょう?」

 確かに、見通しの悪い森の中で待つのは得策じゃ無い。従魔達が見つけて追い込んでくれるのなら、俺達は動きやすい場所で待っている方がいいだろう。

「了解だ。じゃあ俺達はここで簡単に食事をして待ってるから、行ってきてくれるか」

 マックスから降りないままそう言うと、ニニは目を細めて声のないニャーをくれた。

「そうね、ご主人達は一日何度も食事をしないと駄目なんだもんね。じゃあ行ってくるから早めに食べておいてね。それじゃあ行くわよ〜〜!」

 最後は、待ち構えていた猫族軍団に向かってそう言うと、ニニ達は一斉に森に向かって走り去って行った。

「ああ、待ってください! 我らもお手伝いしますよ〜!」

 そう叫ぶと、狼達が一斉にニニ達を追いかけて走って行く。それを見て、巨大化したお空部隊も後を追った。

「頑張ってね〜〜!」

 狐達と草食チームが見送る中、猫族軍団と狼軍団の混成チームはあっという間に見えなくなってしまった。




「ええと、あいつらがリンクスの捜索に行ってくれたから、今のうちに早めに何か食っておこう。見つけたら、ここまで追い込んで来てくれるってさ」

 一斉に走り去ったニニ達を見送っていたハスフェル達やリナさん達が俺の言葉に我に返って頷き、それぞれの従魔達から降りる。

 それを見て、草食チームが一気に巨大化して辺りの草地に散らばる。周囲の警戒を兼ねたお食事タイムだ。

 鞄から出てきたハリネズミのエリーも、巨大化してのそのそとあたりを嗅ぎ回っている。

 セーブルは留守番組で残ってくれてて、一気に巨大化して少し離れた場所に寝転がった。あれだけ巨大になったセーブルがいれば、迂闊なジェムモンスターや野生動物は早々近寄って来ないだろう。



「それじゃあ見張りはよろしくな」

 マックスから飛び降りて、足場の良さそうな箇所を探した俺は、良さそうな場所を見つけて机を取り出した。

「じゃあ先に昼飯にしましょう。腹が減っては戦は出来ぬ。まずは腹ごしらえですよ」

 作り置きのサンドイッチや揚げ物、それから屋台で買った串焼きや惣菜パンなんかも出してやる。俺はおにぎりが食いたかったのでおにぎりも取り出して並べた。

「そうですね。ではまたお世話になります」

 リナさん達もグリーンフォックスから飛び降りて集まって来る。

 机に駆け寄ったランドルさんが、ゆで卵や茹でたソーセージが山盛りになったお皿を取り出すのを見て、俺は笑いながら飲み物を取り出して並べたのだった。

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