朝食と今日の予定!?
地下から戻ってきていないのはベリーだけで、カリディアとフランマは戻ってきてましたね。
申し訳ありません。作者の勘違いです。
該当部分を訂正しましたm(_ _)m
「おはようございま〜す」
従魔達を引き連れて廊下へ出たところで、ちょうどランドルさんやリナさん達と一緒になった。
「おはようございます。夜の間にまた雪が降ったみたいで、外はかなり積もっていますよ」
ランドルさんの言葉に、道理で寒いはずだと言って笑いあった。まあ、郊外まで出るのなら雪には気をつけないといけないけれど、目的の地下洞窟へは庭から直接行けるんだもんな。猛吹雪でも無い限り、それほど気にする必要は無いって。
「さてと、それじゃあ、いつも通りに色々と出してくれるか」
リビングで全員集合したところで、俺は鞄に入っているサクラに小さな声で頼み、まずは定番のサンドイッチや揚げ物、それからサラダなんかも色々と出していった。
ドリンクも一通り出しておく。それを見て、ランドルさんやアーケル君達も手持ちの買い置きを色々と出してくれた。
「あ、コーヒーがかなり減ってるなあ。これもそろそろ用意しておかないといけないなあ」
これは作る前に在庫チェックをして、何が減っているのか確認した方が良さそうだ。サンドイッチも、まだまだ在庫の有るものとすごく減っているので差がありそうだ。
頭の中でやる事リストを作りながら、まずは自分の分を確保していく。
「シャムエル様は、いつものタマゴサンドと鶏ハムと野菜サンド。あとは俺の好きなおからサラダと串焼きも取っておくか。ああ、こんな時こそ温かいスープだよな」
ふと思いついて、サクラにかぼちゃスープを出してもらう。これはトロトロポタージュタイプだ。
大きめの片手鍋にたっぷりと取り分け、少しだけミルクを追加して火にかける。温まれば完成だ。
スープ用のお椀も人数分出しておき、まずは自分の分をたっぷりと確保しておく。このポタージュ系のスープって、うっかりすぐに飲むと舌を火傷するレベルに熱々だったりするので、これは先にもらって少し冷ましておくよ。
ランドルさんがスモークチーズを切ってくれたので、分厚いのを一切れもらっておく。
「ス、ス、スモーク、スモーク、スモークチーズ! スモークチーズが食べたいよっ!」
しかし、それを見るなり目を輝かせて、新曲スモークチーズの歌を歌いながら超高速ステップを踏み始めたシャムエル様を見た俺は、苦笑いして分厚いのをもう一切れお皿に摘んだのだった。
「おはようございます。今朝はサンドイッチとカボチャのスープ、それからスモークチーズとおからのサラダです。少しですがコーヒーと一緒にどうぞ。ええと、今日は従魔達がハスフェル達と一緒に地下洞窟へ狩りに行きます。身重のニニも一緒に狩りに行くらしいので、どうぞお守りください」
いつもの簡易祭壇の敷布の上に一通り並べて手を合わせて目を閉じる。
収めの手がいつものように俺の頭を何度も撫でたあと、そのままニニのところへ一瞬で移動して、転がって寛ぐニニの頭やお腹を優しく何度も撫でてくれた。ニニは、不意に顔を上げて不思議そうにしていたけど、ご機嫌で目を閉じて喉を鳴らし始めた。
収めの手はニニ達には見えていないらしいけど、何か気配のようなものは感じてくれているみたいだ。
それから料理の元へ一瞬で戻ってきた収めの手は、いつものように順番に料理を撫でたりお皿ごと持ち上げたりして、最後にもう一度俺の頭を撫でてから消えていった。
「よし、届いたみたいだな。じゃあいただくとするか」
俺が戻るのを待ってくれていた皆にお礼を言って、急いで俺も席へ戻る。それから全員でいただきますをしてから食べ始めた。
「あ、じ、み! あ、じ、み! あ〜〜〜〜〜〜〜っじみ! ジャジャジャジャン!」
ご機嫌でいつよりもちょっと激しい味見ダンスを踊るシャムエル様からお皿を受け取り、タマゴサンドは丸ごと一つと、それ以外も一通り取り分けてやる。ううん、予想以上に俺の分が少なくなったぞ。
「はい、これはシャムエル様の分な」
まず、シャムエル様に一通り取り分けた分を渡してから、先に追加のタマゴサンドを一切れと、カボチャのスープも取ってきたよ。まあ、後はこれくらいあればいいだろう。
食事を食べて追加のコーヒーを飲みつつ、俺が留守番するのなら昼の弁当を渡しておくべきだよなって事で、少し考えてまだまだ大量に在庫のある鉱夫飯を人数分の倍量で渡しておいた。これだけあれば、何かあってもしばらくは大丈夫だろうからさ。
ケンタウロス達は、この間自力であの飛び地へ食糧調達に行っていたから、俺が食事を用意する必要はない。
そこまで考えて、今朝はベリーが戻っていない事に気が付いた。
あれ? もしかしてまだ地下洞窟に入ったままなのか?
よく考えてみたら、昨夜寝る時にもまだ戻っていなかった気がする。大丈夫かな?
『なあ、ベリーがまだ地下洞窟の深部から戻って来ていないみたいなんだけど、大丈夫だよな?』
コーヒーを飲みながら、こっそりトークルーム全開にしてハスフェルに話しかける。
『ああ、今朝確認したら、昨夜はギリギリまで水没地帯にいて夜は最下層にあるグリーンスポットで休んだみたいだな。だけど、今朝もテイムをしてもらわないといけないからと言って、少し前に上まで戻って来たようだな。今は地下一階の入り口の広場で、待ち構えていた雪スライム達と遊んでいるみたいだぞ』
『はあい、お待ちしていますよ』
笑ったハスフェルの言葉の後に、突然何やら楽しそうなベリーの声まで聞こえて、もうちょっとでコーヒーを噴き出すところだったよ。
『あはは、そうなんだ。じゃあ俺もそこまでは一緒に行くよ』
コーヒーを飲み終えたタイミングで、ランドルさん達が揃って俺を見た。
「ケンさん、ウサギ達は今日は置いていきますので、ケンさんの子達と一緒に遊ばせてやっていただけますか」
その言葉に、ニニとくっついているラパンとコニーを見た。
確かに、あのメンバーで行くのなら、間違いなく昨日よりもさらに強力な肉食恐竜のところだろう。ウサギコンビにはちと荷が重そうだ。
「なあ、今日は俺は留守番してここで料理をするから、地下洞窟の入り口の広場で雪スライム達をケンタウロスにテイムしてやった後、ここまで俺だけで戻って来ないと駄目なんだよ。新雪が積もる中を歩くのは大変そうだし、お前らにお城まで戻る時に乗せてもらっても構わないか? 後は部屋で暖かくしていてくれればいいからさ」
危ないから留守番しろと無理強いするよりも、絶対この方が聞いてくれる気がする。
「そうなのね。じゃあ、私達がご主人をお守りしてあげるわね」
「了解です。では我らがご主人をお守りしますよ」
予想通りにラパンとコニーがそう言ってくれたので、俺は笑って小さくなっている二匹を順番におにぎりにしてやった。
ううん、うさぎの毛のもふもふさ加減も、なかなかに良きだなあ……。