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もふもふとむくむくと異世界漂流生活  作者: しまねこ


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2095/2102

この後の予定と海産物の話

「はあ、これ美味しいな」

「確かに美味い。これは是非とも定番で作っておいてくれ」

「確かに美味いな。この香りがまた良い。豚骨鍋とは全く違う一品だな」

 新作鶏がらスープと豚骨スープで作った鶏雑炊は三人から大絶賛を受けたよ。

「確かに美味しいよな。まあ、これを作るにはじっくり煮込んで元になる豚骨スープと鶏がらスープを取らないといけないから、時間のある時でないと作れないんだよ」

 苦笑いしつつ俺がそう説明すると、納得した三人はじゃあもうしばらくここでのんびりしよう、とか言い出しもう笑うしかない俺だったよ。

 豚骨スープ、気に入るだろうとは思っていたけど、どうやら三人とも激ツボにハマったみたいだ。



「この後は、海へ行ってみたかったんだけどなあ。ええと、結構のんびり過ごしているけど、夏の早駆け祭りまでって、まだ時間はあるよな?」

 この辺りの日付の感覚って、どうにもいまいちピンとこないんだよな。

 カレンダーがある訳でなし、今が何月何日なのかって、正直言って俺には全然分かりません!

「ああ、まだしばらく大丈夫だよ。そうだなあ。俺達ももうちょい地下で遊びたいから……じゃあこうしよう。とりあえず、俺の剣が仕上がるまでは、ケンはここで好きなだけ料理を作ってくれ。俺達はもう少し地下洞窟で遊ばせてもらうよ。それで俺の剣が仕上がったら、一旦ここを撤収して海へ向かおう。俺も久し振りなので海の魚や貝なんかを食べたい」

「ああ、確かにそれはいいな。ケンが作ってくれれば海の魚も貝も、もっと美味しくなるだろうからな」

 笑ったハスフェルの提案に、ギイも嬉しそうにそう言って笑っている。



「海の魚は俺も食べたい。ちなみに海老があるんだって聞いたけど、どれくらいの大きさなんだ?」

 俺的には是非ともエビフライを作りたいので、小エビサイズしか無いと言われたらちょっと悲しい。

 そう思って尋ねると、何故かハスフェルとギイは無言で顔を見合わせた。

「海老?」

「海老って、あの海老か?」

「ええと、もしかして俺の知ってる海老とこっちの世界の海老って違う?」

 恐る恐るそう尋ねると、また顔を見合わせたハスフェルとギイが無言で頷き合った。

「ちなみに、ケンが知ってる海老って、どんなのだ?」

「ええと、俺が欲しいのは車海老とかブラックタイガーって呼ばれる種類で、身の大きさはこれくらいかな」

 お頭付きの車海老とか、スーパーでよく見る冷凍のブラックタイガーとかを思い出しつつ手を使って大きさを説明すると、何故か二人は困ったように笑って何度も頷いた。

「成る程。まあ、小さいのならそれくらいのもあると思うぞ」

「そうだな。そんな大きさでいいのなら、おそらく市場で一山幾らで売っていると思うぞ」

 何やら安堵したようなその言葉に、ちょっと嫌な予感がして上目遣いに二人を見る。

「お前らが知る海老って、ちなみにどれくらいの大きさなんだ?」

 この世界では俺の元いた世界と同じものが沢山あるが、何故か向こうの世界よりもサイズの大きいものが多い。

 車海老が伊勢海老サイズでも驚かないぞ。



 すると、二人は両手を肩幅よりも少し大きいくらいに広げた。

「これくらいか?」

「いや、殻の薄いヤツでも、もう少し大きいんじゃあないか?」

「だな。鎧海老ならこの倍くらいはあるだろうな」

 予想通りの会話に、割と本気で遠い目になる俺。

「ええと、まず質問。その鎧海老って、何?」

 右手を軽く上げて質問する。

「その名の通り、全身を覆う殻が鎧のように固くて棘だらけの大きな海老だよ。大きさはこれくらいかな。しかもこいつは攻撃力も高く、たいていの漁師は網ではなく槍を使って頭を突いて確保する」

「鎧海老は、殻を割って身を取り出し、塩とバターで焼くと美味いぞ」

 そう言って、二人が思いっきり手を広げる。うん、全長2メートルクラスって事らしい。超巨大伊勢海老って事だな。

「じゃあ、殻の薄いのって?」

「普通に海老と呼ばれるヤツだな。鎧海老に比べると殻は薄くて、大体これくらいの大きさだ。これは殻ごと塩焼きにすると美味いぞ。ああ、もちろん殻は食う時に剥くよ」

「恐らくだが、ケンの言う車海老をそのまま大きくした感じだと思うぞ」

 肩幅より少し大きく開いた手を見ながら、二人が説明してくれる。

「うん、やっぱりこの世界のサイズはおかしい。でも、その鎧海老ってのが俺の知る伊勢海老の巨大版で、その殻の薄い海老が、俺の知る車海老の巨大版と見た。まあ、これは実際に行ってみてのお楽しみって事にしておくよ。あ、そうだ。その海老も刺身に出来るのか?」

 今度の質問は、俺の肩に座ったシャムエル様に向けてだ。

「そうだね。海の物も生食OKにしておいたから、海老も新鮮なものなら大丈夫だよ」

 笑ったシャムエル様の答えに、思わず拳を握る俺。

 港の市場なら、水揚げしてすぐのものが売っているだろうから、新鮮さは保証付きだろう。何なら、漁師と直接交渉してまとめ買いさせてもらってもいい。

 海鮮料理のレパートリーが予想以上に増えそうで、ちょっとワクワクしている俺だったよ。



挿絵(By みてみん)

2025年11月14日、アース・スターノベル様より発売となりました「もふもふとむくむくと異世界漂流生活」十二巻の表紙です。


もちろん今回も、れんた様が最高に可愛い表紙と挿絵を描いてくださいました!

前巻に引き続き、冬のバイゼンで楽しく大騒ぎです。

どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

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― 新着の感想 ―
もう何ページで海に着くのでしょうか? ようやく海が拝めそうで楽しみです。 しらすとか牡蠣なども巨大なのかなぁ? 猫軍団が濡れるのは嫌だけど、食べたくてハッスルする姿とか、浜辺に打ち上げられた魚の動き…
更新ありがとうございます。 2mサイズの伊勢海老!? なにその怪獣の幼生みたいなやつ!? 塩バター焼きが美味い!? 食うしかない!!(海老好き) 大皿へ豪快に海老を乗せたグラタン……じゅるり……
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