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ご馳走様と俺の収納の話!

「はあ、ご馳走様でした。いやあ、予想以上に美味しい弁当だったなあ」

「確かに! 昼食と夕食の支給は毎日あるって言っていましたから、明日以降もどんなのが来るか楽しみですよね」

「おお、そうなのか。そりゃあ楽しみだな」

 大満足で綺麗に弁当をデザートまで平らげてそう言ったハスフェルの言葉に、同じくかけらも残さず綺麗に平らげたアーケル君が満面の笑みでそう言って、拍手しながら笑っている。

 そしてそれを聞いた皆も、揃って楽しみだ楽しみだと言って乾杯してるし。

 ちなみに他の皆も、もうデザートまでほぼ完食状態。

 メインがまだ半分くらい残っている俺の弁当箱とは食いっぷりが違う。ってか、やっぱりこの世界の人達は食う量がおかしいと思う。

 リナさん達なんて、あの小柄な体のどこにあんなに入ったんだ? 冗談抜きで、シャムエル様と同じレベルの四次元胃袋なのか?

 今更ながらの皆の食いっぷりに、もう笑うしかない俺だったよ。



 商人ギルド支給の巨大弁当は、大食いのうちのメンツでも大満足したみたいでもう追加を出す必要は無く、食後はのんびりとお酒を楽しんでいる。

 お前ら、あれだけ食ってまだ飲めるんだ……。

 ちなみに俺の分のデザートは、チョコレートケーキをほんの一口だけいただいた程度で、あとは全部丸ごとシャムエル様にお渡ししたよ。

 嬉々として、弁当箱に頭から突っ込んでいったシャムエル様の尻尾をこっそりともふりつつ、見ているだけで胸焼けがしそうだったのは内緒だ。

 俺の分の弁当は、さすがに全部は食べきれずに残ったので、それは手持ちのお皿に盛り付け直して俺用のご飯として自分で収納しておいた。

 さすがに俺はもうお腹がいっぱいだったのでお酒は飲まず、ちょっとだけ温かい緑茶を飲んでのんびりとくつろいでいた。



「さてと、それじゃあ俺はそろそろ部屋に戻るよ。明日もまたよろしくな」

 立ち上がって大きく伸びをしながらそう言うと、まだ飲んでいたハスフェル達が驚いたみたいに揃って振り返る。

「ずいぶんと早いな。どうした? どこか具合でも悪いか?」

 ギイに心配そうに聞かれて、俺は苦笑いしながら顔の前で手を振る。

「いやいや、至って元気だよ。ただ一日中大勢の人の中にいてちょっと疲れたから、ゆっくり風呂に入って温まろうかと思ってさ」

 俺の風呂好きを知るハスフェル達が納得したみたいに頷く。

「ああ、確かに寒いこの時期の風呂は良いよな。じゃあ俺も後でゆっくり風呂に入ってから寝よう」

 リナさん達も笑って頷いていたので、皆、風呂の楽しさに目覚めてくれてるんだよな。

 一応、共同用に用意した広い風呂、別名大浴場はハスフェル達やランドルさんが使っているらしく、唯一の女性であるリナさんは、部屋に備え付けられた小さな浴室を使っているらしい。

 アーケル君達は、その日の気分で共同用の大浴場に三人一緒に入る事もあれば、各自の部屋の風呂に好きに入る事もあるんだって。

 俺はゆっくり入りたい派だから、部屋の風呂に一人で入ってるよ。

 まあなんであれ、風呂仲間が増えるのは嬉しい。この世界は水が豊富にあるんだから、もっとお風呂が普及してくれたら良いのになあ。

 そんな事を考えつつ、皆におやすみの挨拶をして部屋に戻った俺は、まずは装備一式を全部脱いでサクラに綺麗にしてもらう。

「ああそうだ。風呂に入る前に今日アーケル君達からもらった差し入れをサクラに預けておかないとな。サクラ、貰い物の料理を色々渡すから、ちょっとこっちに来てくれるか」

「はあい、今行きま〜〜す!」

 部屋のあちこちに勝手にバラけて転がっていたスライム達の中から、サクラがポーンと跳ね飛んで俺の前に着地する。

「じゃあ、順番に出すからな」

 そう言って、何となく鞄から取り出す感じでもらった大量の差し入れの料理の数々を取り出してはサクラに預けていった。

 改めて見ると、これまた大量にあったよ。

 冗談抜きで、よくこんなに入ったなあ。俺の収納……。

「へえ、思ったよりもケンの収納力はパワーアップしているねえ。うん、これはとても良い傾向だね!」

 現れたシャムエル様の言葉に、俺は驚いて顔を上げる。

「あはは、やっぱり増えていたんだ。じゃあもしかして、スライム達やハスフェル達みたいな無限収納も、いつかは可能だったりする?」

 期待に目を輝かせてそう尋ねると、シャムエル様は苦笑いしつつも頷いてくれた。

 何でもシャムエル様の説明によると、当初シャムエル様が思っていた以上に俺の収納量は急速に増えているみたいなので、もっと頑張ればまだまだ増えるらしい。

 しかもこの成長具合だと、恐らく最終的には無限収納になるだろうと言われたら、そりゃあ張り切るよな。

 ちなみに収納力の鍛え方は、とにかく色んなものを収納して慣らしていくしかないらしい。そうすれば、増える素質のある人の場合は、勝手にどんどん収納力が増えるんだって。

 まあ、普通は生まれつき持つ能力だから、子供の頃は少量で、使っているうちにどんどん成長して大人になる頃には成長限界になるんだって。

 成る程。まさかの収納力の成長具合の設定まで大雑把だった。

 だけどまあ、そう言う事ならこれからは俺も遠慮なく買ったものを自分でもガンガン収納していく事にしたよ。

 目指せ無限収納!

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