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もふもふとむくむくと異世界漂流生活  作者: しまねこ


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夕食は唐揚げ〜〜〜!

『おおい、何処にいるんだ?』

 大量の唐揚げを作り終えて一休みしていると、ハスフェルからの念話が届いた。

 どうやら俺がリビングにいなかったので、心配してくれたみたいだ。

『おう、おかえり。一階奥の厨房にいるよ。厨房の調理器具は業務用だから火力も強いし作業台も広いから大量生産するときはこっちの方が便利なんだよ。それよりデコレーションケーキはあったのか?』

 どうやら念話はシャムエル様にも聞こえているみたいで、ちょうど唐揚げを食べ終えて身繕いの真っ最中だったのに、顔を上げてキラッキラの目になってる。

『おう、任せろ。パティシエが張り切って飾りを追加してくれたからかなり豪華になったからな。きっとシャムエルも喜ぶと思うぞ』

 笑ったその言葉に、またとんぼ返りを切って踊り始めるシャムエル様。

『あれ? ちょっと待ってくれよ。でもリナさん達やランドルさんがいたら、シャムエル様へのケーキって言うわけにはいかなくないか?』

『私はケーキを頂けるなら名目は何でもいいよ。さっきケンが言ってたみたいに、故郷の風習に倣って今夜は前夜祭って事で皆でケーキを食べるのでも良くない?』

 踊るのをやめたシャムエル様が目を輝かせてそう提案してくれる。

『ああ、それは良いな。じゃあそれでいこう』

 笑ったハスフェルの声にギイとオンハルトの爺さんも笑って同意する声が聞こえる。

『ちなみに夕食は唐揚げ祭りにしようと思うからさ。色んな味を沢山出すから好きに食ってくれ。以前大好評だった、一枚唐揚げも沢山作ったからな』

 それを聞いて、何やら大喜びしている三人だったよ。

「それなら、明日はあの岩豚もロースとヒレ肉でトンカツにしてみるか。絶対美味いよな。ああでも、揚げ物続きはまずいかな?」

『何の問題も無いぞ!』

 なんとなく思いついてそう呟いただけなのに、ハスフェル達三人とシャムエル様からものすごい勢いの返事が返ってきた。

「お、おう。すげえ食いつきだな。じゃあ明日のメニューはトンカツで決定だな」

「はあい、期待してま〜〜す!」

 明日が誕生日のシャムエル様の大はしゃぎに、またしてもカリディアがすっ飛んで来て一緒になってステップを踏み始める。

「おお、これまた見事なダンスだな。しかし今日はめっちゃ踊ってるじゃんか」

 笑って振り回される尻尾の先を指で突っつきながらそう言うと、クリッと一回転してこっちを向いたシャムエル様が目をキラッキラに輝かせながら両手を胸元で握った。

「だって、ケーキが沢山あるんだもん。ハスフェル達が買ってきてくれたデコレーションケーキにケンが作ってくれるあの超豪華版盛り合わせだよ。もう何があっても絶対美味しくいただく為に、しっかりお腹を空かせておかないとね!」

 またしてもとんぼ返りを決めたシャムエル様は、またカリディアと手を取り合って仲良く踊り始めた。

 師匠のレシピ帳を取り出してパラパラと流し見しながら、シャムエル様とカリディアの見事なダンスを俺はのんびり眺めていたのだった。

 その後、シャムエル様の歓喜のダンスが一段落したところで俺もリビングに戻った。

 そのままなんとなくダラダラしていると、ランドルさんとリナさん達も帰ってきたみたいだ。

 帰って来る度に鳴り響く賑やかな鐘の音に、俺達は子供みたいに笑ってその度に出迎えに出て行ったのだった。




「それじゃあ夕食にするか。今夜のメインメニューはこれです! 唐揚げ祭りだ〜〜〜!」

 全員揃ったところで俺がそう言い、巨大な一枚唐揚げを乗せたお皿を取り出して見せる。

「うわあ、何ですかそれ! めちゃめちゃ美味そう!」

「ふおお〜〜〜! これは素晴らしい!」

「うええ、待って待って! それ一人一枚貰えるんですか。何それ最高じゃん!」

 草原エルフ三兄弟の歓喜の叫びに、その場は大爆笑になる。

「アーケル、それは違うぞ」

 真顔のハスフェルの言葉に、驚いた三人が振り返る。

「これは美味しそうじゃなくて、めちゃめちゃ美味いんだ。俺達は一回食ってるから知ってる。最高だぞ」

 重々しい声で断言されて、またしても全員揃って大爆笑になったのだった、



 って事で、それぞれのお皿にどど〜んと巨大な唐揚げを乗せてその隣にキャベツをたっぷりと盛り付ける。ドレッシングは色々師匠の作り置きがあるからそれを並べておく。ここにタルタルソースも一緒に並べておく。

 それから一番大きなお皿に、買い置きの大量の唐揚げ各種とさっき作った唐揚げも並べていく。

 それからパン各種とおにぎり色々も並べておく。簡易オーブンも出しておいたから、いつものようにパンを焼きたかったら自分でパンを焼いてもらう作戦だよ。

「ああ、ランドルさん。以前出してくれたあの赤い調味料たっぷりの辛い唐揚げってまだありますか?」

「もちろん! じゃあここに出しますね」

 満面の笑みでサムズアップしたランドルさんが、収納袋からお皿に盛り合わせた例の赤い唐揚げを大量に取り出してくれた。

 それ以外にも、付け合わせのおからサラダやきゅうりの酢の物をはじめ、箸休め的なメニューも色々並べておく。これは主に俺が食べたいからだよ。



 そして改めて机に並んだ大量の唐揚げの山を見て、ちょっと遠い目になったよ。

 高校生くらいの時ならきっと大喜びで食いまくっただろうけど、今そんな事をしたら翌日は確実に胃もたれに苦しみそうだ。

 苦笑いした俺は、まずは自分の分の巨大唐揚げをいつもの簡易祭壇に並べて手を合わせたのだった。

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