朝の水遊びタイム!朝の水遊びタイム!
「はあ、朝から何この幸せ空間は!」
最高に幸せな時間を満喫した俺は、笑いながらそう言って何とか体を起こした。
今の俺はスライムベッドに腰かけていて、両脇にはムジカ君とシェルタン君がテイムした二匹のサーバル達が顔を突っ込んで喉を鳴らしながら寛いでいるし、俺の足の間にはマニが陣取っていてこちらもご機嫌で喉を鳴らしている。
他の従魔達はそんな二匹とマニを見ながら、スライムベッド周りでご機嫌でくっ付き合って寛いでいる。
「喜んでもらえたみたいでよかったです。それにしても、聞いていた以上になかなかに激しいモーニングコールでしたねえ」
「だよなあ。初めて聞いた時は何の冗談かと思ったけど、全く聞いた通りだったからちょっと笑ったよ」
「いやいや、思いっきり大爆笑していただろうが」
笑った俺の抗議の言葉に、ムジカ君とシェルタン君は揃って吹き出していたのだった。
「はあ、じゃあ起きるから、君達はそろそろご主人のところへ戻ってくださ〜い」
笑いながらリリスとリベルターの頬を両手でもみもみしてやる。
一応、神様でも陥落させる威力の俺の癒しの手は、ここでも抜群の効果を発揮していて、二匹はそりゃあもう完全に脱力状態で俺の手に顔をのせてご機嫌で喉を鳴らしていたのだった。
しばらくして、我に返ったらしい二匹が少し恥ずかしそうに俺の手に頬擦りしてからそれぞれのご主人の元へ戻り、ようやく解放された俺は、股の間に陣取っているマニも揉みくちゃにしてやってから顔を洗いに水場へ向かった。
そう、リナさん達が作ってくれた噴水付き即席水場だ。
斜めに突き刺したもう一本の棒から吹き出す水で顔を洗った俺は、いつものようにサクラに綺麗にしてもらってから、まずは捕まえたサクラをおにぎりにしてから噴水目掛けてフリースローで放り込んでやった。
「きゃ〜〜!」
嬉しそうな悲鳴を上げて、噴水の上に落っこちるサクラ。
そのまま吹き出す水に流されて落ちてはまた上に噴き上がっている。
「ご主人、アクアもお願いしま〜す!」
「アルファもお願いしま〜〜す!」
それを見たスライム達が次々にそう言いながら跳ね飛んできたので、笑って順番に受け止めて噴水の中へ放り込んでやる。
「きゃ〜〜〜!」
これまた嬉しそうな悲鳴をあげて吹き上がるスライム達。
しかし、よく考えたら噴水の水は地面に突き刺さった棒から直接噴き上がっているはずなので、一体どうやってスライム達がその水にのって噴き上がっているのか分からない。
不思議に思って首を傾げながらよく見てみると、地面に垂直に突き刺した棒がいつの間にか増えていて、一番長い棒の周りには水面ギリギリくらいまでの長さの棒が何本も突き刺してあったのだ。
その棒からもそれぞれに水が噴き上がっているので、どうやらスライム達はその水にのって噴き上がっているみたいだ。
おかげで、昨日よりも噴水の水量がさらに増してなかなか豪快な事になっている。
「ああ、楽しそう〜〜!」
「ハイドランジアも遊ぶの〜〜!」
「ウォールナットも遊ばせてくださ〜〜い!」
「ローレルも遊びま〜〜す!」
俺のスライム達が大はしゃぎしながら噴水で遊んでいるのを見て、ハスフェルとギイ、それからオンハルトの爺さんのスライム達も一斉に跳ね飛んできて水の中へ次々に飛び込んでいく。
「スイミーも遊びま〜す!」
「ピンキーも遊びたいで〜〜す!」
「キララも入れてくださ〜〜い!」
「ドロップも遊びます!」
「キャンディも混ぜてくださ〜い!」
そして新人二人のスライム達やクーヘンやランドルさん達のスライム達までもが、先を争うようにして声を上げながら跳ね飛んできて、そのまま噴水目掛けて突っ込んでいった。
もう噴水の中は、テニスボールサイズになったスライム達で、超ラッシュアワー状態になっている。
「きゃ〜〜〜!」
とは言っても水の流れがあるので、またしても楽しそうな悲鳴と共に次々に噴き上がるスライム達。
そして池の周囲では、マックスやシリウスをはじめとした犬族軍団プラスアルファが、これまた大はしゃぎで水遊びを始めていた。
もちろんお空部隊プラスアルファの面々も飛んできて、これまた大はしゃぎで水遊びを始めている。
「水鉄砲攻撃〜〜!」
アルファがそう言って、水の中から突然マックス達目がけて勢いよく水を吹き出し始めた。
いつものスライムシャワーよりも水滴が大きいだけに威力も大きい。
楽しそうに一声吠えたマックス達が口を開けて、自分たち目掛けて勢いよく飛んでくる水鉄砲に噛みつきにいく。
「うひゃあ、冷たいって!」
バシバシ水が跳ね飛ばされて俺までびしょ濡れになる。
「ご主人綺麗にするね〜〜」
のんびりしたサクラの声が聞こえた直後に、噴水から飛び出してきたサクラがびしょ濡れだった俺を一瞬で包んで綺麗にしてくれる。
解放された時には、もう完璧なまでに乾いてさらさらだ。
「あはは、ありがとうな。ほら、もう一回行っておいで」
笑ってそう言い、サクラをもう一回今度は噴水目掛けて力一杯投げ込んでやってから、俺は自分のテントへ戻った。
「はあ、朝から大騒ぎだな」
小さく笑ってそう呟き、地面に寝転がって寛いでいるニニのところへ行き、もう一回ニニの腹に潜り込む。
それを見て、カッツェがくっついてきて、いつもマックスがしているように俺を挟んでホールドしてくれる。
「ご主人にくっつくの〜〜!」
笑ったソレイユとフォールだけでなく、テントで留守番していた猫族軍団と草食チームが次々に跳ね飛んできて俺の周りにくっついてくる。
「じゃあ、サクラ達が戻ってくるまでもう一休みだな」
即座に腕の中へ飛び込んできたマニを抱きしめてやりながら、小さく笑って欠伸をした俺だったよ。
はあ、もふもふ最高……。