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朝のスキンシップタイムと弁当作り

 ぺしぺしぺし……。

 ぺしぺしぺし……。

 ふみふみふみ……。

 ふみふみふみ……。

 ふみふみふみ……。

 カリカリカリ……。

 カリカリカリ……。

 つんつんつん……。

 チクチクチク……。

 ショリショリショリ……。

 ふんふんふんふん!

 ふんふんふんふん!

 ふんふんふんふん!

「おう、起きる、今日は起きるぞ……ふあああ〜〜」



 いつものマックスとニニとラパンとコニー、それからカッツェのもふもふに埋もれていた俺は、なんとかそう言って大きな欠伸をした。

 腕の中で抱き枕役をしてくれていたタロンが、俺の欠伸に合わせて一緒に大きな欠伸をする。

「あくび移った〜〜」

 笑って、小さな顔をおにぎりにしてやる。

 ニニとタロンのごろごろと鳴らす二重奏を聞きながら、二度寝の海に落ちかけた俺は慌てて起き上がった。

「ああ大変だ、二人分の弁当を作ってやらないといけないんだった!」

「ええ〜〜〜ご主人が起きちゃった〜〜〜!」

「私達の仕事を取らないでくださ〜い!」

「そうだそうだ〜〜〜! 起きちゃ駄目です〜〜〜!」

 軽い羽ばたきの音と共に、お空部隊の子達が俺の肩や頭に舞い降りてきてそんな事を言ってる。

「起こされて起きたのに、文句を言われる筋合いはないぞ〜〜!」

 笑ってそう言い、まずはモモイロインコのローザを確保しておにぎりにしてやる。

「おお、この羽の柔らかさってのは毛の柔らかさとはまた全然違うよなあ。これも良き良き」

 にぎにぎとおにぎりにしてから、頭の羽を撫でては逆向きに逆立てるみたいにして撫でるのを繰り返した。

「ご主人、ここもお願いします」

 ブワって感じに羽を膨らませたローザが、自分の目の下の辺りを足で軽く掻いてみせる。

「なんだよ。こんなところが良いのか?」

 指を立てるみたいにして掻いてやると、羽の隙間から大きな穴が見えて驚いた。

「うええ、なんだよこの穴……ああそうそう、確か鳥ってここに耳があったんだよな。じゃあ、ここが良いわけか」

 納得して、その辺りを中心に攻めてやると、ローザは畳んだままの翼を広げるみたいにしながら口を開けて悶えている。

「何、そんなここが気持ち良いのか。じゃあ徹底的に攻めてやろうじゃあないか」

 いったいどこの悪役だよって言いたくなるような台詞を吐いて、両手でローザの両頬をもみくちゃにしてやり、それから指を立てて耳周りを掻いてやる。

「ああ〜〜ご主人が私を〜〜〜!」

 こちらも一体何事だよって台詞を吐いて、悶えながらも俺の手に頭を擦り付けてくるローザ。

「ご主人、ローザばっかりずるいです〜〜〜!」

「私も私も〜〜!」

 羽ばたきの音と共に、セキセイインコのメイプルと真っ白なオウムのブランが俺の手の中に突撃してくる。

「わかったわかった。撫でてやるから順番にな」

 猫が顎の下を喜ぶように、犬が耳の後ろのあたりを喜ぶように、鳥にも撫でポイントが存在してたみたいだ。

「そっか、お前らはここが良いのか」

 笑ってそう言いながら、よしよしと交互に目の下の耳のあたりを中心に指を立てて掻いてやる。

「うあああ、気持ち良いです〜〜〜〜!」

「ご主人ったらテクニシャンなんだから〜〜〜〜!」

 二匹が悶えながらそんな事を言って笑っている。

「おいおい、どこで覚えたんだよそんな台詞」

 笑ってそう言って思い出した。

「そうだそうだ、その台詞はシャムエル様が言ってた台詞だよな」

 思わず吹き出し、ニニの頭の上で笑い転げているシャムエル様も捕まえておにぎりにしてやったよ。



「ほら、遠慮せずにおいでって」

 ローザ達が満足して身繕いを始めたのを見て、後ろで遠慮していたプティラとファルコも思いっきり撫で回してから耳の辺りを掻いてやった。

 どうやら相当嬉しかったらしく、いつもはクールなファルコがデレデレになって羽を膨らませて、こっそり俺の指を甘噛みしてたよ。

 そのあとは、一応終わるのを待っていたらしい猫族軍団に揃って押し倒され、結局順番にこれまた全員をおにぎりの刑にしてやったよ。

「だから起きないと駄目なんだってば」

 苦笑いしながらなんとか起き上がって、とにかく顔を洗いに行く。

 そして当然のように跳ね飛んで来るスライム達を、これまたおにぎりにしながら順番に水槽に放り込んでやる。

 ううん、なかなか思ったように時間が取れないけど、まあ、これも大事な従魔達とのスキンシップタイムだもんな。



「さてと、じゃあ作り置きでいいからサクッと二人前のお弁当を作るとするか」

 従魔達とのスキンシップタイムを終え、身支度を整えた俺はサクラを前にそう呟いて考える。

 何しろハスフェル達が鉱夫飯を持って行くんだから、二人だけあまり少ないと申し訳ない。

 なのでリナさん夫婦には、ハスフェル達から返ってきていた鉱夫飯の空いた弁当箱に色々と詰めてやる事にした。

 まずは作り置きのおにぎりと揚げ物を中心に、お惣菜や卵焼きなんかをがっつり二段分入れてやった。

 三段目の甘い物の段は、以前作った半端のマフィンや焼き菓子と、ハンプールの屋台で買った焼き菓子も幾つか詰め込み、残った部分には焼き栗と果物を詰めておいた。彩りも華やかになったし、多分こっちの方が鉱夫飯より健康的だと思うぞ。



「いやあ、かなり入ったなあ。それにこの弁当箱、案外使い勝手が良いぞ。一段一段が深いしよく入るから、作り置きを入れておくのにも良さそうだ。よし、また買っておこう」

 そんな事を考えながら、作った分に蓋をしてセット完了。

 ちょうど良いタイミングでハスフェルからの念話が届いた。

『おはよう。ちょっと寝過ごしたよ。もう準備出来てるか?』

 一応、リナさん達の弁当を用意するまで待ってくれって昨夜言っておいたんだよ。さすがに飲んだ後に作る元気はなかったからね。

『おう、今終わったところ、じゃあもう出かけるか』

 ひとまず、渡す分を自分で収納しておいてから外して収納していた剣を装着すれば準備完了だ。

「じゃあ、また飯食ったらお前らはハスフェル達と一緒に狩りに行って来てくれよな。気をつけるんだぞ」

 今日の留守番は、モモンガのアヴィとハリネズミのエリーだけで、ウサギコンビは今日も狩りに参加するらしい。

「はあい、頑張ってジェムと素材を集めてきますね」

 ご機嫌なマックスにそんな事を言われてしまい笑うしかない俺だったよ。

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