今日も魚料理三昧だ!
「よ〜し、何から作ろうかなあ」
大量の魚や貝を買い込んだ俺は、ワクワクしながら宿泊所へ戻った。
大歓迎してくれた従魔達と、まずはしばしのスキンシップを楽しんでからキッチンへ向かう。
「焼きハマグリは、絶対目の前で焼いた方が良いだろうから、そのままでいいな。あ、貝は一応砂を吐かせておかないといけないよな」
サクラに買ってきた貝をまずは一通り出してもらい、一応大きさ別に適当に分けてから空いた鍋や大きめのお椀を使って塩水を作り、貝をしばらく浸けておく。
「じゃあ、俺が食べたいから小魚は煮付けと塩焼きだな。あとはアジフライとかアジの南蛮漬け辺りは作りたいな。他にも色々あることだし順番に作っていくぞ」
少し考えて、まずはイワシっぽい小魚をまとめて取り出し、スライム達に下拵えの仕方を説明していく。
これは頭を落として鱗を取ってから皮が固ければ剥いでもらい、そのあとは手でお腹側から開き内臓を取り出して洗うまでがセットだ。
それから、若干大きさは違うがアジっぽいのも取りだすと、鱗を取り尻尾近くにあるゼイゴと呼ばれる固い鱗も削り落としておき皮を剥く。
でもって、フライ用には頭を落としてから尻尾部分は残して大きく開いて骨も取り除いておく。
焼き魚用は、片方に骨を残したままこれも開いてもらう。
ここまで説明して、まずはそれぞれの下処理をお願いする。
「あ、これって新鮮そうだから刺身にも出来そうだな。よし、ちょっとやってみるか」
大きめの鯵を一匹手に取った俺は、小さくそう呟くとまずはスライム達に鱗と皮を取ってもらう。
それからマイナイフを使って頭を落としてから三枚に開き、ピンセットを使って身の部分の真ん中にある中骨もきれいに取り除く。それが終わったところで身の部分を軽く斜めに削ぎ切りにしてみた。
「おお、良い感じの刺身になったぞ。よしよし、やっぱりここは味見をしないとな」
思わずにんまりと笑った俺は、小皿に醤油を少しだけ出してからマイ箸も取り出し、ひとつまみ。
「ん、美味しい! よし、これで握り寿司も作れるな。おおい、やり方の説明をするから手の空いてる子は来てくれるか〜」
これはスライム達に頼める部分なので、集まってきたスライム達に、もう一度実際に中骨の取り方などをやってみせながら詳しく説明していく。
それから、お刺身用と握り寿司用の切り方の説明もね。
「任せて〜〜〜!」
「じゃあ作りま〜〜す!」
あっという間に小魚の下処理を終えて退屈していたスライム達が嬉々としてそう言い、俺が渡した大きめのアジをガンガン処理していく。
「あれ、なあサクラ。酢飯ってまだあったか?」
「ええと、かなり減っているね。これだけだよ」
そう言ってサクラが取り出してくれた酢飯は、握り寿司にしたらあっという間に無くなりそうなくらいしかない。
うん、このところ寿司も大量に作っているし消費もしているからね。
「じゃあ、まずは酢飯作りからだな」
苦笑いしてそう呟く。
酢飯は調味料を量って温めて鮨酢を作る部分があるし鮨酢とご飯の量もスライム達では分からないので、残念ながら全部は任せられない。
苦笑いして調味料とお酢を取り出してもらった俺は、まずは鮨酢をがっつり作っておく。
でもって、鮨酢とご飯の量はあらかじめ量ってから渡しておけばスライム達でも混ぜてくれるので、そこまで俺がしておけばOKだ。
「よし、じゃあまずは俺の好きなイワシの梅煮を作るぞ」
片手鍋を手にそう言った俺は、まずはその片手鍋に水とお酢を入れて、下処理したいわしを軽く下茹でする。
ちなみに小魚とは言ってもやはり異世界サイズ。一番小さなこのイワシでも身の部分だけで余裕15センチサイズだよ。
下茹でしている間に、別の片手鍋にお酒とみりんと砂糖と醤油を量って入れて火にかけ、細長く切った生姜と、種を取り除いてから軽く叩いた梅干しも一緒に入れてひと煮立ちさせる。
「下茹でが終わったら、水気切ってから煮ていくぞ。ここで落とし蓋の登場だ」
木製の、鍋よりも小さめの蓋をイワシの上にそっと載せて、そのまま焦がさないように時々鍋を揺すりながら中火から弱火で煮込んでいき、煮汁がなくなれば完成だ。
「よし、出来上がり〜〜」
予想以上のツヤツヤに出来上がったそれは、お皿に取り分けてサクラに収納しておいてもらう。
それが終わったところで、カレイっぽい平らな魚も取り出す。
一応確認したら、これは煮付けにすると美味しいって聞いたからそうするよ。
「左ヒラメで右カレイってな。確かにその通りだ」
平らな魚は文字通り右向きのと左向きのがいて、よくみると明らかに肉質が違う。
魚屋では全部ひとまとめにして売られていたので、魚の種類ってこっちの世界ではあまり気にされていないみたいだ。
でも、念の為ヒラメを捌いてみたところ、こちらも美味しい刺身になったので慌ててカレイとヒラメを分けてスライム達に鱗取りをしてもらい、ヒラメは大きめのを中心にお刺身にしておく。
もちろん、握り寿司も作っておいてもらうよ。
「よし、次はカレイの煮付けだな」
大きめの片手鍋を取り出した俺は、いつもの調味料を測って入れると片手鍋を火にかけた。
「ううん、自分の好きな具材の料理は、作るのは大変だけどやっぱり楽しいなあ」
カレイの切り身を入れて軽く片手鍋を揺すりながら、鼻歌まじりにそう呟いた俺だったよ。




