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雨の日々と裏での苦労?

 大満足だった寿司祭りを終えた翌日から、またしても大雨になった。

 いやあ、それにしてもよく降るねえ。

 最初の頃に比べれば少なくはなったが、まだまだ実っているイチゴ狩りの為に温室へ行く時に、スライムトンネルの中を通り抜けながら土砂降りな空をスライム達越しに見上げて、もう呆れたように笑うしかない俺達だった。



 ハスフェル達によるとこの時期のハンプールから王都の辺りは、こんなふうに雨の日が続く事が多いらしく、この世界へ来てからここまでの大雨続きを見るの自体初めてな俺は、毎朝起きて窓の外を見ては、また雨だと言って苦笑いしていたのだった。

 多分、この世界の梅雨的な時期に入っているのかもしれない。まあ、シャムエル様の大雑把さを考えると、適当にまとめて降らせている可能性も否定出来ないけどね。

 結局、またしても十日も降り続いた雨の間中、俺達は出かける事も出来ずに別荘に缶詰め状態になっていたのだった。

 ちなみに従魔達も雨だと眠さもかなりあるらしく、時間を持て余した俺達がボードゲームやトランプで遊んでいる間、毎日リビングの奥の定位置で巨大なもふ塊になって転がっていたのだった。

 もちろん、俺達も手が空く度に交代でもふ塊に飛び込ませてもらって、ある意味心ゆくまで従魔達と毎日戯れていたのだった。



 まあ、この雨続きでこもっている間は、全員の肉食の従魔達の食事を俺が担当していたから、従魔達用の手持ちの食料もかなり減ったらしいので、冗談抜きで雨が止んだら本気で狩りに行かないと駄目みたいだ。

 ちなみに皆も正直に言うと、従魔達のリアルスプラッタな食事は外ならばいざ知らず家の中では見たくないと意見の一致を見た。

 なので最初のうちは、俺の手持ちのジビエ肉を中心に与えていたんだけど、冗談ぬきで料理用の肉が無くなりそうな勢いで減ったので、途中からは家具を一切置いていない部屋を用意して従魔達専用のお食事部屋に設定して、そこで手持ちのお弁当を食べてもらう事にした。

 皆には、俺が肉食の従魔達が狩った獲物をたくさん預かっているので、それをあげると説明している。

 食べた後の汚れはスライム達に片付けて貰えば大丈夫だからとも言っておけば、皆納得してくれた。

 まあ、今後はそれぞれ自分で従魔達の食糧も最低限は確保すると言って真顔の皆に謝られたんだけどね。

 もちろん、実際にはベリーが結界を作ってそこで手持ちのお弁当用の獲物を食べさせてくれているので匂いもスプラッタの跡も綺麗さっぱり無くなっているんだけど、ベリーの存在をここで出会った新人さん達には内緒にしている為、一つ問題が発生したんだよ。

 だって、肉食の従魔達に収納している獲物を食事として与えるんだと言って全員の肉食従魔を預かったのは良いんだけど、そうなるとその獲物を収納している俺が実際にその部屋に従魔達と一緒に入って行かないといけないんだよ。

 だけど、俺はテレビの画面越しでも肉食獣のスプラッタなお食事場面が出たらチャンネルを変えるくらいのヘタレ。

 結界越しで臭いが無いとはいえ、実際に目の前でそんな場面が展開されるのを見たら間違いなく気絶する自信があるよ。

 困り果ててハスフェル達に相談した結果、別荘にいる間の肉食獣達のお食事に関しては、ハスフェルとギイが担当してくれる事になった。ありがたやありがたや〜〜。


 そして、ようやく雨が止んだところで、まず俺達は揃って街へ向かった。

 クーヘンの店に委託で預けたあの収納袋を全部まとめて買い取ってくれると言っていたので、身内販売をする事にしたんだよな。

 なので、まずは収納袋の評価価格を教えてもらうのと、バイゼンのお城の地下洞窟の最下層でケンタウロス達が集めてくれたほぼ未発見の大型水棲恐竜のジェムを鑑定してもらう為だ。

 まず、冒険者ギルドへ到着した俺達は、出迎えてくれたエルさんに事情を説明してクーヘンの店まで一緒に行ってもらう事にした。

 ちなみに、未発見の大型水棲恐竜のジェムが大量にあると聞いたエルさんの反応はちょっとした見ものだったよ。

 大興奮した後に急に真顔になり、その後大慌てで商人ギルドと船舶ギルドに伝言役の人を走らせ、クーヘンの店で集合する事にしたらしい。

 当然、本当に即座にすっ飛んできたアルバンさんとシルトさん。

 苦笑いしたクーヘンと一緒に、揃って地下倉庫へ向かった俺達だったよ。



 まず、収納袋の評価価格は予想の範疇だったので、それなりの高額にはなったがそれほど驚かなかった。

 エルさんが書いてくれた明細に従い、支払いの書類を作ってもらってクーヘンが支払いの為のサインをすれば手続きは完了。

 後の事務手続きはエルさんにお任せだ。

 しかし、その後に一通り取り出して並べた大型水棲恐竜のジェムを見たエルさん達ギルドマスターの興奮っぷりは、もう冗談抜きで、見ていて倒れるんじゃあないかと心配になるくらいの大騒ぎだった。

 その大声を聞いて、一体何事かと真顔のクーヘンのお兄さん達が駆けつけてきたくらいだったんだからさ。

 その後、急に黙り込んで真顔になり真剣にジェムを手に顔を寄せて相談を始めた彼らを前に、口出しも出来ずに大人しく鑑定が終わるのを待っていた俺達だったよ。

 ちなみに待っている間中、退屈した俺はひたすら従魔達を順番におにぎりにしていたのだった。



挿絵(By みてみん)

2025年3月14日、アース・スターノベル様より発売となります「もふもふとむくむくと異世界漂流生活」第十巻の表紙です。

ついにもふむくも二桁の大台に突入です!

改めまして、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m


今回も引き続き、れんた様が表紙と挿絵を最高に素敵に可愛らしく描いてくださいました。

連載開始当初からの目的地であったバイゼンに、ようやくの到着です!

到着早々色々と騒ぎが起こります。

そして貴重な女性キャラも登場しますよ!

その貴重な女性キャラを描いた今回の口絵も大爆笑させていただきましたので、どうぞお楽しみに!





挿絵(By みてみん)

「もふもふとむくむくと異世界漂流生活〜おいしいごはん、かみさま、かぞく付き〜」

コミックアース・スター様にてコミックス第四巻が、2025年3月12日に発売となります!

もちろん今回も作画はエイタツ様。


ハスフェルに続きギイも、それからフランマもコミックスに登場です!

いつもながら最高に可愛いもふもふむくむく達と、美味しい食事!

そして、地下洞窟と恐竜達とテイム!

盛り沢山なもふむく第四巻を、どうぞよろしくお願いします!


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