34 私は、またいつかを終えました(後編)
34 私は、またいつかを終えました(前編)の続きです。
噴水から生み出される流水音と、葉擦れの音が調和しながら耳に届く。
息を詰めたアベル王子と私が向き合う周りで、静かな時間はゆっくりと流れ続けていた。
そうして互いが沈黙するわずか後――、ふっと表情をやわらげて先に口を開いたのはアベル王子だった。
「……そうだな。あいつはいつも優しくて、強かった」
少し上を向いて言う彼は、思い出すように目を細めていた。
だから私も、ちょっぴり頬を緩ませて返す。
「強くないと優しくなれないもん。だからアベル王子が優しいと思うラウレンツは強いんだよ。それは、アベル王子にも言えることだけど」
「……俺にも?」
「うん。あの日コタを助けてくれたアベル王子はすごく強いよ。もしスキルか心のどちらか片方でも弱かったら、助けるなんて選択はしないと思う」
「いや、それは別に……その。なんだ……」
ラウレンツのことは心配いらないと気づいてくれて良かったけど、だったら次は自分のこともわかって欲しくなる。
そんな私の『同じ』とする言葉に首をかしげた彼は、理由も話せばなぜか戸惑う。
私は……その姿を見て、森で会ったあの日よりもっと彼の大きな優しさを感じた。
だって、アベル王子はきっと、当たり前に相手の気持ちを受け入れただけだったんだ――と思えたから。
それは今日一度も私を無視しないで、ずっと話に耳を傾けてくれたことでもわかる。
――この国の王子様たちは本当にすごいなあ、と私は改めて感心した。
何かを変えるのは勇気がいると思うし、すぐに変えられなくても受け入れるということだって、誰もが出来るわけじゃない。けれど難なく行うアベル王子は、それほど優しくて大きな器を持ってる。
……なのにそこへ入れるのは他人ばかりで、自分をのけ者にするとはどういうことだ。
「そもそもアベル王子は自分に厳しすぎる」
「それは、当然のことだろう?」
「だとしても、毎日努力して着実に強くなってる自分を信じないとか、意地悪すぎだもん」
何でも限度はあるので、「痛めつけるほど励むとかドMですか」と、一瞬ツッコミそうになった努力を否定する言葉はのみ込んだ。
でも……、強くなろうとすることで心を怖がらせてたら本末転倒だし、そのせいで受け入れずにいるなんて意味がわからない。
「アベル王子の目指すゴールは知らないけど、一歩ずつちゃんと進んでここまで来てるじゃない。せっかく頑張ってるのに、前より強い今の自分をアベル王子自身が認めてあげないなんてひどいからね」
「だが……まだ認めるには、足りないと思う」
「もうっ。常に上を志すのは立派だけど、今は今でいいの。森では剣だけで、魔物に応戦したでしょ! でも足りないと思えば、どれだけたくさん武器を持って防具で身や心を固めても不安で挑めないから。
……――大丈夫。気づいてなくてもアベル王子は、あの剣一本で十分に戦える人なんだよ」
私は、身近で見てきた本人ならすでに知る事実を告げた。
それからまくし立てられて瞠目するアベル王子を、じっと見つめる。
――例え今まで気づかない振りをしていても、思い返せばすぐにわかるはず、という期待を込めて。
「俺は……、強くなれてたのか……?」
「それはアベル王子が一番よく知ってるでしょ」
「……そうか。あの頃より、ちゃんと強くなれているんだな……」
アベル王子はふっと表情をやわらげながら呟いた。
紡がれた言葉はどこまでも穏やかな余韻を漂わせて、彼自身の心にもじんわりと馴染んでゆくようだった。
こうして受け入れてくれたことが嬉しくて、心なしか微笑むような様子にもほっとする。
だから私はもう一つ、伝えたくなった。
「それとね、私は思うんだけど。ここには国を守る騎士団の人たちもいるから、アベル王子だけがみんなを守ろうとしなくてもいいんじゃないかなーって。一人の力をたくさん集めたらもっと強くなるし、それにみんなで一緒に頑張ったほうが楽しいよ!」
「……ああ、それもそうだな」
彼はじっと話を聞いてから、そう返事をしてくれた。
やはりさすが次期国王となる人物だけあり、他人の意見に耳を傾ける賢さと、受け入れる強さを兼ね備える。
私は、そんな彼の背負う荷物が、少しでも軽くなればいいと思った。
「私も自分のことは自分で守るから大丈夫っ」
そして最後に、テンションが上がるまま満面の笑顔で言った。
……けれども、どういうわけか途端に彼は呆れたような、嫌そうな顔をして盛大に溜め息を吐いている。
「あのなあ……。お前は本当に俺のプライドをぶち壊すのが好きだな」
私はいい感じで出来ていた良い流れが、急遽途切れたことにがっかりした。
さておき、原因となったらしいプライドの話なんかいつしたのかな。それと私が、これまでアベル王子のプライドをぶち壊したことなんてあったっけ? と頭にはてなが浮かんだ。
「国のことはわかった。俺は今まで『自分が守る』という考えに固執しすぎて視野が狭くなっていたようだ。今後は皆と協力しあい、足りない部分は補ってもらいながら守っていく」
「うんっ」
「……けどな、女一人も守れないようじゃ男が廃るんだよ! お前のことは俺が守って、やらなくもないっ」
「いや、それはいいよ。アベル王子を待ってる間に自力で逃げるから。自分で守れなかったらその時はその時だし」
これからの方針を教えてくれたアベル王子は、次いで強く言い放つ。対して私は、『守ってやるじゃなくて、守ってやらなくもないってどんなツンデレだよ』と思いながら返した。
それにしても、彼は守るどころかいずれデッドエンドを与えてくださるかもしれないのに……おかしな話だよね。
「簡単に諦めるな! だから、守ってやってもいいと言ってるだろ。お前は……一応、俺の第一婚約者候補でもあるんだからなっ」
「あ、それはお断りします」
私は即答しながらも、予期せず出された婚約者候補の言葉に内心で首をかしげてる。
すっかり忘れてた、というよりアベルの候補に関しては、すでに回避してるものと思っていたのだけど……違うのだろうか。
両王子からデッドエンドを下される未来とか、そんな嫌がらせは求めてない。
ともかくラウレンツといい、この国の王子様はその話が好きだなあと思うものの、今回はすっぱり断れたから満足です!
「はあ?! 守られることか? 婚約者候補のことかっ」
「どっちも」
「なぜだ……っ。俺の何が不満なんだ!」
しかしながら、私の余計な懸念をなくすための発言は彼を困惑させていた。
勿論、アベル王子自身に不足はないので、そう伝えれば済む話だ。とはいえ、理由を聞かれても「攻略キャラだから」と言えないことから口ごもっている。
「……わかった。よーくわかった。そうだよな。お前に蹴りを入れられるようでは、俺が男としてまだ未熟だと思われて当然だろう」
そうこうしているうちにも彼は一人納得されたので、残りの人生さえ満喫出来ればいいと思う私はとりあえず良しと片付けた。
何より先ほどきちんと、アベル王子の候補から外れられたことが嬉しい。
「見てろよ、ティアナ! いつか必ず、俺を認めさせてやるからなっ」
はて? 今日の大きな成果に上機嫌でいると、何だかわけのわからない宣言をされていた、別にいいけど。
そして、いつの間にか呼び捨てにもなっている、それも別にいいけど。
そう思っていたら、いきなり腰を引き寄せられて体勢を崩しかけてしまい――。
「わ……っ」
噴水に落ちるかと思った体は、アベル王子の胸に支えられてほっとした。
その矢先に――、覗き込まれて間近に迫る顔に気づく。
「――婚約者候補の話はそれからだ。わかったな!」
「えええええ――――っ!」
それは別にいいことないっ。喜びに膨らんでいた私の心は一気に弾ける。
熱血王子は真っ直ぐなはずなのに、わざと眼前で宣告するなんてイジメとしか思えない。
私はまた何を間違えてしまったのか……と、目の前が暗くなっていくのを感じた。
「これから俺のことはアベルでいい。婚約者候補でもあるし、ともかくお前からの敬称づけは不要だ」
もう、私にとって敬称のことはどうでもよくて、ただ悪役令嬢のフラグ立て能力の高さに遠い目になってる。
そして更に追い討ちのように投げ掛けられた『婚約者候補』の言葉に、私の心は完全に闇に包まれるのだった――。
***
あれから私たちは、ひとまず話に区切りがついたことから、共にお茶会の席に戻ろうとしてる。
晴れやかに足を運ぶアベルの隣で、ずーんと重くのしかかる暗い闇を背負う私は項垂れていたけど。
そうした様子で、『何でこうなった』と思考をぐるぐる巡らせながら歩いていれば、あっという間に目的地へ辿り着いたようで。
アベルが立ち止まるのと合わせて、進むのをやめた。
その直後に、カチャ……と小さく食器の擦れる音が聞こえたので、ラウレンツも戻っていたのかと顔を上げたら――。
「……うっ」
途端に、まぶしすぎるほどの輝きを受けて思わず呻く。
前方から照らす光に、背後のどんよりとした闇も一瞬で消し飛ばされたようだ。
私はそんなことを考えながら、光を放つもとを確認した。
「ラ、ウレンツ……?」
「おかえりなさい。ティアナ、兄上」
かざす手のひらの隙間から覗く発光体はラウレンツだった。
気づけば目の前にまで来ていた彼は、すんごい綺麗な笑顔で迎えてくれる。
何だか……、いつにもましてエフェクトのきらめきがすごい。
ロマンも天使の来降を感じるほど輝いていた時はあったけれど、後光が差すとか神か。
「やはり、二人は一緒だったのですね」
「ああ。さっきは突然、席を外して悪かったな」
「気にしないでください。兄上が戻ってきてくれて良かったです」
何のことなく話すアベルを見て、よく直視出来るなと感心する。
もはや神々の集い的光景も、王族同士には日常茶飯事なんだろうと眺めていれば、私の目もだんだんと慣れてきた。
「ラウレンツも戻ってたんだね」
「はい、早々に」
「そうなの? じゃあ、いっぱい待たせた?」
「大丈夫ですよ。ゆっくりお茶を楽しんでいましたから。――それはともかく、二人が仲直り出来たようで良かったです。ティアナも……本当に嬉しそうですからね」
……何だろう。いつもの笑顔と穏やかな声色で話すラウレンツに、私はなぜかちょっぴり違和感を覚えた。
けれど、それが何かを気にとめるまもなく、付け加えられたセリフで新たな疑問が湧く。
「嬉しそう?」
私は思わず、言葉をなぞりながら頭を捻った。
アベルのわだかまりが消えて良かったし、確かに仲直りは出来てると思う。――とは言うものの、最後に望まない話が出たことで嬉しいとは違う感情を抱いてる。
それだけに、どうしてそう見えたのかが不思議だった。
「ええ。ほら、こんなに頬を染めて」
「――あっ、これは違うの」
「それに……少し、熱も持っていますね」
だけど続いて、すっと私の頬を撫でて教えられた理由に、あの涙拭き攻撃のせいで赤みが残っていたからだと気づく。
おまけにまだ熱っぽいって、どれだけダメージを受けてるんだよ。
「これはね、……えーっと、あの……うん」
私はすかさず気分の問題ではないことを言おうとしたものの、言わなくていい話もあったなと思い出して言い淀んだ。
すると――、ラウレンツは一瞬の間をおいてから、いつになく綺麗に笑った。
「――さあ。では、お茶会を始めましょう」
次いで話を変えるようにそう言うと、素早く身を翻して席へと戻ってゆく。
とくに言及されることなく再開を告げられて一瞬あれ? と思うも、楽しくティータイムを過ごせるほうが嬉しいから、ひとまず私もほっぺのことは忘れることにした。
「俺たちも、戻るか」
「うんっ」
そうして私とアベルも先立つラウレンツの後に続き、再び三人のお茶会を開始するのだった。
***
「アベル。お茶いれてあげるよ」
「ああ、頼む。ありがとう」
席について言いながらティーポットに手を伸ばすと、僅差でラウレンツが持ち上げる。
「ラウレンツ?」
「冷めてしまいましたから、温め直さなくてはいけませんよね」
にっこり笑った彼は、言うと同時に魔力の火を出現させていた。
確か、服を届けた時のティータイムで「簡単には出せない」と言ってたはずだけど。
もういいのかなと手元に目を移せば、パッと灯された火はあの時の……よりも白さが際立って見える。
「……沸いてる。沸いてるぞっ、ラウレンツ!」
刹那に指摘するアベルの言うように、火をかざすポットからは、ゴポゴポと瞬間で沸騰の音がしていた。
「兄上。さあ、どうぞ」
熱しすぎの紅茶も、飛び散らかさず器用にいれたラウレンツは輝く笑顔で勧めてる。
「どうぞ……ってお前、温め直しの紅茶をここまで沸騰させる必要があるのか?」
そしてアベルが立ち上る湯気の向こうから少し呆れて言うのだけど、綺麗な笑顔のラウレンツはますます楽しそうにする。
「兄に対する弟の熱い思いを受け取ってください。ぐいっといきましょう」
「その気持ちは嬉しいしありがたいが……って、いや、無理だろう?!」
「大丈夫です。心暖まるまま、体も温めるなんて尚更良いではありませんか。はい、早く飲みほしてください」
「出来るか! 只ただ口内が大惨事だっ」
……私が口も挟めず見守る中で、目の前の二人は息つく暇もなく掛け合っていた。
いつもと少し違うラウレンツは、お兄ちゃんと過ごせるのがよほど嬉しいようだ。
アベルのツッコミスキルもどんどん上がってきてるね。
私はアベルと再会した時点で薄々感じていたけれど、何事にも全力投球な熱血王子は何気に突っ込みキャラなんだと認識した。
それにしても、二人が仲良く和気あいあいとしてるのが羨ましい。
私は早くロマンが来ないかなあと思いながらも、この楽しいひとときを共に過ごしてゆくのだった――。
***
あの後、まもなくロマンも来てくれて、楽しかったお茶会はあっという間に閉会を迎える。
そして予定があったアベルとはその場で別れ、今は正面玄関前でラウレンツに見送られていた。
「本日はありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございます。とても楽しかったです」
挨拶を交わしたロマンは先に馬車へと乗り込み、私も続こうとしたのだけれど。
――伸ばしかけた足を下ろして、ラウレンツに向き直った。
「どうしました?」
「今日は、……一人にしてごめんね」
当然の問いに返答する私は、あの時「ここで待っていてください」と言われていたことを思い出していたのだ。
謝るのは、『早々に戻った』というのが私を一人にしないよう急いでくれたに違いない、そう思ったからだった。
けれどラウレンツは何の事はなく、ああ、と言いながらふっと笑う。
「そのことでしたら先ほどもお伝えした通り、本当に何の問題もないですから。ティアナは、もう気にしないでください」
「ううん、それじゃダメだよ。すぐに戻るって言われたのに、おとなしく待ってなかった私が悪いんだもん。ラウレンツには言いたいことを我慢して欲しくないの」
私はお茶会の時、笑って済まそうとする彼に抱いた違和感を、何か言いたいことがあったのだと捉えていた。
ラウレンツがハゲるほど我慢強いというのはすでに理解してる。
でも……だからこそ、せめて私くらいには言いたいことを言って欲しくて訴えた。
そうやって真っ直ぐに見つめていれば、引き下がらないことがわかったらしく、ラウレンツは苦笑しつつ口を開いてゆく。
「実は、私の勝手なのですが。ティアナを待つ間……、少しだけ心配してしまいました。けれどそれを言葉にしなかったのは無理に我慢したわけではなく、無事がわかれば言う必要がないことだったからです」
「そうなんだ……」
彼が話す理由はとても腑に落ちるも、わずかに放心して応えた。
……まさか、私の身の安全を心配して言い置いた指示だとは思ってもみなかったから。
そしてもし彼が思いを飲み込んだままでいれば、気づくことなく今日を終えていたんだ――。
「うん。わかったよ」
「納得していただけて良かったです」
「でもね……、ラウレンツは全然、勝手じゃないから。教えてくれて嬉しいよ。いつも本当にありがとう」
やっぱり聞いて良かったなと思うままを伝えれば、彼も嬉しそうに笑ってくれた。
「――じゃあ、またね」
「はい。気をつけて」
そうして私も帰路につこうとしたところで、ふとあることを思い出した。
「あ、そうだ。ラウレンツは明日、私の邸に来る?」
「いえ。幾つか処理しなくてはならない案件がありますので伺わない予定でしたが、何かありましたか」
「ううん。それならアベルに『ストールは明日返しに行くね』って伝えてくれる? 森で会った時に借りたままなの」
「ストールを……。ティアナが明日、こちらまで持ってきてくださるのですか?」
「うん」
そう、私はあのストールがアベルの物だとわかったから、早く返さなくてはと思ったのだ。
なので、その旨をことづければ、ラウレンツは少し考えるふうを見せる。
「……でしたら明日、私がレハール邸へ取りに行きます」
「え、来ないつもりだったんでしょ? 私はいつも暇だからいいけど、ラウレンツはお仕事があるってさっき……」
「その予定は今から前倒して済ませると決めましたので、私も明日はものすごく暇です。何よりこんなことでティアナにご足労いただくわけにはまいりません」
彼にしてはめずらしく、返す言葉を遮ってまで、はっきりと言われた。
本当に、王子様っていうのはこれほど下々の者を気遣うのかと感心する。
その反面で、ご足労も何も借りたのは私なんだよと内心で返しつつ、無理やり暇にしたとしか思えないラウレンツを申し訳なく思った。
「いや、それこそラウレンツにわざわざ来てもらう方が悪いから。やっぱり私が持って来るよ」
「いいえ。これは私の望みですから、ティアナはお邸で待っていてください。必ず明日、レハール邸にお伺いします」
自分の願望として話すラウレンツが、何気に頑固なのは知ってる。
何より心配症な彼の優しい思いやりも知ったばかりだから……、今度は言うことを素直に聞こう、と思い直した。
「わかった。ちゃんと邸で待ってる」
「はい、お願いします」
ラウレンツの気持ちを受け入れて笑顔で返せば、いつになく嬉しそうに笑ってくれる。
それを見たら、――うん、これで良かったよね、と私まで嬉しくなった。
こうして明日の約束をした私は、今度こそ馬車に乗り、ラウレンツに手を振ると自邸への帰路についた。
私は帰る道すがら、今日は色々あったけどお茶会に参加して良かったなと思い返してる。
美味しいお茶やお菓子を堪能できたし、一番にみんなで過ごせたことが楽しかった。
ちなみにアベルとした婚約者候補の話は一旦なかったことにして忘れよう。
それより邸へ着いたら、――ヒルダに明日のティータイムでハチミツを出してもらう事を忘れず伝えなくては。
そんなことを考えて頬笑む私は、今日の楽しかったお茶会に満足しながら、またいつかの再開を終えたのだった。




