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おはようございます

 その後、なんとなくのんびりと皆でどうでも良い事で笑いあってはダラダラと飲み続け、解散したのはかなり遅い時間になってからだった。

 まあ、まだそれぞれの部屋に帰る元気があったのだから、まだマシな方だろう。

「じゃあ、俺も休ませてもらうか。今日は本当に、お前らの有り難みを思い知ったよ。助けてくれてありがとうな。俺はこんなだから、これからもよろしく頼むよ、頼りにしてるからさ」

 苦笑いしながらそう言い、すでにベッドに転がって寝る気満々のニニとマックスを順番に撫でてやり、他の子達も気が済むまで撫でたり揉んだりもふもふしたりして過ごした。

 それからいつものようにサクラに綺麗にしてもらい、身軽になって二匹の間に潜り込んだ。

 当然のようにタロンとフランマが二匹並んで俺の胸元に並んで潜り込んで収まる。どうやら今日は共同戦線を張ったらしい。

 足元にはカッツェがくっついてきて転がり、巨大化したラパンとコニーが俺の背中にピッタリとくっつく。

 ううん、なんというか従魔達のもふ度が増したような気がする。

「ううん、すっげえ幸せ空間……」

 さらには猫族軍団達が小さいままで俺の顔の横や腕の上、それからお腹の上に乗っかって収まる、

「ご主人毛布掛けるよ〜〜!」

 スライム達の元気な声の後に、いつもの毛布がふんわりと広がって俺の上に被さってきた。

「ああ、幸せパラダイス空間……最高……」

 大きな欠伸を一つしたところで、俺は気持ちよく眠りの国へ旅立って行ったのだった。

 ううん、相変わらず、もふもふの癒し効果すげえ。



 ぺしぺしぺし……。

 ぺしぺしぺし……。

 ふみふみふみ……。

 ふみふみふみ……。

 ふみふみふみ……。

 カリカリカリ……。

 カリカリカリ……。

 つんつんつん……。

 チクチクチク……。

 こしょこしょこしょ……。

 ふんふんふんふん!

 ふんふんふんふん!

 ふんふんふんふん!

「うん、起きるよ……」



 いつものモーニングコールに起こされた俺は、半ば無意識で返事をしながら大きな欠伸をしてもふもふの腹毛に潜り込んだ。

「ううん、あったかい……もう俺、一生ここにいたい……」

 ベリーとシャムエル様の笑う気配がして、文句を言おうとしたけど果たせなかった俺は、やっぱり二度寝の海へ気持ち良く墜落して行ったのだった。



 ぺしぺしぺしぺし……。

 ぺしぺしぺしぺし……。

 ふみふみふみふみ……。

 ふみふみふみふみ……。

 ふみふみふみふみ……。

 カリカリカリカリ……。

 カリカリカリカリ……。

 つんつんつんつん……。

 チクチクチクチク……。

 こしょこしょこしょこしょ……。

 ふんふんふんふん!

 ふんふんふんふん!

 ふんふんふんふん!

「はあい、起きてます。起きてます……よ……」

 半寝ぼけの頭で起きてるアピールをする俺。

 もう一度もふもふの腹毛に潜り込もうとしたまさにその時、横向きに寝ている俺の右頬と右耳の後ろあたりを思いっきり舐められた。



 ザリザリザリ!

 ジョリジョリジョリ!

 ザリ〜〜〜〜〜〜〜ン!

「ほげ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」



 特に最後は巨大化した誰かが舐めたらしく、俺は咄嗟に情けない悲鳴を上げて転がった。

「うおっと〜〜〜〜!」

 マックスはもう起きていたらしく、俺はそのまま勢いよくベッドから吹っ飛ぶみたいにして転がり落ちてしまう。

「ご主人を〜〜〜」

「お助けしま〜〜〜〜す!」

 いっそのんびりしたスライム達の声の後、俺は顔面からスライムベッドに突っ込んで止まった。

「おう、ありがとうな、おかげで顔面着地せずにすんだよ」

 そのままでいたら窒息しそうだったので、慌てて手をついて起き上がってスライムベッドを撫でる。

 ポヨンポヨンって感じにスライムベッドが跳ねて、なんだか嬉しそうだ。

「うわあ、寒い!」

 気づけば裏庭に続く扉が開いていて、真っ白な雪景色の中に揺らぎを見つけて笑顔になる。

「おはようベリー、フランマ。カリディアも。寒くないのか?」

「私達は、術を使って自分の体くらいは寒さから守れますからね。それに、雪景色は綺麗だから好きなんです」

 開けたままの扉から部屋に戻ってきたベリー達がそう言って姿を現す。

 フランマも、絶対にもふ度が増してる気がするから、後でもふらせてもらおう。

「残念ながら俺にはそんな高等技術は無いから、出来れば扉は閉めてもらいたいなあ。先に顔を洗ってくるよ」

 笑ってそう言い、急いで水場へ向かう。

「では、部屋を温めておきますね」

 部屋に備え付けの暖房器具のスイッチを入れてくれたベリーの言葉に、俺は振り返ってお礼を言ったのだった。

「そっか、わざわざ寝るときに消してから寝たけど、あれって別にストーブみたいに火を焚いてるわけじゃあ無さそうだし、つけたまま寝ても良いのかな? 後で誰かに聞いてみよう」

 小さくそう呟き、冷たい水で一気に顔を洗ったのだった。

「うひゃあ! 冷たい!」

 わかってても悲鳴を上げた俺だったよ。

 水浴び大好きチームに告ぐ。俺はもうこの冬は戦線離脱するから、自分達で好きにしてくれよな。

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