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今日の仕込みと子猫達とのスキンシップタイム!

「さてと、あとは何をするかねえ」

 大量の激うまジュースとコーヒー、それから緑茶と麦茶もしっかり準備した俺は、まとめて飲み込んでくれるサクラを見ながら次に何を作るか考えていた。

「空いた鍋は大量にあるんだから、また色んな鍋料理もまとめて作っとくか。この様子だと、しばらく俺はここで留守番していて構わないみたいだからな」

 すっかり綺麗になった作業用テーブルを見ながらそう呟いた俺は、まずはサクラに空いている鍋を一通り出してもらった。

「作業用の銅製の鍋や片手鍋なんかは別にしておいて、鍋料理用にするならこの辺りかな」

 バイゼンへ来てから大量買いをした大きめの土鍋の数々を見る。

「よし、じゃあこの前好評だったキムチ鍋とミルフィーユ鍋はガッツリ仕込んでおくか。あとは定番のブラウンボアで作る牡丹鍋とか、ハイランドチキンやグラスランドチキンを使った鶏鍋なんか辺りかな。あとは普通にすき焼きとか、岩豚すき焼きも良さそうだ。よし、とりあえず何でもいいからガンガン作るぞ」

 メニューが決まれば、あとは流れ作業で作るだけだ。

 勢揃いしたスライム達に手伝ってもらいつつ、俺はひたすら大量の鍋料理を仕込んでいった。



 時折、元気な子猫達の鳴き声が聞こえてくると料理を中断して子猫達を見にいっては和み、寝ている時にはこっそり近くへ行って、ふわふわなんだけど妙にツンツンしている子猫特有の毛を撫でてやったりもした。

「ああ、可愛い! 可愛いが過ぎる!」

 ねぼけてモゾモゾと蹴り合っている子猫達を見て、俺はもう何度目か数える気もないこの台詞をまたしても力一杯叫んだのだった。

「あれ? 何だこれ?」

 叫んだ直後に不意に口の上あたりがベタベタするのに気づいて、何事かと思って触った瞬間驚きに目を見開いたよ。

 ちょっと待て、興奮し過ぎて鼻血が出るって……色々と大丈夫か? 落ち着け、俺……。

 いくら何でもこんな事で、まだまだ貴重な万能薬を使うのは申し訳なさ過ぎるよ! って事で、万能薬は断り、スライム達に綺麗にしてもらってしばらく安静にする為にソファーに転がった俺は、さっきから笑いが止まらずに苦労していた。

 だって、キュン死の危機とか、萌え鼻血〜! なんて、絶対に創作の中の話だと思っていたけど、まさかそれをリアルに実体験する日が来ようとはねえ……。

 俺が料理の手を止めて休憩しているのに気がつき、嬉々として俺の周りに集まって来る従魔達。押しつぶされそうになりながら笑って手を伸ばして、手当たり次第に従魔達を撫でまくってもふもふタイムを満喫したのだった。

 はあ、良いねえ。やっぱりもふもふは俺の癒しだよ……。

 しばらく休んで鼻血も止まって復活したので、後半はのんびりと鶏鍋とすき焼きの割り下を大量に作り、ついでに豆乳鍋の出汁も大量に作ったよ。

それから、それぞれの鍋を大量に仕込む、仕込む、仕込む。とうとう空いた鍋が無くなったところで、今日の作業は終了となった。



「ってことで、仕込み終了〜〜〜!」

 笑ってそう叫んだ俺は、また産室を覗きに行く。

「ご主人、今なら少しくらい触っても大丈夫よ。お腹いっぱいで熟睡してるからね」

 笑ったニニの声に、満面の笑みの俺は中へ駆け込んで行った。

「おお、このぽんぽんのお腹の可愛いこと!」

 完全なるへそ天状態で並んで熟睡している子猫達。今はマロンとソレイユとフォールが添い寝役みたいだ。

「ああ、やっぱり可愛いなあ」

 これ以上ないくらいの満面の笑みの俺は、まずは手を伸ばして熟睡している三匹の中では一番毛が長いカリーノを撫でてやる。今はソレイユがカリーノの腕を押さえてくれているから、不意に引っかかれる心配はしなくていいみたいだ。

 ソレイユにお礼を言ってから、俺は心置きなくカリーノをもふり倒した。

「ああ、長毛雑種の子猫ってこんなに可愛いのか。ニニが子猫の時って、もう可愛いなんてもんじゃあなかっただろうなあ……」

 カリーノの背中側から抱きつくみたいにして撫でていた俺の呟きに、同じくカリーノを撫でていたシャムエル様も凄い勢いで頷いている。

 笑ってもふもふ尻尾も突っついた俺は、順番にミニヨンとマニも遠慮なく抱きついたり撫で回したりしたのだった。

「はあいご主人、そろそろ時間切れね。もう子猫達が起きると思うから、ご主人は避難よ」

 笑ったニニの言葉に、マニに抱きついて寝落ちしかけていた俺は、慌てて顔を上げた。

 確かに、子猫達がモゾモゾと動き始めている。

「おう、了解。じゃあ俺は撤収だ!」

 笑ってニニを撫でてやってから、そそくさと産室を後にした俺だったよ。



 ちなみに、その後もしばらく産室の中を覗いていたんだけど、目を覚ました子猫達はソレイユ達にじゃれつくみたいにしがみつきにいってて、爪全開の状態を見て密かに青ざめた俺だったよ。

 あんな爪で力一杯抱きつかれたら、もうそれだけでスプラッタ決定。

 そしてじゃれて噛みつきにいった時のめっちゃ鋭くて細い牙も見えて、思わずススっと後ろに下がったんだけど、俺は間違ってないよな?


挿絵(By みてみん)

2023年4月14日、アーススターノベル様より、もふむくの四巻が発売となりました!

表紙とイラストは引き続き、れんた様が素敵に描いてくださいました。

どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

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