36 私は、お願いをされました(後編)
36 私は、お願いをされました(前編)の続きです。
目に沁みるような日射しが、庭園の隅々まで余すことなく輝きで満たしてる。
その光をきらきらと瞬かせた青草を踏みしめながら、私たちは木々が立ち並ぶ方へと連なって歩く。
――こうしてしばらく進むと、いつも登っていた塀辺りの木陰に到着した。
「まあ、座れ」
「ここ? えー、地べたに座るとかはしたないー」
「うるせえ。しつこいぞ」
「……くそう、ドSめ……。――それで? いったい何なのよ」
私は小声で愚痴ってから仕方なく、さっさと座ってるディルクの隣へ直に腰を下ろしつつ促した。
けれども明後日の方を向いて、すぐは応じないディルクに軽く不安を覚える。
……もしかして、今さら登場シーンからやり直せとか言わないよね? なんて、場所が場所だけに、そんな憶測まで脳裏を過ってしまった。
「なあ、ティナに一つ頼みがある。あいつを……ルイスを自由にしてやってくれ」
「へ……?」
ところが、働かせていた勘ぐりとは全く違う想定になかったセリフをかけられ、うっかり間の抜けた声が洩れる。
いきなりディルクがこんなことを言い出す意味もわからず、とにかく様子を伺ってみると……彼の表情は、何だか固いものに思えた。
だからつい言葉に詰まり横顔をじっと見ていたら、私と目は合わせないまま、結んでいた唇を静かに開かせてゆく。
「ルイスはさ、立場とか……そんなものばかりに、いっつも捕らわれてやがるんだ。たとえば子供らが集まる場所でも、あいつだけは遠巻きに眺めて、誰とも交わろうとはしねえ」
「ほう」
「そりゃあ大公の息子だし、周りから期待されてたり、色々と事情があるのかも知れねーけど。何ていうか、もっとこう……楽にしてやりたいんだ」
そうして話を聞き、どうにか発言の意図は掴めた。
友達を思うからこその言葉とわかって、やっぱりディルクは優しいなと感心する、のだけど。
……はたして、それは本人も望むことなのだろうか。
そもそもルイスはどんな性格だったっけ? と改めて気になり始めた私は、すぐさま自身が記憶する設定へと思考を巡らせていった。
***
まず、『氷のように冷たい公爵』をキャッチフレーズとする彼は――気怠げな眼差しで、口元に微笑みをたずさえた姿がデフォルトの中性的美少年。
常々無感情なので一見冷たそうな印象を与えるけれど、上品な所作と穏やかな物腰が、周囲に警戒心などは抱かせなかった。
何より、アルカイックスマイルの彫像さながらの風貌が老若男女を魅了し、なかでも令嬢方を夢中にさせてる。
私も例に漏れず、虜になってるのがいい証拠だ。
――それはさておきルイスの紹介で最も重要なのは、鋭い洞察力を持ち、人間観察が得意なこと。
彼にとって、場の空気や人々の思考を読み取り、素早く状況把握するのは日常であり。同じく能力を活用した上で、狙い定めた対象を意のままに動かすことも併せて行う。
澄ました顔をしつつも粛々と他人の物語を書き換えてゆき、いつの間にか支配する――というのが主な人物像だった。
……なるほど。しかもルイスは一連を、当事者は勿論のこと、誰にも悟らせないでやってのけている。
こうして思い返すと、氷のように冷たいと形容される通りの典型的な策士だ。
それならディルクが気にしてた振舞いは、性質上とくに問題のないもの。
ひと通りの回想を終えれば、自ずと答えが見えてきた。
「うん。でも私は、何もしないを選択する」
「……おい、こら。ろくに考えもしねーで、さっさと断るな」
何しろルイスのしたたかさは相当なので、現状に不満があれば自分でどうにかするはず。
そう思って関わらずを伝えてみたら、やっとこちらを見るディルクに、呆れたような薄目で言われた。
「ちゃんと考えたもん! だって、ルイスはもともと子供らしくないタイプの子かも知れないよ。性格は人それぞれだし、たぶん今のままでいいんだと思う」
「あのなあ、ちゃんと聞いてたか? 元からじゃなくて我慢してんだよ。それなのに……いいわけねえ」
「もうー。たとえ無理をしてても、本人に変える気がなかったらどうにも出来ないでしょ」
「そうだけど……っ。だからって、何もしないわけにはいかないだろ」
とりあえず反論してみたけれど、設定を知らないディルクとの話は平行線を辿る一方だ。
――とはいえ、これ以上言い合いはしたくないし、さてどうしたものかと一旦閉口する。
そうしてしばし頭を捻っているうちに……ふと、ある疑問が湧いた。
「そんなに心配なら、ディルが何とかすればいいじゃない。だいたい、どうして私にそんなお願いするのよ」
「っ、それは……」
もとより、これだけ気にかけているくせに、自分は何もせず他人に頼るなんておかしい。
遅まきながらもそう感じた私は、気づいた謎を素直に尋ねてみた。
するとディルクはなぜか、わずかに目を泳がせたあと、また顔を反らして口をつぐむ。
次いで眉根を寄せてゆく姿に、今度はこちらがジト目を向ける番だ。
「……何かあるの?」
おもむろに問い正して眺め続ければ、……やがて観念したらしく、彼は一度ゆっくり息をついて緊張を弛める。
「俺の……せいなんだ」
「ディルの?」
「ああ。……ルイスは、いつも誰とも交わらずにスカしててさ。初めて会った時もほとんど無表情で、何を考えてるのか、わからねえようなやつだったんだ――」
そのまま一言呟いてこぼすと、――思い出を辿るように、少しずつ二人の話を打ち明けてくれた。
***
――数年前、ディルクが両親に連れられて行ったとあるパーティ会場でのこと。
歓談する大人たちに倣って子供同士も交流し合う中、一人だけ参加しようともせずに浮いていた人物が、ルイスだったそうだ。
そんな彼に対してディルクは、「冷めてるというより、何だか重そうな鎧を着けてるみたいに感じた」と話す。
どうやら設定にあった策士スタイルが、その時点ではまだ確立されてなかったようで。他人につけ入らせないための手段として、周りを遠ざけるように見えたらしい。
……けれども、そうやって高みの見物を決め込む態度は、ただでさえ人目をひく容姿のせいで『気取ってる』と悪目立ちしてしまう。
そうして次第にやっかみを受け始めたから……最初はさほど興味がなかったものの、裏目に出てる動向を見兼ねて、思わず声をかけたと続けられる。
『そうやってスカしてるから、余計蹴落とそうとされんじゃねえの?』――。
この、せっかくの助言は無論、素っ気なくあしらわれたようだけど。
ルイス自身が要因を作ってることへのもどさしさから、しつこく構ったのが友達になるきっかけだったと言う。
「だんだん俺は意地になってて。そしたら、あいつが先に折れてくれた」
当時の様子を思い出して、おかしそうに言うディルクの話によると……。
ちゃんと言葉を交わしてみたルイスは、人を悪く言ったり自分をひけらかすこともないし、他の面倒な貴族たちとは違って案外いいやつだと思ったそう。
それはルイスも同様だったのか、二人は自然と打ち解けて、互いの邸を訪問しあうのが日課になるほど仲良くなったみたい。
――……だけど、その後に状況が変わったと付け加えられる。
「ついこの間まで、俺が後ろ向きに拗ねてたのは知ってるだろ?」
「ええっとお……まあ、うん」
「ちょうど、そうなる最初の時期に、俺は……ルイスのことをすっげー傷つけたんだ」
それから少し言いづらそうに告げたディルクは、一呼吸置いていよいよ事の発端を語り出す。
……二年前の事後、まだあまり日も経たない頃の話は、彼らの仲を知るオベラート卿の勧めでフィッシャー邸に赴いたと始まり。
そこで、数日ぶりに会ったルイスと少しばかり遊んだディルクは、別れ際に何気なく――。
――「戻りたくねえな……」――
そんなセリフを口走ったと、教えてくれた……。
***
――淡々と紡がれたここまでの内容は、特に問題もなく感じるけれど。
思わず洩らしたという最後の言葉に、ちくりと胸が痛んだ。
きっと、二人で遊んだ一時は、以前と変わらず楽しかったに違いない。
おそらく訪問を促した侯爵も、このように友達と過ごす時間が、癒しのきっかけになることを願ったんだと思う。
でも帰邸してしまえば、結局は現実に引き戻される。
だって、あの頃のディルクは……今までとは帰る場所だけが違っていたから。
――それは、どれほどにつらいことだったのだろう。
さっきの一言は、まさにその心境を表すものでしかなく、私には『――このまま目を背けていたい』……そう、呟くみたいに聞こえた。
「細かいことは気にすんな。それだけルイスといるのが楽しかったんだよ」
あれこれ想像するのを察したのか、ディルクは軽く笑んで補足してくる。
そして早々と、本題へ戻すように話を進めていった。
「だけど俺は、あの段階で自分が楽しむのはおかしいと思って……ルイスと遊ぶのを、やめることにしたんだ」
「そうなんだ……」
「もう、次の日からさっそくな。俺が余計なことを言ったのもあって、少しでも楽しませるつもりでルイスは来訪してくれたんだろうけど、冷たく拒んでさ。
しかも、急に変えた態度を怒るどころか心配してきたとこへ、『お前と遊んでも全然楽しくない』――なんて、言っちまったんだよなあ……」
そうして、残りのいきさつを告白し終えるやいなや、はあーっと深い息をつきながら項垂れてゆく。
確かに、この展開は予想外だし、言われた側はそれなりのダメージを喰らう気がした。
さりとてディルクは楽しい時に身を置くほど、事実との直面が耐えがたくなりそうなので、あらかじめ拒絶を選んだ気持ちも理解できる。
だからといって、仕方なかったで片付けるわけにはいかないのだろうけど……。
――それはともかく。彼が決め事をした翌日に、今度はルイスが会いに来てくれたけど。
まさかの『門前で追い返す』という行動を取ることで、二人の関係は一転したそうだ。
「……それで、ディルがルイスを傷つけてしまったと」
「ああ。その日からルイスは無表情に一層磨きをかけたみたいで……近頃は、氷の彫像とまで言われてやがる」
「それも、自分のせいなんだと?」
「あー、そうだよっ!」
ひとまず明らかになった事情を確認すると、ディルクは強く言い放つ。
その切なさが滲む声としかめた顔は、後悔の大きさを表すようだった――。
「――ディル。それは、自意識過剰というものだよ」
「はあ?!」
「誰だって、気分がのらない時はあるもん。それなのに、遊ぶのを断ったくらいで『俺がルイスを変えた』って……何だか、ちょっと偉そう」
だけど原因のやり取りについて考察を重ねた私は、思い上がりだと主張し、面喰らうディルクに向かって持論を述べた。
「いや、そういうことじゃないだろ。俺は自分勝手に誘いを断って、更にきつく突き放してんだぞ? ほんっと、ただの八つ当たりもいいとこじゃねーか。最低にもほどがあるよな」
「う……」
しかし負けじと、改めてディルクに過ちを強調されてしまい、一瞬怯む。
……くそう、何たる自虐。それにより、局面の情景が思い浮かびはしたけど、私はすかさず頭を振って気を取り直す。
「それでも一緒だよ! 前提として、自分の責任だと思い込んで話すからそうなるけど、本当の理由はわかってないじゃない。他のきっかけがあったかも知れないし、何もなくてそういう方向に進んだとも考えられるからね」
「……そりゃ、そうだけどさ」
「あのね。ディルは負い目があるから、前よりひどくなったと感じてしまうんでしょ? でも実は何も変わってなくて、それが本人の持つ個性だとするなら、別に悪い事とは限らないよ」
――そして思うままを伝えたところ、やっとディルクが少し考えるふうに黙った。
やや強引に意見を通した感は否めないけど、発言はあえて並べた理屈ではなく私の本心。
ただ実際、悪意なしでも相手を傷つけてしまうことがあるだけに、懸念を抱く心理はわかる。
それなのにも拘らず、成り行きをばっさり切り捨てて話したのは他でもない、ルイスが『他人の心を読む』という特性を持つためだった。
彼の資質を以てすれば、瞬間的に落ち込ませたとしても、真意は汲み取れるから大丈夫――。
この気づきをもとに、私はディルクのせいでルイスが変わったりしていないと判断し、前述の結論へ至っていたのだ。
「どちらにしても、まずは本人の意志を尊重しないとね。ルイスがそうしてるのは自分で決めたことだから、周りは何もしなくていいんだよ」
「え……っ、は?」
「――というわけで。私はやっぱり、何もいたしません」
諸々の理由から一周してまた振り出しへ戻すセリフに、ディルクが唖然とするのも構わず、何食わぬ顔で言い切った。
「ティナの言い分にも、一応は納得したけどさ……まったく、清々しいほどあっさり断るよな。わざわざ話した意味がねえ」
即座にがっくり肩を落として言う彼の心情は、これまでの自白によって了解済み。
でも、ここで残念なお知らせですが。
たとえルイスの動向に問題があったとて、最初から頼む相手を間違えていらっしゃる。
……何を隠そう、私は『悪役令嬢』なのです!
攻略キャラを傷つけるのはお手の物だけど、心を溶かすなんて特技は持ち合わせていないのだよ。
そうでなくても人を変えるのは、所詮無理な事だと前世で習った。
「考えてもみてよ。自分でも自分のことをなかなか変えられないのに、他人を簡単にどうにか出来るわけないもん」
「……ティナは、自覚がないのか」
「何が?」
「俺はティナだから頼もうとしたんだけどな」
――はて? なぜ、敢えて私なのか見当がつかないんだけど。
いずれにせよ、こればかりは望まれても……それが出来るとしたらヒロインただ一人で、自分の役目ではないと思ってる。
そんなわけで、私は話の矛先を変えることにした。
「それよりもだよ。ディル自身が、本当にしたいことは何なのか聞きたい」
「何がって……」
「たぶん、ルイスとはそれ以降、まともに会ってないんでしょ? そっちの方が本題な気もするけど」
「……そうだな、うん。ティナの言う通りだ。今更になるかもしれないけど、もしチャンスを貰えるなら……。もう一度きちんと会って、俺は……あの日のすべてを謝りたい――」
「うんっ、それが一番大事だと思う。そのお願いだったら私も利けるよ。ディルがルイスと会う機会を作れるように、頑張ってみる!」
ディルクの新な願いに、今度は満面の笑みで答えた。
わからない約束は出来ないけれど、これなら叶えられる。
だから私は、――是が非でも、彼らが仲直りするための語らいの場を設けよう! と誓いを胸にしっかり刻んだ。
***
こうして決意を固めていたら、ディルクがようやく、――ふっと息を吐くように笑った。
「――ありがとな。面倒かけて悪いが、よろしく頼む」
「わかった。どーんと任せておいて!」
「じゃあ、そろそろ戻るとするか」
改めて任せられたお願いを、自信たっぷり引き受けては、すぐさまディルクの言葉を合図に立ち上がった。
それから私が続く動作で、ワンピースのお尻部分をぱんぱんと手で叩いていた時――。
「……――姉様!」
不意に呼び声がして振り向けば、早足で近づいてくるロマンと、必死な様子で後を追うリリーが目に映った。
「あれ? 二人とも、迎えに来てくれたんだ」
「ロマンとの、お話……終わっちゃって……」
「お互いに良いタイミングだね。ちょうど今、私たちの話も終わったとこなの」
リリーがはふはふと息を切らせつつ懸命に、そして少し申し訳なさ気に言うものだから。
私は安心させるべく、話の邪魔をしてないことを告げた。
おかげで、ほっと笑顔を覗かせた姿に『可愛いなー』と思う矢先――。
次はいつの間にか対峙したロマンから、心配そうな顔つきで迫られて当惑する。
「それより姉様、大丈夫ですか? 男子たる者が、ハンカチも敷かずに、レディを地面へ直接座らせるとは……紳士ではありませんね」
「まあ!」
「悪かったな」
――何て素敵な響きなんでしょう……!
直後に放たれたセリフから、姉を気遣うあまりに歪む表情だったと判明したものの……いやはや、本来は私自身がすべきことなので、大いに恐縮してしまう。
それでも否定せず、自分の非として受け入れるディルクは反って男気に溢れていた。
だけど私は非情にも、弟のディスりからディルクを庇うことも忘れ、思いがけずかけられた『レディ』の言葉にときめいてる。
「……レディって、私?」
「はい。姉様は、素敵なレディです」
「ロマーっ」
期待で膨らむ内心を抑えて聞き返せば、更に『素敵』の形容もプラスで断言されたことで、嬉しい気持ちが一気に弾ける。
当然のごとく、ロマンに対する愛しさはフルマックスとなり、感情の赴くままぎゅーっと抱き締めるを決行。
それだけに留まらず、なおも私は頬をぐりぐり擦り寄せるなどの、過剰な愛情表現で戯れ続けた。
「……ねえ、ディルクも……」
「ん? どうした」
「ほら、早く……何か言って……」
「何をだよ」
「もう……っ!」
しかしながら一方のオベラート兄妹は、なぜか間近で相反するように小競合いをし始めた。
「――本日から……夕食後は、読書の時間と決まりました……」
「おいっ、俺もなのか?!」
「……当たり前。語彙力、高めて……」
次いでリリーが何やら決定事項を伝えたかと思ったら、ディルクの詰め寄りにも動じず、ちょっぴり強気な発言で締め括ってる。
言うまでもなく、そんな一幕の物珍しさに見入ってしまい、両者を取り成すことはすっかり忘れてた。
「くそ……、ティナっ。本っ当に変な影響与えるな!」
そんな中で、またもやディルクから言いがかり的に突っかかられるも、私はおかしなくらいにやけていた。
どういう流れかはよくわからなかったけど、ちょっとむくれて話すリリーと、妹には弱いと見受けるディルクの兄妹掛け合い。
その目前で繰り広げられたシーンは、何だかとても眩しく、心に笑顔を届けてくれたのだ。
だからこそ私は――。いつまでもずっと、この他愛ない日々が続いてゆくことを……無意識ながらも願わずには、いられなかった。
***
――その後、私たちは揃ってサロンへ戻ると、日暮れまでずっとカードゲームなどをして過ごした。
いつもより大人しい遊びなのは、ますます太陽が照りつけてきたせいで、室内にいるという選択肢しかなかったためなんだけど。
それでも、みんなの笑顔があれば気分は盛り上がって、何をやるのも全部楽しかった。
おまけに今日は、ディルクとリリーの微笑ましい光景も見れたから。
初っ端で淑女レッスンを断念させらて、何も変わらないままなことさえ、もう気にならないほど満足してる。
落日を追うように急ぐ馬車の中で、今も幸せな時間の余韻は去らない。
こうして私は、オベラート邸を訪れる時より上機嫌に、ロマンとの会話を弾ませながら家路を辿ってゆくのだった――。




