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もふもふとむくむくと異世界漂流生活  作者: しまねこ


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次の新作はイカスミパスタ!

「ところで、シャムエル様はハスフェル達と一緒にいなくていいのか?」

 サクラに乾燥スパゲッティの中でもやや細めのやつを取り出してもらいつつ、テーブルの上で身繕いしているシャムエル様にそう尋ねる。

 鎧海老の解体作業の時はどこにもいなかったから、てっきり今日はハスフェル達と一緒にいるとばかり思っていたんだけど、俺がこっちへ戻って料理を始めたらいつの間にか戻ってきていたからな。

「だって、鎧海老の解体作業中は料理なんてしないでしょう? だから、その間にハスフェル達のところへ様子を見に行っていたの。でもまあ地脈の吹き出し口の詰まり具合は、どうやら心配した程の酷い状況ではないみたいで、ケンタウロス達が頑張ってくれているから大丈夫そうだね。ジェムモンスター達の出現量全回復まではまだしばらくかかりそうだけど、少なくとも今までよりは出現状況は改善されると思うよ。後はもう、ここの冒険者の皆さんに頑張ってもらうだけだね」

 頬をぷっくらさせながら目を細めるシャムエル様の説明を聞いて、俺は安堵のため息を吐いた。

「まあ、相当数のジェムを渡したからしばらくは大丈夫だと思う。その間に、地脈の吹き出し口が回復するよう祈っておくよ」

「そうだね。相当渡していたから、しばらくは大丈夫そうだね」

 また笑ったシャムエル様の言葉に、あのなんというか、スタッフさん達とのもの凄い一体感を思い出して小さく吹き出した俺だったよ。



「さてと、じゃあ皆の驚く顔が見たいので頑張って作るぞ」

 にんまりと笑って取り出したのは、イカとタコを買ったあのお店で購入したイカスミの瓶と塩辛の瓶だ。

 そう、次に作るのは見た目がアレな、イカスミスパゲッティだよ。

「あとでこの塩辛も使って何か作ってみよう。でも、まずはこっち。イカスミスパゲッティだ」

 大きな寸胴鍋に、まずは水を入れて火にかける。

「ええと、具材はシンプルにイカの切り身と玉ねぎでいくぞ。後はニンニクとブラックペッパー、それから白ワインとオリーブオイルと岩塩。よし全部あるな」

 俺の呟きを聞いて、サクラが即座に材料を取り出してくれる。

「じゃあ、これこんな風に具材は切っておいてくれるか」

 それぞれの材料を手に取り、少しだけ見本に切ってお願いすれば、後はもう優秀なスライム達が全部やってくれる。

 ついでに、イカスミの入った絶対硬そうな密閉瓶の蓋も開けておいてもらう。



「ええと、まずは試作だし一人前の分量で作ってみるか」

 小さくそう呟き、まずは沸いてきた寸胴鍋に塩をいれ、それからスパゲッティを一束掴んで入れる。

「誰か、10分の砂時計一回分測ってくれるか〜〜」

「はあい。一回分だね!」

 ゼータが即座に砂時計を取り出してひっくり返してくれる。

「おう、よろしく。じゃあその間に具材を炒めていくぞ」

 コンロにフライパンを置き、オリーブオイルとニンニクのスライスを入れてから火をつける。

 軽くフライパンを揺すりつつ焦がさないようニンニクに火を通す。

 そこへスライスした玉ねぎを投入! そのまま引き続き加熱して玉ねぎがしんなりしたところで、イカの切り身と白ワインも投入してさらに加熱してアルコールを飛ばしておく。

「全体に火が通ったら、ここでイカスミ投入〜〜スプーン一杯分くらいかな」

 実はイカスミパスタって、時々妙に食べたくなって休日に作ったりしていたんだよな。

 もちろん、俺が以前作っていたのは、優秀な日本の食品メーカーさんが作ってくれたインスタントソースを使ったやつだけどね。

 懐かしい事を思い出しつつ、フライパンをゆすってイカスミを具材全体に満遍なく行き渡るように菜箸でかき混ぜていく。

 ここで一旦火を止めて、茹でているパスタの様子をみる。

「ご主人、もうすぐだよ〜」

 鍋の前に立った俺に気付いたゼータが、確保している砂時計を触手で持って見せてくれる。

「お、確かにあと少しだな」

 多分、あと三十秒くらい。

 それを見て、取り出しておいた水切り用のザルを大きめのボウルの中に入れる。

 このザルは、縁の部分に合計三箇所小さな金具がついていて、ボウルの縁に引っ掛けられるようになっているから湯切りや水切りする時に便利なんだよ。

「ご主人、全部落ちたよ〜〜」

「おう、ありがとうな」

 得意そうなゼータを軽く撫でてやってから、コンロの火を止めてパスタをザルに流し入れて湯切りする。

 ちなみに、この茹で終わったお湯は、塩味が効いていて美味しいらしく流さずにスライム達が片付けてくれる。



「よし、じゃあこれをさっきのイカスミに絡めていくぞ〜〜」

 そう言いながら、さっきのフライパンに湯切りしたスパゲッティを放り込む。

「ええ、何それ! 真っ黒〜〜!」

 尻尾のお手入れを終えて寛いでいたシャムエル様が、唐突に俺の右肩に移動してきて手元を覗き込みながら驚いた声でそう叫ぶ。

「これはイカスミ。真っ黒だけど美味しいんだぞ」

「ええ、これを食べるの? 食べ物の色じゃあないと思うなあ」

 全く信じていないらしいシャムエル様のドン引きしたその言葉に、俺は苦笑いしつつお箸でスパゲッティを一本摘んで食べてみる。

「おお、濃厚濃厚。でもちょっと塩胡椒だな」

 ニンニクの効いたイカスミの味自体は美味しいんだけど、俺的にはもうちょいパンチが欲しい。

 そう呟きながら黒胡椒と岩塩をちょっと多めに振り入れてしっかりと混ぜ合わせてから、もう一本食べてみる。

「うん、これでいいな。ほら、疑うんなら食べてみろよ。これが本当の味見だな」

 ドン引き状態なシャムエル様を見て笑った俺は、小皿を取り出してイカスミに塗れた真っ黒なスパゲッティを少し取り分けてやる。ついでに自分用にも小皿に同じくらい取り分け、イカの切り身も一切れずつ上にのせる。

 自分で収納していたお箸を取り出し、イカスミスパゲッティを試食する。うん、最後のブラックペッパーと岩塩で味が引き締まったな。

「美味しいから、騙されたと思って食べてみろって」

「ええ、これが美味しいの? まあ、くれるというなら……では、いただきます」

 めっちゃテンションの低いシャムエル様がそう言い、若干嫌そうに真っ黒なスパゲッティを掴んで一口齧る。

「……あれ? これ、美味しいかも……」

 一口食べて、驚いたように目を見開いたシャムエル様が小さくそう呟き、いきなりもの凄い勢いでスパゲッティを齧り始めた。

 以前、ソース焼きそばを食べた時みたいに、齧られたスパゲッティが右に左に揺れ動いてちょっとホラーな光景になっているよ。



「ねえケン! 疑ってごめんなさい! これ美味しい! すごく美味しい!」

 キラッキラに目を輝かせたシャムエル様の言葉に、ドヤ顔になる俺。

「でもこれの難点は、食ったら口が真っ黒になる事なんだよなあ」

「あはは、本当だね。歯が真っ黒になってる〜〜!」

 にんまりと笑った俺の口元を見て大爆笑しているシャムエル様だけど、その口元も真っ黒になっているのを見て、俺も堪えきれずに吹き出したよ。

 よし、これも上手く出来たので量産しておこう。

 ハスフェル達は絶対に好きそうな味だし、彼らなら、この食べた後の真っ黒な歯を見て大喜びするだろうからな。



挿絵(By みてみん)

2026年2月13日、アース・スターノベル様より発売となります「もふもふとむくむくと異世界漂流生活」十三巻の表紙です。


もちろん今回も、れんた様が最高に可愛いくて素敵な表紙と挿絵を描いてくださいました!

冬のバイゼンでの冬祭り、スライムトランポリンでまたしても大騒ぎです!

どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

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