この後の予定?
長いお休みをいただきましたが、本日より更新を再開させていただきますm(_ _)m
そして皆様に嬉しい報告です!
もふむくと並んで毎日更新している「蒼竜と少年」が、この度TOブックス様にお声がけをいただき、出版することとなりました!
もふむくに続き、二作目の書籍化決定です!
まだイラストレーター様も決まっておらず、書籍化決定の報告のみとなりますが、何か決まりましたらTwitter……じゃあなくて、Xや活動報告にて順次お知らせいたしますので、どうぞこれからもよろしくお願いしますm(_ _)m
「いやあ、メタルスライムを全色集められればいいなとは思っていましたが……まさかこうくるとは」
笑って座り込み、クリスタル合成した羽付きスライムをムニムニとおにぎりにしながら大きなため息を一つ吐いたしたボルヴィスさんの呟きに、同じく隣に座り込んでクリスタル合成した羽付きスライムをムニムニと両手でおにぎりにしていたアルクスさんも苦笑いしながら何度も頷いている。
「あ、ちなみにメタルマスターの称号も、もう授かっていると思うので確認してくださいね〜〜」
笑った俺が自分のギルドカードをチラ見せしてそう言ってやると、二人は慌てたようにそれぞれの羽付きスライムを膝の上に乗せてから、ベルトに取り付けた小物入れからギルドカードを取り出して裏返した。
「うわあ、本当だ! いつの間にかギルドカードにメタルマスターの称号が!」
「うおお! 本当だ。メタルマスター! これは嬉しい!」
自分のギルドカードを見た二人の歓喜の叫び声に、新人さん達が目を輝かせて二人の手元を覗き込む。
「うわあ、本当だ!」
「うわあ、すっげえ!」
「ええ、これってどうやって文字が浮き出たの?」
目を輝かせる新人コンビの隣では、真顔になったレニスさんがそう呟きながら考え込んでいる。
マールとリンピオも、キラッキラに目を輝かせて二人のギルドカードを見つめている。
「一応、これらの称号は創造神様から人々への直接の授かりものだとされているからなあ。きっと、何か神様的に上手くやってくれているんだろうさ」
笑ったハスフェルの言葉に、ギイとオンハルトの爺さんも笑いながら頷いている。
「そ、そうですね。何ら手を加える事なく、資格を得た各自のギルドカードにいつの間にか文字が浮き出る。これこそまさしく創造神様の起こす奇跡そのものですよね!」
こちらもマールとリンピオに負けないくらいにキラッキラに目を輝かせているレニスさんの言葉に、マックスの頭の上に座って尻尾のお手入れをしていたシャムエル様が、得意げに胸を張ってドヤ顔になっていた。
それよりもハスフェル。
お前今、称号の付与を一応って、一応って言ったな。
笑いそうになるのを必死で堪えつつ、脳内で思いっきり突っ込んだ俺だったよ。
ため息を一つ吐いて何とか笑いを堪えた俺は、さりげなくマックスの横に行ってまだドヤ顔で胸を張っているシャムエル様のもふもふ尻尾をこっそり後ろから突っついていたのだった。
「ええと、このメタルマスターの称号って、確かちょっとだけテイムがしやすくなる特典が付いていたんだっけ?」
以前聞いた話を思い出しつつそう呟くと、振り返って俺を見たシャムエル様は笑顔で頷いてもう一回ドヤ顔になった。
「そうだね。でもまあテイムがしやすくなると言っても実際の効果は微々たるもんなんだけど、逆に言えば、テイムが出来るかどうかのギリギリの戦いの際には、この特典が有るのと無いのとでは結果に雲泥の差が出ると思うね」
またしてもドヤ顔になったシャムエル様がもう一度胸を張ってそんな事を言うもんだから、思わず尻尾を突っついていた手を止めた俺は、そんなシャムエル様をとりあえず拝んでおいたのだった。
うん、一応神様なんだからこれでいいんだよな?
あ、俺も一応って言ってるよ……。
「うああ。そんな事なら俺達も、もっともっとテイムしたいよ〜〜!」
「じ、自分で集めるんだって思ったけど、駄目だけど、でもやっぱりこんなの聞いたら今すぐに称号も、クリスタル合成したスライムも欲しいよ〜〜〜!」
「だよなあ。俺も冗談抜きで欲しい!」
「俺だって、俺だって欲しいぞ!」
「そんなの、私だって欲しいに決まってます!」
顔を寄せた新人さん達が五人揃って口元を押さえながらそう叫んで悶絶している。
まあ、個人的には好きなだけテイムすればいいと思うんだけど、強くなってから自力でテイムしたいと言う気持ちも分かる。
笑って見ていると、五人は顔を寄せて何やら真剣に相談を始めた。
「別に、自力にこだわる必要なんてないと思うけどねえ。ケンだってそうだし、他の皆も仲間達や従魔達に手伝ってもらってメタルスライム達を集めて称号を手にしたり、強い従魔をテイムしたりしているんだからね」
また尻尾のお手入れを始めながら笑ったシャムエル様の言葉に、手を引っ込めた俺も苦笑いしつつ頷く。
「なあ、思ってたんだけど、どうしてそんなに自力テイムにこだわるんだ? ここは滅多に来れないところなんだから、遠慮せずに俺達を頼ってくれていいんだぞ」
「そうよ。私達も、従魔達も喜んで協力するわよ」
俺が口を開こうとしたその時、笑ったアーケル君とリナさんが、そう言いながら顔を寄せて話をしている新人さん達の背中を軽く叩いた。
「いや、だって……来るのが難しい所だからこそ、自力でのテイムに値打ちが出るかなって……」
「五人で何度もそう言っていたんで、それが当然だと思っていましたけど……」
「た、確かにそうね。どうしてあんなに自力テイムにこだわっていたのかしら?」
ムジカ君とシェルタン君の呟きに、レニスさんも何やら急に無言になって考え込んでいる。
マールとリンピオは、苦笑いしながら顔を見合わせて揃って吹き出していた。
「確か、ケンさんの屋敷にお世話になってしばらくした頃に、五人で飲んでいてそんな話になったんだよなあ。あれって誰が一番最初に言い出したんだっけ?」
「どうだったかなあ?」
腕を組んで考え込む二人を見て、シェルタン君が何やら慌てている。
どうやら、メタルスライム自力テイムの言い出しっぺは彼だったみたいだ。
「別に誰が言い出したのでもいいんじゃないか。あ、それならこういうのはどうだ? 俺達はまた明日もラメ入りジェム集めをするから、その間に君達五人と各自が連れている従魔達だけでメタルスライムを確保してテイムすればいい。もしダブりがあれば、そこは五人で協力して融通しあって、それでコンプリートを目指すってのは?」
俺達全員と従魔達全員が手伝えば、おそらく五人分のメタルスライムなんて、一日あれば簡単にコンプリート出来ると思う。
まあ、超レアカラーのスライムが次にいつ出るかだけは時の運だけど、あのドヤ顔なシャムエル様の様子を見るに、多分何とかなる気がする。
「た、確かにそれなら……」
「確かに……」
ムジカ君とシェルタン君の呟きに、三人もお互いの顔を見ながら苦笑いしている。
「よし、じゃあ明日は五人で協力して頑張りたまえ。それじゃあ遅くなったけど夕食にしよう。今日は二人のメタルマスター誕生を祝して肉を焼くぞ〜〜!」
ドヤ顔になった俺の言葉に、その場は拍手喝采になったのだった。
2025年3月14日、アース・スターノベル様より発売となりました「もふもふとむくむくと異世界漂流生活」第十巻の表紙です。
ついにもふむくも二桁の大台に突入です!
改めまして、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
今回も引き続き、れんた様が表紙と挿絵を最高に素敵に可愛らしく描いてくださいました。
連載開始当初からの目的地であったバイゼンに、ようやくの到着です!
到着早々色々と騒ぎが起こります。
そして貴重な女性キャラも登場しますよ!
その貴重な女性キャラを描いた今回の口絵も大爆笑させていただきましたので、どうぞお楽しみに!
「もふもふとむくむくと異世界漂流生活〜おいしいごはん、かみさま、かぞく付き〜」
コミックアース・スター様にて、コミックス第四巻が2025年3月12日に発売となりました!
もちろん今回も作画はエイタツ様。
ハスフェルに続きギイも、それからフランマもコミックスに登場です!
いつもながら最高に可愛いもふもふむくむく達と、美味しい食事!
そして、地下洞窟と恐竜達とテイム!
盛り沢山なもふむくコミックス第四巻を、どうぞよろしくお願いします!