宝物みたい
ばッかじゃなの
あたしが待ってるわけないじゃない
だれとも仲良くできないのが
痛々しかったんで声かけた
ひとり「孤高の女?」気取って ホントは
いっしょにいても笑えないのがイヤなだけでしょ
人はけんめいに笑って生きようとするものなのに
女々しい女の子(女の子の女々しいは当たり前じゃないよね?)
じゃないって思ってた
でもたまにすてられた子犬みたいな目をしてたのが
こころのすみっこをくすぐった
あと 人じゃない何かに挑む目ってのも
なにしてんだと思いつつもわりあい気に入ってた
人はどこまでつよくなれるんだろうね
きくとはなしにあなたにきいたのは
きっとその答えはそのこころのどこかにあるんだろうと
うっすらと期待していたんだ
その輝く強い人が見たくて
あなたみたいな変人のそばにいたんだと思う
でもパワーだけはあった
見栄も恥もなくひたすらに前へ向かって生きていた
目をそむけたくなるような無様な
悲しくなるような痛ましいヤツだったが
でも ほんとうに その生き様は
炎が人の形をしているみたいで
ふれればヤケドしそう 自分はヤケドしまくりみたいな
すごいパワーだけはあった
「あなたがいてくれるからだ」
知らないよ
「だから私はもっと強くなるために
世界へ旅に出るのです」?
フザケンな
待っていてほしいなあって
その目ですがればすべてが許されると思ってんじゃないバカみたいに
待ってるわけないって あなたなにもわかってないんだね
別に あなたに惚れてるわけじゃないんだ
ただ興味があって それは
今が幼虫なら蝶々になるところをみたいっていう
美しい素敵なものをみたいっていう期待
かならず帰ってくるからって
そんなの待ってたら見逃しちゃうじゃない
そしたらあなたみたいなのといっしょにいた意味ないじゃない
蝶になったあとみたっていいのはほかの人
あたしはさなぎのあなたもみたいし
なにより蝶々になる-瞬間-をみたいの
そんな宝物みたいなあなたから
目をはなせるわけないじゃない
待っててって あなたはいってればいい
それはあなたのおもい あたしのじゃない
あたしはあたしに従うから
従って あなたといっしょに旅をする
迷惑だっておもったてそれもあなたのおもい
あたしのじゃない
あたしはただ目の前で起こるこの世の奇跡を
見逃せるわけがない素直なただの女の人だよ
だからお願いもう 待っててなんていわないでいったって
ムダだから