激ウマな巨大車海老の塩焼き!
「いやあ、これマジで最高だな」
バリバリと殻を剥がした巨大車海老の丸焼きぶつ切りバージョンを前に、俺は先程から笑いが止まらない。
何しろ、これがもう美味しいなんて言葉では片付けられないくらいに最高に美味しいんだよ。
ホックホックのプリップリで、岩塩の塩味と分厚い身の甘みが、もうこれ以上ないくらいに見事に調和している。
ちなみに、鎧海老のぶつ切りにスパイス入り赤ワインをかけて焼いたバージョンもあるんだけど、これがまた冗談抜きで笑いが出るレベルで美味しい。
俺は最初の頃に幾つか焼いた魚の切り身を食べた後は、冷えたビールを片手にほぼこの二つを往復しているよ。
だって、これは郊外でのバーベキューでないと出来ない調理法だからね。
あまりの美味しさに感動した俺は、慌てて追加で巨大車海老と鎧海老の身を追加で出して、アレクさん達とパロットさん達に、焼き上がったら収納しておきたいのでこれも焼いておいてくださいとお願いしておいた。
笑った彼らは、いくらでも焼いてやるよと言って早速追加を焼きはじめてくれている。
もちろん、彼らも交代でがっつり食べてもらっているんだけど、見ていたら、岩豚や各種ジビエばかりを嬉々として食べていたので、もしかしたら海鮮バーベキューは彼らには当たり前の光景なのかもしれない。
ううん、異世界転移する際、俺的には、出来ればここに来たかったよ。
ここでなら、俺の好きな魚介類が最初から満喫出来たのになあ……。
のんびりとそんな事を考えつつ、もう何本目か覚えていない冷えた地ビールの栓を抜く。ちなみにこれは白ビールだ。
「ああ! それ、ここにください!」
俺と一緒に巨大車海老の丸焼きと鎧海老のスパイス赤ワイン焼きを交互に満喫していたシャムエル様が、それを見て慌てたようにそう言い、空っぽのショットグラスを差し出してくる。
「はいはい、ちょっと待ってくれよな」
笑ってそう応えた俺は、こぼさないように気をつけながら差し出されたショットグラスに地ビールを注いでやる。
「お、これはまた飲んだ事のない味だな。へえ、でもちょっと懐かしい味だ」
俺も一口飲んで、サラリーマン時代にたまに飲んでいたラガービールを思い出してそう呟く。
「うん、これは美味しいので気に入った。もう一本もらっておこう」
ぐいっと飲み干して、冷えたビールがぎっしり入った木桶を覗き込む。
「これだな。あ、同じラベルの黒ビールもある。よし、じゃあ次はこっちを飲んでみるか」
同じ醸造所のラベルが貼られた黒ビールの瓶も見つけたので、とりあえず白と黒の瓶を一本ずつ取る。
黒ビールも美味しかったら、あとでまとめてもらっておこう。
「ケンさん、次が焼けたぞ」
「はあい、いただきます!」
追加の巨大車海老ががっつり焼き上がったところで声をかけられ、慌てて空になったお皿を手に駆け寄る。
ぶつ切りになった巨大車海老はすでに焼き網から下ろされていて、もう次の巨大車海老が網に載せられて焼き始められている。
「あれはもう、そのまま収納かな」
さすがのハスフェル達も、そろそろ食べる手が止まりはじめているし、アレクさん達やパロットさん達も、食べる速度がかなりゆっくりになっている。
苦笑いした俺も、もらった巨大車海老のぶつ切りから殻を剥がして手持ちのナイフで幾つかに切り分け、半分をシャムエル様のお皿に渡してやったのだった。
ちなみに、最初の巨大車海老と鎧海老の焼いたのを白ビールと一緒にいつもの簡易祭壇にお供えして、あとはどうぞお好きに取ってくださいと言っておいたので、いつもの収めの手は両手バージョンが現れていて、嬉々としてあちこちに飛び回っては、皆がお皿に取り分けたお肉や魚介類を撫でたり持ち上げたりして、ずっとテンションマックス状態で大はしゃぎだ。
ハスフェル達も笑って、そんな収めの手に自分達が取った海老をはじめとする魚介類や各種お肉、それから飲んでいるお酒をこっそり供えたりしてくれている。
「いつも思うけど、手だけなのにはしゃいでるのが分かるって、面白いよな」
「そうだね。皆楽しんでくれているみたいだから私も嬉しいよ」
思わずそう呟いた俺の声が聞こえたらしいシャムエル様が、食べていた手を止めてはしゃいでいる収めの手を見ながらそう言って頬を膨らませて目を細める。
ああ、そのプックラほっぺを俺に突っつかせてくれ!
丸く膨らんだ頬を見て、ちょっと悶絶した俺だったよ。




