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明日からの予定と今日の収穫物

「ご馳走様でした! いやあ、美味しかったです!」

 満面の笑みのアーケル君の言葉に続き、全員からご馳走様の声が聞こえた。

「はい、お粗末様。まあ、喜んでもらえたみたいで良かったよ。じゃあ、キムチ鍋も定番メニューに入れておくよ」

 笑った俺の言葉に全員が揃って頷く。

「特に、寒い時期には良さそうなメニューだよな。出来上がった状態で収納しておけば、郊外でも食べられそうだしな」

 笑ったギイの言葉に、皆がもの凄い勢いで頷いている。

「何、そんなにキムチ鍋が気に入ったのか? まあそれならガッツリ作り置きしておくよ。ああ、それじゃあ俺は、明日以降は狩りは休憩してここのキッチンで料理をするよ。作り置きも色々と減ってきているしさ」

「そうか。確かに作り置きも暇な冬の間にしておくべきだな」

 うんうんと頷くハスフェルの言葉に俺は苦笑いする。

 まあ、実を言うと祭りの期間中に街へ行ってなんやかやと買いまくっていたから、まだまだ手持ちの在庫は大量にあるんだけどね。

 だけど人気の揚げ物や肉料理は作るのにそれなりに手間が掛かるから、出来れば暇な今のうちにがっつり作り置きしておきたいからなあ。

 って事で全員に確認してみたところ、俺以外は全員まだまだ地下洞窟へ行きたいらしい。なので相談の結果、明日以降は彼らには弁当を渡しておき、俺だけここに残って料理をする事になった。

 従魔達も行きたいと言うので、俺の料理のアシスタント役のスライム達だけを残して、他の子達は連れていってもらう事になった。まあ、鱗チームみたいにここで留守番したい子達は、好きにして貰えばいいよな。

 ニニも一緒に行くと聞いて心配した俺だったけど、フランマとカリディアが護衛役として一緒に着いていってくれると聞き、安堵のため息を吐いたよ。まあ、それなら何とかなるかな。



「そういえば、ベリー達はまだ地下洞窟から戻っていないんだな」

 食後にハスフェル達が出してくれたウイスキーの水割りを飲みながら、ふと気がついてそう呟く。

 地上へ出た時点でどうやらケンタウロス達とのパーティーは解散しているみたいで、頭の中にあったマップは無くなっているから、彼らが今どこにいるのかはすぐには分からない。

 ちなみに、地下洞窟に入る時にランドルさんやリナさん達に渡していたマップは、ハスフェルが回収してくれていて、また次に地下へ入る時に渡すらしい。

 別にそのまま持っていてくれても俺は全然構わないんだけど、これに関してはどうやら冒険者達の暗黙の了解的な部分があるみたいなので、その辺りの事情に疎い俺は、もう全部まとめてハスフェル達にお任せしている。

「ああ、そりゃあ今頃張り切って新しい部分を攻略しているんだろうさ。いいなあ、俺も行きたいぞ」

 俺が作ってやった透明な氷でロックにしたウイスキーをまるで水を飲むみたいにガバガバ飲みながら、ハスフェルがそう言って笑う。それを聞いてリナさん一家やランドルさんまでが行きたい行きたいと言い出しているのを見て、遠い目になった俺だったよ。

 いや、俺はもう水中探検は勘弁してほしいっす……。

 遠い目をして一人黄昏ていると、不意に足を叩かれて驚いて我に返った。

「お、おうびっくりした。どうした?」

 見ると、足元に転がっていたスライム達が集まっていて、揃ってこっちを見ていたのだ。

 どうやら今さっき俺の足を叩いたのは、アクアの触手だったみたいだ。

「ご主人、今日地下洞窟で集めた収納袋はどうしますか?」

 アクアの質問に驚いて座り直す。

「ええと、もしかしてまた出た?」

「昨日と同じくらいにたくさん出たよ。それで今回も他の子達は取らなかったから、とりあえずアクア達が全部集めて来ました〜〜!」

 ビヨンと伸び上がった得意げなアクアの言葉に、他のスライム達も一緒になって伸び上がっている。

 俺には分かるぞ。あれはドヤ顔だ。

「ええと……なあ、ちょっといいか。今日の分でもまた収納袋が出ているらしいんだよ。これも今朝と同じやり方で、山分けでいいよな?」

 アクアが一つだけ出してくれた収納袋を見せながらそう尋ねると、全員から驚きの悲鳴が上がる。

「もしかしてまた大量にか?」

 真顔のハスフェルにそう言われて、俺は苦笑いしつつ頷き、持っていた収納袋の中を見た。

「あ、これは30って書いてあるから三十倍の収納力か。へえ、昨日のと違って一気に普通になったな」

 思わずそう呟くと、俺の腕の上にシャムエル様が現れた。

「言ったでしょう。昨日のは特別大サービス。今日からは、倍率は収納の上限と時間遅延の上限が三百倍で、ごく稀に四百倍と五百倍が出る様にしたからね。基本的には百倍までが多く出るから、また頑張って集めてね」

 納得して、一瞬で鞄に入ってくれたアクア達をそっと撫でてやる。

「ええと、じゃあまた出しますから、整理を手伝ってください」

 さりげなく鞄を持ちながらそう言い、開いた場所にどんどんと収納袋を取り出していく。

 慌てた全員が立ち上がり、仕分けを手伝ってくれたよ。



 スライム達にも手伝ってもらい全部整理した結果、今回俺が自力で確保した分は全部で六個あったのでそれはそのままもらい、それ以外はまた今朝と同じ方法で山分けしていった。

 ランドルさんによると、値段的にも比較的手に入りやすい百倍未満、特に五十倍前後の収納袋が冒険者達には一番人気らしい。

 成る程、収納力と値段が比例するのなら、数百倍とか数千倍なんてとんでもない値段になるから当然買える人は限られるわけで、クーヘンが買った時みたいに数十倍くらいまでの収納袋の方が、中堅冒険者達には人気なんだろう。

 確か、マーサさんが持っていた収納袋も六十倍だって言っていたものな。よし、これは全部まとめて冒険者ギルドへ買い取りに出すか。

 またしても大量に手に入った収納袋を前に、乾いた笑いをこぼす俺だったよ。

挿絵(By みてみん)

コミックアース・スター様にて「もふもふとむくむくと異世界漂流生活」のコミカライズが連載開始となりました!

作画の担当は、エイタツ様がしてくださいました。

生き生きと動くマックスやニニ。そしてシャムエル様!

無料で読めますので、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

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