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もふもふとむくむくと異世界漂流生活  作者: しまねこ


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1989/2082

今後の事

「ここへ連れてきてくださり、本当にありがとうございます!」

「ギルドで、これをどれくらいの値段で買い取ってもらえるのか、今から楽しみです!」

 キラッキラに目を輝かせて、満杯にまで入った収納袋を抱えたムジカ君とシェルタン君がそう言って深々と頭を下げる。

「俺も、まさかこんなにたくさんの凄いジェムや素材を集められるなんて思っていませんでした」

「俺もです。本当に、本当にありがとうございます!」

 こちらも収納袋を抱えたマールとリンピオが、興奮のあまり紅潮した頬を隠そうともせず、満面の笑みでそう言って頭を下げている。

「私も、夢のようです。本当にありがとうございます!」

 そして、こちらも満面の笑みのレニスさんの言葉に、俺達も揃って笑顔になった。

「まあ、とりあえずこれだけあれば何があってもしばらくは大丈夫だろうからな」

 ハスフェルの笑った言葉に、リナさん達やランドルさん達も完全に保護者目線な笑顔で頷き合っていたよ。



 ドワーフさん達への一通りの料理講習会を終えた後は俺も参加して、数日かけてガッツリ飛び地攻略をした。

 とりあえず新人さん達の手持ちの収納袋が完全に満杯になったところで、俺達は一旦飛び地を撤収する事にしたのだ。

 ドワーフさん達は、まだしばらくここで頑張るらしいので、彼らとはここでお別れだ。

 せっかくなので、最終日の夕食にもう一回ドワーフの皆さんも招待して各種ジビエを使ったバーベキューパーティーを開き、その結果、俺の手持ちのジビエが少し減ったのだった。やあ、皆よく食うねえ。

 ちなみに、例の俺達のラベルが貼られたビールの在庫も今回のバーベキューパーティーでそろそろ駆逐されたらしく、ハスフェル達は、街へ戻ったらもう無いかギルドマスター達に確認しようと大真面目に相談していた。

 イベント限定だって言っていたから、万一在庫が残っていれば買い占めたいらしい。

 いやあ、だけどあのラベルのビールは大人気だって聞いた覚えがあるから、もう残っていないと思うぞ。

 でも俺的にはあのラベルは別にどちらでもいいけど、あのビール自体はめっちゃ美味しかったから、出来ればあの元になった白と黒のビールはがっつり確保しておいて欲しいよ。



「じゃあ、街へ戻ってジェムと素材を換金したら、一旦解散かな」

 飲みかけのワインの入ったグラスを揺らしながら笑ったハスフェルの言葉に、俺以外の全員が苦笑いしつつ頷いている。

 突然の別れ宣言に、俺は咄嗟に反応出来なかった。

「そっか。確かにちょっといつもよりも長居したし、次の早駆け祭りまでの間に、皆それぞれに行きたい所があるんだよな」

 不意に襲ってきた寂しさを誤魔化すように、俺はそう言って鼻を啜る。

「この後、俺達はボルヴィスさん達と一緒に地下洞窟へ行きます。出来れば恐竜をテイムしたいので」

 目を輝かせたマールとリンピオの言葉に、ボルヴィスさんとアルクスさん、それからランドルさんも笑顔で頷いている。

 どうやらランドルさんも、彼らと一緒にしばらく行動する事にしたらしい。

「俺達は、一旦王都へ行って姉のところに例のお土産を置いてきます。それが終わったら、こいつらのレインボースライム集めをしながら、川沿いの街を巡回する予定です」

 笑顔のアーケル君の言葉に、ムジカ君とシェルタン君の新人コンビとレニスさんがこちらも揃って笑顔でうんうんと頷いていたよ。



「寂しくなるなあ……」

 そんな彼らを眺めてながら、小さくそう呟いて残りのビールを飲み干す。

「ところでケンは、この後に行きたいところはあるか?」

 改めてハスフェルに聞かれて思わず考える。

「ううん、米どころであるカデリー平原には、出来れば新米の出回る秋に行きたいからなあ。そうなると、まだ行った事の無いこっちか」

 手持ちの地図を取り出し、地図の右上の辺りを軽く叩いてみる。

「でも、治安が良く無い地域には行きたくないしなあ」

 確かレスタムの街から北に伸びる街道沿いは治安があまり良くないと聞いた。

 ムジカ君が最初に冒険者登録をしたターバラの街なんかは、特に色々と問題ありそうな街だったもんな。

「まあ、急いで決める必要も無いさ。なんなら、夏までずっと別荘でのんびり過ごすなんてのもありかもな」

 笑ったギイの言葉に、ハスフェルとオンハルトの爺さんがそれもありかもなんて言って大笑いしている。

「確かに、家があるんだからそれも選択肢の一つかもな。でもせっかくだから何処かへ行きたいなあ。ううん、でも俺の従魔達全員を連れて王都へ行くのは、アーケル君達の話を聞く限りちょっと無謀そうだしなあ……」

 苦笑いする俺の呟きに、ハスフェル達だけでなくリナさん達まで真顔で頷いていたよ。

「いやいや、皆の従魔達だって相当な数になってると思うんだけど?」

「大丈夫ですよ。俺達は、王都の郊外にある別荘に従魔達を置いてから街へ行く予定です。あそこでなら従魔達には好きに過ごしてもらえるだろうからね」

 思わずそう突っ込むと、アーケル君がそう言って笑いながら自分の従魔達を見た。

 確かに、以前そんな話を聞いた覚えがある。まあ、一度迂闊に行って酷い目に遭って、追い出されるみたいに王都を出てきたくらいだから、次回はちゃんと対策していくのだろう。

 あれ? ちょっと待てよ。って事は、俺がもしも王都へ行こうと思ったら間違いなくもっと騒ぎになるだろう。となると、郊外に別荘を買ってから行けばいいのか……いや待て、行かずにどうやって家を買うんだ? あ、ハスフェル達に代理で購入してもらうって手もありかな? もしくは、誰かに従魔達を預けておいて、俺が自分で家を買う方がいいのかな?

 若干考えが明後日の方向に向き出したところで、一旦考えるのを止める。

 うん、とりあえず俺は王都には近づかないようにしよう。



「この後何処に行くかは、一度別荘に戻ってのんびりお風呂に入りながら考える事にするよ」

 笑った俺の言葉に、別れる前にもう一度お風呂に入らせてくださいって声がほぼ全員から上がり、その場は大爆笑になったのだった。

 よしよし、皆もお風呂の良さに気づいてくれたみたいで俺は嬉しいよ。



挿絵(By みてみん)

2025年3月14日、アース・スターノベル様より発売となりました「もふもふとむくむくと異世界漂流生活」第十巻の表紙です。

ついにもふむくも二桁の大台に突入です!

改めまして、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m


今回も引き続き、れんた様が表紙と挿絵を最高に素敵に可愛らしく描いてくださいました。

連載開始当初からの目的地であったバイゼンに、ようやくの到着です!

到着早々色々と騒ぎが起こります。

そして貴重な女性キャラも登場しますよ!

その貴重な女性キャラを描いた今回の口絵も大爆笑させていただきましたので、どうぞお楽しみに!




挿絵(By みてみん)

「もふもふとむくむくと異世界漂流生活〜おいしいごはん、かみさま、かぞく付き〜」

コミックアース・スター様にて、コミックス第四巻が2025年3月12日に発売となりました!

もちろん今回も作画はエイタツ様。


ハスフェルに続きギイも、それからフランマもコミックスに登場です!

いつもながら最高に可愛いもふもふむくむく達と、美味しい食事!

そして、地下洞窟と恐竜達とテイム!

盛り沢山なもふむくコミックス第四巻を、どうぞよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
いつの間にか、エピソードの通し番号が昭和から平成になってた。 (平成元年 = 1989年) 長期連載、ありがとうございます!
バーベキューパーティー、ドワーフさん達の食欲でも、肉の在庫が「少し減った」くらいなのね(;^ω^) 従魔たちの戦果の多さww
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