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もふもふとむくむくと異世界漂流生活  作者: しまねこ


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1905/2080

久しぶりなモーニングコール

 ぺしぺしぺし……。

 ぺしぺしぺし……。

 ふみふみふみ……。

 ふみふみふみ……。

 ふみふみふみ……。

 ふみふみふみ……。

 カリカリカリ……。

 カリカリカリ……。

 つんつんつん……。

 チクチクチク……。

 こしょこしょこしょ……。

 ふんふんふんふん!

 ふんふんふんふん!

 ふんふんふんふん!

 ふんふんふんふん!

「うん、起きてるよ……」

 翌朝、久々の従魔達総出によるモーニングコールに起こされた俺は、腕の中のフランマを抱きしめながらなんとかそれだけ答える。

 あれ? 確か昨夜寝た時にはマニが腕の中にいたはずだけど、いつの間にか変わっているぞ……。

 ぼんやりとそんな事を考えつつ、最高にもふもふな尻尾を撫でさする。

 ううん。フランマの尻尾も、いつ撫でても良き尻尾ですなあ。

 しかし、その間も寝汚い俺の体は全く起きる気配はなく、そのまま気持ち良く二度寝の海へ落っこちていったのだった。ボチャン。



 ぺしぺしぺしぺし……。

 ぺしぺしぺしぺし……。

 ふみふみふみふみ……。

 ふみふみふみふみ……。

 ふみふみふみふみ……。

 ふみふみふみふみ……。

 カリカリカリカリ……。

 カリカリカリカリ……。

 つんつんつんつん……。

 チクチクチクチク……。

 こしょこしょこしょこしょ……。

 ふんふんふんふん!

 ふんふんふんふん!

 ふんふんふんふん!

 ふんふんふんふん!

「うん、だから起きてるってば……」

 完全に寝ぼけた俺がそう答えた直後、耳元で凄い鼻息が複数聞こえて思い切り焦った。

 ちょっと待て! 今朝のモーニングコールはソレイユとフォールの最強コンビのはずだけど、あれ、巨大化している上に絶対二匹の鼻息じゃあないぞ。もっといる。

 もしかして、これは猫族軍団総出の最終モーニングコール発動か?

 起きろ俺、今すぐ起きないと大変な事になるぞ!

 肉がもげるぞ、死ぬほど痛いぞ!

 冷や汗ダラダラ状態で大いに焦る俺だったけど、やっぱり寝汚い俺の体は全くの無反応。



「ご、しゅ、じ、ん」

「起、き、て〜〜」

「起きないと〜〜〜」

「大変な事に〜〜〜〜」

「な、る、わ、よ」



 耳元で聞こえてきたのは、ソレイユとフォール、それからティグとマロンとヤミーのそれはそれは嬉しそうな声だ。

 ちなみに全員揃って語尾にハートマークがついていそうなくらいに甘い声なんだけど、言ってる内容はそれとは完全なる真逆。

「ご主人、起きてくださ〜〜い」

「起きないと色々と大変な事になりますよ」

 そしてこちらは妙に嬉しそうなマニの声と、大真面目なカッツェの声だ。

 うん、分かってるんだ。俺的にも起きたいのは山々なんだけどさあ。残念ながら俺の体が起きてくれないんだよなあ。

 脳内でそう返事をしたところで、シャムエル様とベリーとカリディアの笑う声が聞こえた。

「相変わらずだねえ。じゃあ、遠慮なく起こしてやってちょうだい! 皆も久々だから、張り切ってるもんね〜〜!」

「はあい、じゃあ始めるわよ〜〜!」

「おお〜〜〜!」

 そして、何故か笑ったシャムエル様が許可を出し、張り切った猫族軍団の声が返る。

「待って、起きてる、ってば……」

 なんとか必死の起きてるアピールをするが、残念ながら寝ぼけた声が出るだけで起きる気配無し!



 ザリザリザリ!

 ザリザリザリ!

 ジョリジョリジョリ!

 ジョリジョリジョリ!

 ゾリゾリゾリ!

 ザリザリザリ!

 ベロ〜〜〜〜〜〜〜ン!

「うぎゃ〜〜〜〜〜げふぅ!」



 予想以上の強烈な最終モーニングコールの連続攻撃に情けない悲鳴を上げる俺。当然、その直後に腹を思いっきり蹴っ飛ばして逃げていくフランマ。

 毎回思うけど、これも絶対わざとだよな!

 悶絶しつつベッドから転がり落ちる俺。

「ご主人危ないよ〜〜〜」

 気が抜けそうなアクアののんびりとした声の直後に受け止められた俺は、ポヨンと一度軽く跳ねてまたスライムベッドの上に落っこちた。

「確保からの〜〜〜お返し!」

「だから返さなくていいって〜〜〜!」

 俺の抗議の声も虚しく、大きく跳ね飛ばされた俺の体は空中を吹っ飛んでニニの上に落っこちて止まった。

「ふ、振り出しに戻った……」

 何故かツボに入ってしまい吹き出した俺は、飛びついてきたマニとヤミーに押さえ込まれたまま声を上げて笑った。

「ご主人起きた〜〜〜〜!」

 嬉しそうにそう言ったマニが、グリグリと俺の顎の下に鼻を突っ込んで押し付けてくる。

「わかったわかった。ちょと待てって。鼻が冷たいって」

 マニの鼻先を押さえてなんとか起き上がり、ニニの腹の上に座ったまま飛びついてくる子達を順番におにぎりにしてやった。

「ご主人起きた〜〜〜!」

 巨大化した猫族軍団にまたしても飛びかかられて押し倒された俺は、嬉しい悲鳴をあげてもふもふの海へ沈んで行ったのだった。

 はあ、久々のモーニングコール、嬉しいんだけどかなり凄かったよ。

 従魔達の愛が重い、愛が重いぞ〜〜〜!

 なんとか起き上がった俺は、そんな事を考えてまた吹き出したのだった。


挿絵(By みてみん)

2024年11月15日、アース・スターノベル様より発売となりました「もふもふとむくむくと異世界漂流生活」第九巻の表紙です。

どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m


今回も引き続き、れんた様が表紙と挿絵を最高に素敵に可愛らしく描いてくださいました。

そして中の口絵二枚目が、何とケンの〇〇シーンですよ!

どうぞお楽しみに!

口絵ラフをいただいて、もう、一人で大爆笑したのは内緒です

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