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従魔用のブラシ色々ゲットしました!

「まずは、ご希望の柄の付いたブラシですが、面が大きいのならこの辺りが良いのではないかと。いかがですか?」

 取り出されたのは見るからにデッキブラシっぽい一品で、だけどブラシの面は、俺が知ってるデッキブラシの三倍くらいは余裕でありそうな大きさだ。

 ブラシ部分は今は薄い布が巻いてあったので、そのままマックスの背中を掻く振りをしてみる。

 これはかなり良い感じだ。

 許可を貰ってヘッド部分を包んでいる布を外して触ってみたが、固すぎず柔らかすぎず良い。

 だってあんまり固すぎても怪我をする可能性があるから駄目だし、逆に柔らかすぎてもブラシにならないだろうからこれも駄目。

 まあ、普通にブラシするよりはそっと撫でる感じになるだろうけど、しっかりとブラシの毛があるので、案外抜け毛は取れそうだ。これは買いだろう。

「いいですね、これって大きさは一種類だけですか?」

 見せてもらったもう少し小さめのデッキブラシと併せて購入。ちなみにこれは、俺だけじゃあなくて全員が買っていたよ。

「それから、これはタイル掃除用のブラシらしいんですが、これも使えそうだと思いませんか?」

 君はここの店員かい? とツッコミを入れたくなるくらいに、アーケル君が嬉々として次のブラシを箱から勝手に取り出して見せてくれる。

 なるほど、タイルの目地をブラシするのだろう。見れば高さの違う二種類のブラシの毛が、手の平よりもやや大きめくらいの板にびっしりと埋め込まれている。しかも、背の高い毛はやや硬めで、短いのは柔らかめだ。

「これはいけるんじゃね? マッサージ効果もありそうだ」

 って事でこれも俺だけじゃなくて全員がお買い上げ。

 それ以外にも、鱗チームを拭いてあげる用の大きめの柔らかなクロスや、絨毯掃除用なのだという柔らかな毛の大きめのブラシも購入した。



「探せば案外あるもんだなあ」

 店を出た俺の呟きに、草原エルフ三兄弟が揃ってドヤ顔になっていたよ。

 そのあともう一軒、家畜用の道具を売っている店へ行って、牛や馬用に使われている大きめの柔らかいブラシを見つけて購入した。

 もうかなり色々買えたから、これだけあれば大丈夫だろう。多分。って事でお城へ戻ったら、これで一度ブラッシングしてみよう。もしも足りないところがあれば、また探せばいいもんな。

 そんな感じで、ひとまずブラシ探しはここで終了となった。



「以前なら、爪切りなんかもあったんだけど、こっちでは必要無いものな」

 お店の人達が買ったブラシを袋に入れてくれている間に、俺は側に来たニニの手、じゃなくて前脚をつかまえてその場に座ってそっと持ち上げてみた。

 嫌がりもせずに自由にさせてくれたので、脇に抱えるみたいにしてニニの前脚を持って膝の上に乗せる。お、膝に肉球だ。

 両手で爪先を軽く押してみたら、俺の指よりも大きな隠れていた鉤爪がにょっきりと姿を表す。

 いつも思うんだけど、猫の爪ってなんというか出てくる時のギミックがすごくメカっぽい。それから出る時に、シャキーンとかって効果音が聞こえてきそうな気がするんだよな。

 押し出した爪の先は削りたての鉛筆みたいに尖っている。ううん、これは殺傷能力めっちゃ高そうだ。

 本気でこれで引っかかれたら、俺なんてそれだけでもう俺の異世界人生確実に終わるよ。

「すごい爪だな」

 飛び出した爪をそっと触ってみてから苦笑いしながらそう呟くと、喉を鳴らしたニニが俺に頭突きをしてきた。

「だってこれは私の大事な武器なんだもの。毎日お手入れしているんだからね」

「あはは、廊下に転がしてある爪研ぎ用の丸太が、日々ガンガン削れていってるもんな」

「そうなのよね。あれは楽しいから、ついやりすぎちゃうのよね」

 得意げなその言葉に、俺も笑うしかなかった。

 冬場はあんまり外へ狩りに行けないから、少し前に商人ギルドにお願いして、暖炉用の大量の薪を納品してもらうついでに、大小の丸太を何本か一緒に納品してもらったんだよ。

 それぞれの部屋だけでなく、広い廊下やリビングの隅に置いてある。

 もう、それに気付いた猫族軍団、全員揃って狂喜乱舞。

 小さめのはタロンを始めとした小さな子達が、大きいのはニニやカッツェが嬉々として爪を研ぎまくっている。

 当然散らかる大量のおがくずや削り屑は、スライム達が定期的に巡回して掃除してくれるから、汚れる心配も無し。



「おお、お噂は聞いていましたが……その体勢で爪を触っても嫌がられないとは、素晴らしいですね」

 大量の袋を持ったスタッフさん達が、俺がニニの前脚を揉んで遊んでいるのを見て、揃って感動したようにそう言って拍手をしている。

「あはは、まあ家畜と違って従魔は言葉が通じますからね。我慢しろとか駄目って言えば、よほどの理由が無い限り我慢してくれますよ」

「ええ、そうなんですか! それは羨ましい!」

 どうやらテイマーや魔獣使いには当たり前の知識も、他の人には衝撃だったみたいで、割とマジで全員から羨ましがられた。

 まあ確かに、今言葉が通じれば! って思う場面は多々ありそうだもんなあ。

 その後、スタッフさん達から質問攻めにあい、魔獣使い総出のクイズ番組みたいに、この時は自分の従魔はこうだぞ。みたいな話で大いに盛り上がったのだった。

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