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のんびり昼寝とギルドからの依頼

「はあ、お腹も一杯になったし、あとはもうゴロゴロするだけだな」

 大満足の朝昼兼用を平らげた俺達は、もうそのあとはリビングや自分の部屋でのんびりとダラダラゴロゴロして過ごした。

 俺は自分の部屋に戻ってこたつに潜り込んで、ニニとカッツェに挟まれながらのんびりと午後の昼寝を楽しんでいた。



『おおい、すまんが来客だよ。起きてくれ〜〜』

 ニニの腹毛に埋もれてうとうとしながら幸せを噛み締めていると、不意にハスフェルからの念話が頭の中に聞こえて驚いて起き上がった。

『おう、今行くよ。だけど来客って、この雪の中を?』

 声に出しかけて、慌てて念話で返事をする。

『商人ギルドのギルドマスターのヴァイトンだよ。どうやらスライムトランポリンの準備がもう出来たらしいので、試しに一度やってみるから街まで来てもらえないかって事らしい』

「ええ、もう準備出来たのか。めっちゃ早いじゃんか!」

 慌てて身支度を整えてから大急ぎで部屋を出てリビングへ向かう。

『そっちじゃなくて、玄関だよ』

 笑ったハスフェルの念話の声に、苦笑いした俺は回れ右をして大急ぎで玄関まで走って行った。



「ああ、お休みのところを申し訳ない」

 どうやら寝ていたのはバレバレだったようで、急いで行ったら何故か謝られた。

「ダラダラしていただけですからお気になさらず。それより、もう準備が出来たんですか?」

 雪の中を馬で来たらしい、着膨れてもっこもこになっているヴァイトンさんにそう言うと、鼻の先を赤くしたヴァイトンさんはすごく良い笑顔で頷いた。

「うちの連中がそりゃあ張り切ってくれてな。言っていたように会場は山側の倉庫街にある空き倉庫。一応四棟丸ごと空いているところをメイン会場として開放するので、そこを自由に使って欲しい。聞けば他の魔獣使いの方々のスライム達でもトランポリンが出来るそうだな。用意する数はお任せするので、どれくらい出来るのかも見てほしいんだよ」

 満面の笑みのその言葉に納得して頷く。

「了解です。それじゃあもうこのまま行きますか? それなら他の皆も……ああ、呼んで来てくれたんだな」

 振り返ると、ギイがリナさん一家とランドルさんを引き連れて来てくれていた。従魔達もほとんどいるから、寒がりの子達以外は全員集合みたいだ。

「じゃあ、俺の従魔達も連れて来ますね。ちょっと待っててください」

 そう言って、大急ぎで部屋へ戻る。

 今回もニニは寒がりチームとお空部隊と一緒にお留守番だ。本人は大丈夫と言っているけど、妊婦さんは冷やしたり激しい運動は絶対駄目だよな!



 って事で、それ以外の子達を全員引き連れて大急ぎ玄関へ戻り、ガッツリ着込んだ俺達はそのまま街まで、またマックス達にラッセルしてもらって走って行ったよ。

 予定外のお出かけにマックスや狼達、それからセーブルとヤミーはすっかりご機嫌で雪を蹴散らしていたよ。まあ、猫族軍団も、なんだかんだ言って大はしゃぎで走り回っていたけどな。

 アッカー城壁を超えたところで一旦止まってスライム達に雪を取ってもらう。びしょ濡れになってる従魔達も綺麗にしてもらわないとな。

 その後はひとまず商人ギルドの建物へ向かった。

 今回は、ここから倉庫街までお試しの用の送迎馬車が出発していて、お試し参加の人達を運んでくれるらしい。なので俺達も一応これに乗って倉庫街まで行くんだってさ。

 どう考えても会場へ直行した方が早かったと思うんだけど、そこはお試しの段取りがあるらしいので大人しく従っておく。



「これが馬車に乗る時に買ってもらう予定の、スライムトランポリンチケットだよ」

 見せてくれたのは、真ん中上部をメモ用紙みたいに糊付けされたやや分厚めの紙製のチケットの束だ。一枚ずつに銀色のメタリックなハンコが押してあるから、多分これが偽造防止用の何かなんだろう。

 一枚目と一番最後が往復の乗車券になっている。それで中には三回分のチケットが入っている。

「結局、スライムトランポリンの大きさは、どれを使っても料金は同じにしたよ」

「ああ、そうなんですね。じゃあ使う時にこれをちぎって回収するわけですね」

「そうだ。一応向こうにも追加のチケットを購入出来る場所を用意してあるから、三回以上乗りたい人はそっちで追加で買ってもらう作戦だよ」

 笑ったヴァイトンさんの言葉に、俺は嬉々として何度も並んでいた冒険者ギルドの面々を思い出していた。

「恐らくですけど、三回は少ない気がしますねえ。向こうのチケット売り場は、相当な人出になると思いますよ」

 苦笑いする俺の言葉に、若干焦っていたヴァイトンさんだったよ。



「お待たせ〜〜! それじゃあ乗ってくれていいぞ」

 やって来た馬車はかなり大きめの平たい箱形で、見てみるとベンチみたいな横長の椅子がぎっしりと並んでいた。

 馬車の壁面がそのまま大きく開く仕様になっているので、ベンチの横からすぐに乗れるようになっている。詰めれば一列でもかなりの人数が乗れそうだから、これなら一度で相当の人数を運べそうだね。

 これが何と、全部で十六台も用意されているらしい。

 商人ギルド前と冒険者ギルド前から各八台ずつ、常に会場とピストン運転して人を運ぶ予定なんだって。

 やる気満々のギルドの準備具合を見て、もう笑うしかない俺達だったよ。

 でもまあ、スライム達はめっちゃ張り切っているみたいだから、今日のお試しに参加する方々にはガッツリ楽しんでもらいましょうかね!

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