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ブラッシングとスキンシップタイムの終了!

「だあ! なんで全員揃って巨大化してるんだよ! ちょっと、ちょっと待てってば〜〜〜! ステイ! シュテヒ〜〜〜!」

 残念ながら言葉が通じる従魔達であっても、マックス以外にステイは効かない。

 巨大化した猫族軍団に飛びつかれて呆気なく押し倒された俺は、そのまま揉みくちゃにされてしまい、もう全く抵抗出来ない状態でもふもふの海へ沈んでいった……。

 ああ、よきもふもふだけど……マジで動けないって……ぐえ!

「おいおい、大丈夫か?」

 その時、笑ったハスフェルの声と同時に、俺はまるで子猫のように襟首を引っ掴まれてもふもふの海から引っ張って起こされた。

 ギブギブ! 首! 首絞まってる! 息が止まるって!

 襟を掴んでいる丸太みたいな腕を必死で叩いたアピールが効いたのか、すぐに離してくれたのでなんとか窒息せずに済んだよ。

「あはは、助けてくれてありがとうな。割と本気で息が止まるかと思ったよ」

 ってか、一番息が止まりそうになったのは襟首引っ掴まれて助け出された時なんだけどなあ。

「人気者は大変だな。まあ、死なない程度に頑張れ」

 からかうようにそう言われて、ハスフェルと顔を見合わせて同時に吹き出し、とにかくそれぞれの従魔達のブラシに戻った。



「だからお前ら、なんで揃いも揃って巨大化しているんだよ。とりあえず小さいいつもの姿に戻ってくれって。ブラシ出来ないだろうが!」

 笑った俺は、手近にいた雪豹のヤミーの大きな顔を捕まえてそう言いながらモミモミと揉んで引っ張ってやる。

「おお、頬毛の伸びる事!」

 頬の部分を両手で掴んで左右に引っ張ってやると、ミニョ〜〜ンって擬音が聞こえそうな勢いでゴムみたいに伸びたよ。

「ほら、ブラシしてやるから小さくなってください」

 もう一度思い切り引っ張って遊びながらそういってやると、声の無いにゃーをしたヤミーが一気に小さくなって猫サイズになった。

「よし、じゃあヤミーからだな」

 濡れタオルでまずは全体を拭いてやってから、硬い毛と柔らかい毛が二段になった目地用のブラシで全身をブラシしてやる。これは優しくブラシしてやればマッサージ効果もありそうだからな。

 ご機嫌でゴロゴロと喉を鳴らす音を聞きながら、今度は柔らかブラシに持ち替えてお腹周り中心にブラッシングだ。おお、これまた抜ける抜ける。

 そして、ブラッシングタイム中のお約束。他の子達が待ちきれなくて押し寄せて来て邪魔をしまくる。

 一応俺の注意が効いたみたいでいつもの猫サイズになってくれているんだけど、ヤミーのブラシをしている間じゅう、オーロラブラウンカラカルのマロンとオーロラグリーンタイガーのティグが、左右から俺の腕の中に頭を突っ込んできて全身で自分を構えアピール。笑って両方の肘でそれぞれの額をゴリゴリと擦ってやりつつヤミーのブラシをした。

「はい、ヤミーは終了!」

 最後にもう一度濡れタオルと乾いたタオルで全身を拭いてやれば終了だ。しかし、完全に脱力したヤミーは、床に座り込んだ俺の膝の上でとろけていて起きる気配無し。

「終わったら、交代でしょ!」

 嬉々としてそう言ったティグとマロンが、二匹がかりでヤミーを俺の膝から蹴り落とす。

 全くの無抵抗でコロンって感じに転がったヤミーに、ソレイユとフォールが飛びかかって一緒になって遊び出す。

「はいはい、順番な」

 床に座り込んでいる俺の膝の上では争奪戦が始まっていて、マロンとティグが胡座をかいている俺の膝の上で、器用に仲良く蹴り合っている。まあ本気じゃあ無いのは見て分かるからこれは完全に遊んでいるレベルだよ。爪も出ていないしね。

 仕方がないので、濡れタオルで二匹まとめて覆ってガシガシとこすってやると、マロンがするりと抜け出して俺の隣に丸くなって座った。どうやら順番待ちらしい。

「じゃあ、ちょっと待っててくれよな」

 笑ってマロンを撫でてやって、特徴的な耳をちょっとだけ軽く引っ張ってやる。

「はあい、待ってま〜〜〜す!」

 目を細めて嬉しそうにそう言われて、もう一度撫でてやってからティグを改めて拭いてやった。

 ううん、やっぱりティグだけ骨の太さが違うよ。これを猫だというのは、毎回思うけどかなり無理があるよなあ。

 小さくなっても大きな顔もガシガシと擦ってやり、ちょっと力を入れて目地用の二段になったブラシで擦ってやった。

「おお、これまた抜けるぞ」

 ご機嫌で喉を鳴らすティグを撫でてやりつつ、せっせと抜け毛を収穫する俺だったよ。

 うん、だんだん楽しくなってきたぞ。



 猫サイズの子達の毛の密度で言えば、一番多いのは間違いなくヤミーで、さすがは雪豹って感じで毛の密度が半端ない。次がティグ、タロン、マロン、ソレイユ、フォールの順だな。

 マロンやソレイユは、タロンと同じでスリムっぽい短毛種の猫って感じだ。レッドクロージャガーのフォールは一見薄毛なんだけど、これは毛が短くてぴっちりと体に沿っているからで決して薄毛なわけではない。

 それぞれの子達の毛の違いも楽しみつつ、邪魔されるのも愛情と割り切ってブラシをかけながらも器用に肘や膝で他の子達の相手をしつつ、俺は順番にせっせとブラシをしていった。

 猫族軍団が終われば、良い子で待っていたウサギコンビとお空部隊の子達の番だ。

 うん、ラパンとコニーのうさぎコンビの毛もガッツリ抜けたよ。ああ、これも良いよなあ……この柔らかなもふもふ……思わず中型犬サイズになったラパンの背中に顔を埋める。

「ああ、これも良きもふもふだよ」

「ご主人、早くしてください!」

 もふもふを満喫していると、モモイロインコのローザの声が聞こえてうつ伏せになっている俺の後頭部に軽い衝撃があり、案外大きくて長い爪がゆっくりとめり込む。

「待った待った! 爪も駄目だって!」

 お空部隊の面々。まあ猛禽類のファルコは別格としてそれ以外の子達も実は、恐竜達ほどではないが爪が相当に鋭い。モーニングコールの時の噛みつき攻撃の印象が強いけど、あの大きな足の爪も決して飾りじゃあないんだよな。もちろん、嘴のほうが痛さで言えばダントツに痛いんだけどさ。



 お空部隊の子達は、ブラシではなく濡らして拭いてやる程度だ。まあ普段から水浴びしているから汚れなんてほとんど無いから、これはスキンシップがメイン目的だ。

 時々おにぎりにしてやりつつ、ファルコまでしっかりと拭いてやった。

 モモンガのアヴィは濡れタオルで拭いてから柔らかいブラシで撫でてやる程度。小さいサイズでおにぎりにして遊んだよ。ハリネズミのエリーも、濡れタオルで拭いてやる程度。

「最後の鱗チームも、拭いてやるくらいだな」

 セルパンは普通サイズの蛇くらいになってもらい、濡れタオルで拭いてから窓拭き用のクロスで全身を拭いてやる。

 オーロライグアナのプリクルとウィップは、これも全身を濡れタオルで拭いてから同じクロスで乾拭きしてやる。

 普段控えめで大人しいこの子達も、この時とばかりに甘えてくるのでそれぞれ思い切りスキンシップを楽しんだよ。

 もう蛇サイズのセルパンだって可愛いと思えるようになったよ。うん、ツルツルの鱗の子達も良いなあ。

 イグアナ達の尖った背中の棘を撫でつつ、最後は普段と違う手触りを楽しんだ俺だったよ。

 よし、これでもふもふ度合いにいつも以上に磨きがかかったから、今夜が楽しみだなあ。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] あ、あれ? セーブルは??
[気になる点] ケンさん!終わったらダメですよ! セーブル(熊)とフラッフィー(狐)が待ってますよ!
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