小魚と貝発見!
「ごちそうさまでした。では、何かあればいつでも言ってください。必ずお力になると約束しますぞ」
「また、次の漁で良いのが上がればお届けしましょう。もし何か欲しいものがあれば、いつでも言ってください」
用意したお粥や雑炊を綺麗に平らげたヴォイスさんやアレクさん達は、笑顔でそう言ってひとまず帰って行った。
「ええと、じゃあ俺はもうちょい色々と買い物したいから、今日も朝市へ行くつもりだけど、お前らはどうするんだ? その、地脈の吹き出し口がどうとかって話は、もう良いのか?」
扉がしまったところで、振り返ってハスフェル達にそう尋ねる。
「ケンタウロス達が大勢来てくれたおかげで、まあ何とかなったよ。あとは任せてよかろうとの事だ。そうだな。俺達は、今日は休憩にするよ」
苦笑いしたハスフェルの言葉に、ギイとオンハルトの爺さんも苦笑いしつつ頷いている。
「ちなみに、私はもうちょいケンタウロス達と一緒にお仕事してくるね」
綺麗に片付いてテーブルの上で尻尾のお手入れをしていたシャムエル様は、そう言って立ち上がり消えるかと思ったら、何故か急に止まって俺を振り返った。
「ん? どうかしたか?」
「お昼には戻ってくるから、新作料理を期待します! では!」
何故か敬礼したシャムエル様は、それだけ言ってすぐに消えてしまった。
「あはは、期待されちゃったよ。じゃあ、俺は出かけるからお前らは部屋に戻ってくれ。昼はどうする?」
「そうだな。まあ、途中で腹が減ったらここへ来るよ。眠気に負けたら、夜までおやすみだな」
「おう、ここへ来れば確かに何か食べられるからな」
笑ったハスフェルの言葉にギイとオンハルトの爺さんも揃って頷き、彼らも従魔達を引き連れてそれぞれの部屋に帰って行った。
「よし、じゃあまた俺は買い出しに行ってくるから、お前らは留守番だな。ゆっくりしてくれて良いからな」
そう言って、順番にマックス達をおにぎりにしたり揉みくちゃにしてやったりして、しっかりと従魔達とのスキンシップを楽しんでから、市場へ買い出しに出かけた。
まずは、通常の野菜や果物、乳製品や畜産物が売られている朝市の通りへ向かい、目についたものをがっつり買い込む。
魚料理も喜んで食べてくれているけど、それでもやっぱり肉料理は欠かせないからな。
それに、そろそろ市場にも旬の夏野菜が出始めているので、これは色々と確保しておきたいからね。
「おお。いろんな魚が出ている。あ、貝発見! あれはデカいけどハマグリっぽい?」
魚市場の通りに到着してゆっくりと歩いていて、アジやイワシっぽい小魚や、大小の貝が並んだ屋台を発見した。
「いらっしゃい。こっちの小魚は面倒だけど鱗を取ってから甘辛い煮付けにすると美味しいよ。あとは多めに塩を振って焼くのもおすすめだね」
魚の前に駆け寄った俺を見て、店主らしき大柄な女性が笑顔でそう教えてくれる。
「ええと、じゃあちょっとまとめて買わせてもらっても良いですか?」
「おや、嬉しい事を言ってくれるね。もちろん、買い占めてくれて良いよ」
冗談のつもりで言ったんだろうけど、小魚を扱っていた店は初めて見たので、喜んで買い占めさせてもらうよ。主に俺の為に。
って事で、びっくりする店主さんに、本当にこんなに買って大丈夫なのかい? 魚は傷むのが早いよと割と本気で心配されつつ、高性能な時間遅延の収納袋があるので大丈夫です! と、断言してがっつり買い込ませてもらった。
貝は、聞いてみたところそのまま焼くのが一般的らしく、塩か醤油で味付けするんだって。
うん、それは間違いなく美味しいやつだ。是非やろう。
その後も色々と見て周り、大小のいろんな魚や貝を手に入れた俺は、大喜びで宿泊所へ戻って行った。
よし、また魚料理のバリエーションが増えるぞ。
小さめの貝も色々手に入れたから、ハマグリのお吸い物なんかも良いかもしれない。
何から作ろうかワクワクしながら急ぎ足で歩いていて、不意に立ち止まる。
「ああ、サザエ発見!」
少し外れに近い場所にあった屋台には、木桶に山盛りになったサザエがあったんだよ。
これこそ、焼いて醤油を垂らすだけで美味しい一品になるよ。
まあ、俺の知るそれより三倍くらい大きかったんだけど、聞けばそのまま焼いて良いらしい。
って事でがっつり買い込ませてもらったのは、言うまでもない。




