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ブラシ探しの開始!

「さてと、それじゃあ出かけるとするか」

 食事を終えて立ち上がった俺達は、それぞれの従魔達と一緒にそのまま外へ出て行った。

「よし、それじゃあマックス、今日もよろしくな」

「はい、よろしくです。ご主人」

 嬉しそうに甘えるみたいに鼻で鳴いたマックスは、鼻先を撫でていた俺の手をベロンと舐めてからそっと頭突きをしてきた。

 笑ってもう一度大きな頭を抱きしめてから、鞍を乗せた背中に飛び乗った。

 全員が騎乗したのを確認してから、まずはそのまま街へ向かった。

 そろそろ、街の人出も落ち着いてきているみたいなので、今日はギルドヘは行かず、アーケル君達の案内でそのまま従魔達を引きつれて、まずは一軒目の店へ行ってみる事にした。




「こっちですよ。大きな店なので裏に厩舎があるんです。多分、ここなら大丈夫じゃないかと……ああ良かった、ほら、ここから入ってください」

 君はここの店員さんか? と突っ込みたくなるくらいに慣れた様子で、従魔達を厩舎に入れてくれたアーケル君は、少し考えて俺を振り返った。

「ええと、ちょっと店の人を呼んできますので、ここで待っていてくださいね」

 アーケル君とオリゴー君がそう言って早足で店の方へ行き、しばらくしてから店員さんと思しき人達を引き連れて戻って来た。

「どうですか? こんな感じで大きな従魔が複数いるので、先ほど話したみたいな大きなブラシが欲しいんですよね」

 厩舎にぎっしりと並んでこっちを見ている従魔達を見た店員さん達は、そりゃあもう驚いたなんてもんじゃあなかった。

 全員揃って目玉がこぼれ落ちるんじゃあないかと心配になるくらいに目を見開き、後ろの方にいた小柄な女性はマックスを見上げたきり完全に固まってしまっている。

「い、いやあ……さすがに、ここまで大きな動物用のブラシは……申し訳ありませんが、うちでは取り扱いが無いですねえ」

 申し訳なさそうな大柄な男性の言葉に、アーケル君とオリゴー君が揃って天を仰ぎ、少し店員さん達と言葉をかわしてからこっちへ戻って来た。

「残念ですが、ここには取り扱いは無かったですね。ですが、人間用では希望するような大きなサイズの物はそもそも製品自体が無くて、逆に動物用ならばあるのではないかと教えてもらいました。それから一つ提案も貰いました。床磨き用の柄の付いた硬めのブラシの大きいのなら、従魔のブラシ用に転用出来るんじゃあないかってね」

 なるほど。確かに床磨き用のデッキブラシみたいなのがあれば、大きな子達でもかなり楽にブラシしてやれるかもしれない。

 特に大きな子達の背中側をブラシするのに。小柄なリナさん達やアーケル君達なら、柄が付いているのはかなり有効そうだ。



 次にアーケル君達が連れてきてくれたのは、道具屋筋から別の通りへ入ったところにあった、見るからに馬具屋さん。店先には、普通サイズの馬の鞍がいくつも並べられていたよ。

 聞けば、馬用のブラシなら大きさは人間サイズと変わらないけど取り扱いがあるというので、それを見せてもらった。

「ああ、これってマックスやニニはちょっと無理っぽいけど、ジャガー達やサーバル、それにカラカルみたいな毛の短い子達なら有効かも」

 許可をもらって、小さいままのソレイユとフォールをそっとブラッシングしてみたけど、なかなか良い感じだ。

 って事で、ここでは俺とハスフェルとギイ、ランドルさんが馬用ブラシをそれぞれ購入した。



 それから次に向かったのは、なんと掃除道具の専門店。ここなら、確かにデッキブラシの種類も豊富そうだ。

 この店も大きな厩舎があったので、従魔達にはひとまず全員そこへ入ってもらい、またアーケル君とオリゴー君がスタッフさんを呼びに店へ向かった。

 しばらく待っていると、大きな台車に何やら色々と載せて運んで来たみたいだ。従魔達を店の中へ入れるのはさすがに禁止だろうから、どうやらここで商品を見せてくれるみたいだ。



「ケンさん! ほら見てください。ここはなかなか良さそうなのが色々とあるみたいですよ!」

 目を輝かせて得意げにそう言って手を振るアーケル君の言葉に、俺達も思わず笑顔で頷き、ハスフェル達と先を争うみたいに駆け寄って台車に山のように乗せられた幾つもの道具を覗き込んだのだった。

 さて、どんな道具があるんだろうね?

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