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明日の予定決定!

 その日の夕食は、俺の部屋でがっつりステーキを焼いた。

 俺はご飯、ハスフェル達はパンが良いと言うのでそれぞれ好きなのを出してやり、野菜たっぷりのサラダも出した。

 うん、やっぱり肉は良いね。



「とりあえず、明日はどうする? 後三日延長してあるし、そろそろこいつらの狩りをさせてやらないと」

 食後に、ハスフェルが出してくれた酒を飲みながらそう尋ねると、ハスフェルが顔を上げてこっちを見た。

「ああ確かにそうだな、じゃあ明日、もう一度洞窟へ行くか? アンキロサウルスを狩るもよし。奥に行けば他にも色々いるから、連れて行ってやるぞ」

 俺は、思わずクーヘンと二人で顔を見合わせる。

「いやあ、もうそろそろ洞窟はお腹いっぱいです」

「そうですよね。あ、それならこの辺りにはもう他に、私でもテイム出来そうなジェムモンスターはいないんですか?」

 クーヘンの言葉に、ハスフェルとギイは顔を見合わせて考え込んだ。

「それなら、レッドテイルフォックスかな?」

「レッドテイルフォックスは、足は早いが持久力は無い。ブラックイグアノドンがいれば、彼にはもう騎獣は必要無いんだからあまり仲間にする意味はないぞ。それよりも今のクーヘンは、ケンと比べると少々戦力不足だからな。それなら戦力になりそうな肉食系のジェムモンスターか。ふむ、レッドグラスサーバルかレッドクロージャガー辺りならどうだ?」

「ああ、良いんじゃないか? それならどちらにするべきかな?」


 二人の相談を聞きながら、俺とクーヘンはもう一度顔を見合わせた。

「い、今……肉食系のジェムモンスターって言いましたよね?」

 引きつるクーヘンの声を聞いて、俺も何度も頷く。

「心配するな。俺の耳にもそう聞こえたぞ。しかも、サーバルかジャガー? 無茶言うなよな」

「ジャガーは知っていますが、サーバルって?」

「ええと、同じネコ科の猛獣だよ。ジャガーよりも小さいけど、猫なんかよりははるかにデカいぞ。ええ、どっちも魅力的だけど、そんなの捕まえられるか?」

 テイムするなら、叩きのめして確保する必要がある。

 可能性がありそうなのはサーバルだろうけど、俺のいた世界でも1メートルどころじゃ無かったはずだから、こっちでは……うん、下手したら俺達の方が餌にされると思うぞ。


 思いっきりびびって無言になっている俺達を置いて勝手に神様軍団の相談は決定したらしい。

「じゃあ、今日はこれで解散だな。明日は早朝から出掛けよう。サーバルがいるのはここから少し離れた草原地帯だからな。船舶ギルドに行くのは、戻ってきてからでも構わないだろう?」

「ああ、別に良いと思うぞ。それより、結局ジャガーじゃなくてサーバルにするんだ」

 思わずそう言った俺を見て、ハスフェルは笑っている。

「クーヘンにテイムさせる事を考えたら、ジャガーはちょっと荷が重いかと思ってな。テイムしたいなら、後でジャガーのいる場所にも回ってやるぞ」

「いやいや、もうこれ以上は……まあ、状況を見て考えるよ」

 慌てたように顔の前で手を振る俺を見て、ハスフェルは鼻で笑った。俺の考えてる事なんて、全部お見通しなんだろうさ。

 うん、正直に言うとどっちも欲しいよ!

 だって、サーバルにジャガーだぞ。言葉の通じる大型ネコ科を従魔に出来るなんて、異世界ならではじゃないか。


 ああ、だけどさすがに無理か? このまま際限なく従魔を増やしていったら、世話と管理が出来なくなる恐れが……あれ、ちょっと待て。違うぞ。

 俺は別に、こいつらを家で面倒見ているわけじゃ無いんだし、ジェムモンスター達は小さくなれるんだから、普段は猫サイズになってて貰えば良いんだよな?

 向こうの世界のオンボロアパートでなら、飼えるペットの数は有限だったけど、こっちの世界で自制する意味ってあるのか?

 だって、食事も排泄も、今まで俺がやっていた事全部、こいつら自分達で済ましてるぞ。

 あれ? 俺が飼い主であると言う存在意義は、この場合何処にあるんだ?


 真面目に考えたら、ちょっと悲しい結論が出そうな気がしたので、これもまとめていつもの如く明後日の方向へ放り投げておく。


 うん、良いんだ。こいつらの事が俺は大好きなんだから!



 とまあ、混乱する俺を置いて、皆それぞれの部屋に戻って行った。

「じゃあ、明日は夜明けと共に出発だから、もう早めに休むよ」

 防具を脱いで靴も靴下も脱いで身軽になると、いつものようにサクラに綺麗にしてもらった。

 それが終わると、ベッドに横になって待ち構えているニニの腹毛の海に潜り込んだ。

「今夜もよろしくお願いしまーす!」

 マックスがいつものように隣に転がり、ラパンとコニーのダブルラビットが俺の背中側に潜り込む。タロンがいつものように俺の腹に潜り込んできた所で、姿を表したカーバンクルのフランマ迄が一緒に潜り込んで来た。

 箒のようなふっかふっかの尻尾が俺の足に沿って巻き付いてきた。

「もふもふパラダイス空間、またしてもパワーアップしました! いやあ、最高だな。それじゃあ明日は、早起きだからよろしく!」

 笑ってそう叫んだ俺は、タロンとフランマを抱きしめて目を閉じて、一つだけ深呼吸をした。


 そこから翌朝までの記憶が全く有りません。そりゃあもう、気持ち良く眠りの国へ直行だったね。


 いやあ、癒しのもふもふのパラダイス空間の威力、凄えな!

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