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もふもふとむくむくと異世界漂流生活  作者: しまねこ


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2121/2135

臨時の試食会だ!

「いやあ、なんとも充実した時間でしたね。お疲れ様でした!」

 改めてスタッフさん達と挨拶を交わした俺だったけれど、部屋を出ようとしてふと思いついてヴォイスさんを振り返った。

「あの、ギルドマスターの皆さんは、少しお時間ありますか? よかったらスタッフの皆さんも」

「おう、どうした?」

 驚いた様子のヴォイスさんだけでなく、他のギルドマスター達やスタッフさん達も揃って俺を見る。

 部屋中の全員から大注目を集めた俺は、へにゃりと笑って鞄に入ったサクラから、作り置きしておいた握り寿司と、巻き寿司を盛り合わせた大皿を取り出して机に置いた。

 それから取り分け用の小皿や醤油の瓶、わさびのお皿も一緒に取り出し、カトラリーも一通り色々取り出しておく。一応、扱える人がいるかもしれないのでお箸も一緒に取り出して並べておいたよ。

「ええと、実は俺は料理が趣味といいますか、色々作るのが好きなんですよね。ここの市場で新鮮な魚介類を色々と仕入れたので、ちょっと工夫して料理をしてみたんです。よかったら試食してみませんか?」

 魚介類が豊富なこの街にこそ寿司や刺身を普及させたい!

 そう考えて取り出した握り寿司と巻き寿司を、ほぼ全員が無言でガン見している。

「ええ? これは生の魚だよな?」

「それを握り飯の上に載せて食べるって?」

「こっちも生の魚を海苔で巻いてあるな」

「ええ、生の魚を食うって?」

「そんな事をしたら腹を壊すぞ?」

 握り寿司と巻き寿司を見て完全にドン引き状態な彼らに、俺はにっこり笑ってお刺身を盛り合わせた大皿もその隣に取り出してやった。

「こっちは握り寿司と巻き寿司。これはお刺身と言ってそのまま食べます。あ、その際にはこの醤油と、お好みでわさびも一緒にどうぞ。こんな風にしていただきますよ」

 若干わざとらしい笑顔でそう言った俺は、マイ箸を取り出すと小皿に醤油を入れて少しだけワサビを握り寿司の大トロの上に置いて、軽く醤油をつけてからそれを一口で食べて見せた。

 あっけに取られる皆ににっこり笑いながらそれを咀嚼してから飲み込んだ俺は、次に雑魚海老の刺身をお箸で摘んで同じく少しのわさびと共に軽く醤油につけると、当然そのまま口に放り込んだ。

 当然、笑顔で咀嚼して飲み込む。



「ええ……あんなのを生で食って大丈夫なのか?」

 完全にドン引き状態なヴォイスさんの呟きに、答える人はいない。

 ただただ全員が、言葉もなく呆然と俺を見ている。

「大丈夫ですよ。ここの市場で手に入るのはそれはもう新鮮なものばかりですからね。もちろん、日にちの経ったような古いものを生で食べるのはいけませんが、これなら本当に大丈夫なんですって。騙されたと思って食べてみてください。ああそうだ、昨夜はパロットさん達をお招きして夕食をご一緒したんですけど、彼らにもこれは大好評でしたよ。それで、この料理を商人ギルドマスターにぜひ教えて欲しいと、この街の名物になるとまで言ってくれましたからね」

 笑顔の俺の言葉に、ご指名を受けた商人ギルドマスターのホークシーさんが真顔で進み出る。

「これをパロット達が美味しいと言って喜んで食べて、それを俺に言えと、そう言ったと?」

 笑顔で頷く俺を見て無言になったホークシーさんだったけど、しばしの沈黙の後に意を決したようにフォークで雑魚海老の握り寿司を一つすくって小皿に取った。

 別の小皿に用意してあったワサビを見て、俺がやったように少しだけフォークの先に取って雑魚海老の上に載せる。

 ちなみにこの雑魚海老は、尻尾の殻まで綺麗に全部取り除いてあるので、そのまま食べられるよ。

 醤油を少しだけかけたホークシーさんは、それはそれは真剣な顔で握り寿司を改めてフォークですくうと一口でいった。



 無言で数回咀嚼したところで目を見開く。



 さらに咀嚼してからごくりと飲み込み、速攻で次に鉄火巻きを一つ取ると、同じように少量のわさびと醤油をかけてからまた一口でいった。

「こ、これは美味い! 初めての味だが、これは美味い! なあお前らも食ってみろよ!」

 キラッキラに目を輝かせたホークシーさんの叫ぶような声に、部屋が大きなどよめきに包まれる。

「本当に大丈夫なのか?」

 めっちゃ不審そうに呟きつつ、ドワーフギルドマスターのティームさんが素手で鉄火巻きを一つ摘んで、同じようにわさびと醤油をつけてから一口でいく。

「うおお、なんだこれ。口の中でとろけたぞ!」

 目を輝かせたティームさんは、お箸を手にすると大トロの刺身を二切れお箸で器用に引っ掴んで、ワサビと醤油をつけて一口でいった。

 無言でサムズアップするティームさんを見て、若干不信そうなヴォイスさんとヨナスさんもそれぞれ握り寿司を口にした。

 無言のスタッフさん達に、揃って満面の笑みでサムズアップするギルドマスター達。

 歓声を上げたスタッフさん達も次々に握り寿司や巻き寿司、それからお刺身に手を伸ばすのを見て、俺は密かにガッツポーズを取ったのだった。よし!



挿絵(By みてみん)

2025年11月14日、アース・スターノベル様より発売となりました「もふもふとむくむくと異世界漂流生活」十二巻の表紙です。


もちろん今回も、れんた様が最高に可愛い表紙と挿絵を描いてくださいました!

前巻に引き続き、冬のバイゼンで楽しく大騒ぎです。

どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

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