ふわもこ軍団爆誕!
副題にもなった、ふわもこ軍団は、もふ塊に続き花丸インコ様の感想からいただきました!
感想ではふわもこ団だったのですが、猫族軍団や犬族軍団と統一性を持たせる為に、ふわもこ軍団とさせていただきました。
花丸インコ様、素敵な名前をありがとうございます!
「よし、じゃあそろそろ部屋に戻ろうか」
笑った俺の言葉に、それぞれの従魔達とスキンシップを楽しんでいた皆も笑顔で頷き、立ち上がって大きく伸びをしていた。
マールとリンピオは、それぞれの従魔達と顔を寄せて話をしていた。
「じゃあ、アントラは厩舎の方がいいらしいので、アントラ以外の子達はひとまず部屋に連れて行きます」
「せっかくなので、ゆっくり触れ合う時間を取ります」
「私も、この子達を連れて部屋に戻りますね」
女性のレニスさんには、ちゃんと別に部屋が用意されているから今夜はそっちに戻るみたいだ。
「じゃあ、俺の部屋に全員集合な。言ったように夕食は俺の部屋で肉を焼くぞ」
「あの、本当に俺達までご一緒させてもらっていいんですか?」
マールの遠慮がちなその言葉に、俺は笑って大きく頷いてやった。
「まあ、せっかく仲直りしたんだから、ここは親睦を深める意味も込めて皆で一緒に食事にしよう。言っておくけど岩豚の肉を焼くとめっちゃ美味いぞ」
にんまりと笑ってそう言ってやると、二人はもうこれ以上ないくらいの笑顔になった。
「一生に一度は、借金してでも食べろって言われている岩豚ですね。あの、代金くらいは払いますので!」
「厚かましくもご一緒させていただきます!」
恐縮する二人の言葉に、皆も笑顔になる。
「まあ、今回はケンの奢りだと思っておけばいいさ」
「今後は従魔達と仲良くな」
笑ったハスフェルとギイの言葉に、二人は恥ずかしそうに何度も頷いていたのだった。
「ああ、何度見ても可愛すぎる〜〜!」
その時、ムジカ君の叫ぶ声が聞こえて何事かとマール達が振り返る。
見ると、置いてあったソファーの背もたれの上にお空部隊の面々をはじめ全員の鳥の従魔達が全員揃ってぎゅうぎゅうになって留まっていたのだ。うん、さっきよりもさらに数が増えているぞ。確かにこれは可愛い。
「ああ、最高に可愛すぎる〜〜〜! 俺は、このふわもこの間に埋もれて寝てみたいよ〜〜〜!」
口元に手をやってまた叫ぶムジカ君。
「確かに、毛のある従魔達はもふもふとむくむくって感じだけど、鳥の従魔達がああやって並んでくっついているのは、ふわもこってのがぴったりの表現だな」
「ああ、確かにふわもこってのはぴったりの表現だな」
「あれに埋もれて寝てみたいって意見も分かる気はするなあ」
笑ったハスフェルとギイの言葉に、オンハルトの爺さんも笑いながら何度も頷いている。
「あ、良い事思いついた。ああやって鳥達がくっつきあっている時には、猫族軍団や犬族軍団みたいに、ふわもこ軍団って呼ぶ事にしよう!」
「あはは、そりゃあいい。確かにふわもこ軍団って感じだな」
手を打った俺の言葉に、ハスフェル達も大笑いしつつ拍手してくれた。
って事で、ふわもこ軍団結成だ!
「だけど、今から部屋に戻るからふわもこ軍団になるのはまた後でな〜〜〜」
笑いながらそう言って、俺の従魔達を呼んでやる。
「はあい、じゃあ一旦解散ね〜〜〜!」
何故かローザがご機嫌でそう言い、鳥達が一斉に羽ばたいてそれぞれのご主人のところに飛んでいった。
「なんだよ。ふわもこ軍団の時は、ローザがリーダーなのか?」
笑って飛んできたローザを捕まえておにぎりにしてやる。
「リーダーってわけじゃあないけど、なんとなく皆のまとめ役みたいな感じになってる……みたいな?」
笑ったローザがそう言って首を傾げて見せる。
「ああ、もう可愛すぎるぞ!」
おもわずさっきのムジカ君みたいに叫んで、ローザをもう一度おにぎりにしてやる。
「ローザばっかりずるい〜〜!」
「私もおにぎりにしてくださ〜〜い!」
「わ、私もお願いします!」
ブランとメイプルが慌てたようにそう言いながら、定位置の俺の腕に留まる。
ネージュも慌てたようにそう言って俺のところへ飛んできて、頭上を旋回してから右腕にふわりと飛んで来て留まった。
「はいはい、順番にな」
最後にファルコが大きく羽ばたいて飛んできて、俺の左肩の定位置の止まり木に留まる。
ファルコとは普段からあまり過度なスキンシップは取らないんだけど、何故か今はおにぎりにして欲しそうにしているのが分かった。
「一番の大先輩はファルコだよな」
笑いながら手を伸ばして、まずはファルコをおにぎりにしてやる。
嬉しそうに一声鳴いたファルコは、離した俺の指をごく軽く甘噛みしてから頭を擦り付けてきた。
この、控えめな甘え方もたまらないよ。
もう一度思いっきり撫でてやってから他の子達も順番におにぎりにしてやった俺だったよ。
気がついたら、皆もまた従魔達とスキンシップを楽しんでいた。
「ああ、ごめんごめん。いつまで経っても部屋に戻れないな。じゃあ、マックス達を厩舎に預けたら部屋に戻ろうか。そろそろ腹が減ってきたよ。昼食を食べたのはいつもよりも遅かったけど、全員二日酔いメニューだったからな」
笑った俺の言葉に、あちこちから俺も腹が減ったという声が聞こえて、俺達は顔を見合わせて揃って吹き出したのだった。