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作為的な臭いがプンプンするわ?


「1年5人て、結果オーライよね」

三つ編みお下げのぐるぐるメガネ少女……公女が満足気に頷いた。

「悪女だ!悪女がここに!」

普通にポニーテールにした少女が、公女を指差した。

(フタツ)、良い女は、真実は言わないの」

ポニーテールの少女……二と瓜二つな頭の高い位地に髪を御団子に結った少女が、ファストフードのテイクアウトの飲み物を口にして言った。

(ヒトツ)ちゃん、それヒドイよ」

公女が口を尖らせた。

「いいえ、この、友人一(トモビトヒトツ)が宣告するわ、主人公女は悪女よ!」

いつもの公園、のベンチで3人はダベっていた。

「なら、この友人二(トモビトフタツ)も宣告するわ。彼氏の為に、彼氏の為にで、他の男を踏み台としか考えてない公女は悪女よ」

「一ちゃんも二ちゃんもヒドイよ!私彼氏居ないし!」

更に公女が頬を膨らます。

「それではなかったとしたら、公女はただの色ボケバカ女ですね」

3人の後ろから涼やかな女性の声が降りそそいだ。

「ヒドイよ、少女(スクメ)ちゃんも」

公女が振り向くと、長い黒髪の美しい同じ制服の女子生徒が、そこには立っていた。

「少女、こっち座れば?」

一がベンチの脇の座板をバシバシ叩いて示す。

「では」

少女は一の隣に優雅に胡座で座った。

「何で私が色ボケバカ女なのよ!?」

「名門私立に落ちた男を追いかけて、うちの学校なんかに、入学した事が一つ」

「それは、家があんまり開放的でなくて全寮制が親に受け入れられなかったの!他はここしか受からなかったし」

公女の言い訳。

「その男の特技の為に部の創設に奔走し、同好会を巻き込んで怨みを買ってるし、更に、うちの高校を団体戦に出場できなくして、男に個人戦のみ存分に戦わせて全国大会まで行かせたのが一つ。」

「あれは、わざとじゃないのよ、偶々、無能顧問先生の前でお腹が痛く成っちゃって、先生の車でドライビング・ドライビングしたら、病院で検査に成っちゃって、たまたま、家に誰も居なかったから、無能顧問先生に付き添いお願いする事になったの。そしたら、あの部の試合の締め切り時間過ぎちゃっただけなの!」

「なんで奴は個人戦に出られたんだ?」

二が疑問を口にした。

「あの人は、提出先を間違えて、学校じゃなく直接、地域の協会に書類を送信しちゃったの!間違えただけなの!」

「春の大会、夏の大会、秋の新人戦全部で、参加書類を提出しようとした無能顧問先生の前で公女がお腹が痛くて病院に行って、たまたま家族一同不在で、書類受付時間過ぎまで無能顧問先生に付き添いしてもらって参加申し込みが出来なかった。でもあの男は、毎回、書類提出が遅れて、全員の書類が集まるのを待ってる無能顧問先生が、受付最終日まで提出出来なくなって、最終日に、本人は、間違えて協会に受付初日にもう直接送信しておいたのに気付いて、その報告をギリギリで無能顧問先生にしてるんだから。続けて3回よ」

「不幸な偶然って有るのよね」

と平然と公女は口にした。

「そして、県大会で団体戦に出ないで体力温存出来てるあの男は、団体戦直後の疲れきった優勝候補を個人戦で倒して勝ち進み、春、夏の大会では全国大会まで行って、秋の新人戦で県大会優勝。即、私立名門のスカウト受けて、あっさり特待生で転校ですもの、怨みを買わないってあるかしら?」

少女が首をかしげた。

「偶然が重なるって、恐ろしいんだね」

一、二の顔を交互に視ながら他人顔で公女が言いった。

「ホントに偶然なんか?」

一がジト目で公女を見た。

「世界は不思議で出来てるのよ」

公女は頷いた。

「確か、この地区は学校単位で刀剣道やってる学校がないから、去年は地区予選無くて、彼、直に県大会出場だったよね?」

二も公女に詰め寄る。

「そうなの?ラッキーよね。そんな地域の学校に刀剣部が作れたなんて」

満面の笑みで公女が言った。

「はじめから、その計算では無くて?」

少女が公女に言う。

「公女が計算できるタイプか?」

一が疑問を口にした。

「それを言われると、根本的に違うのよね」

少女がため息をついた。

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