村を守る怪力少女
華琳達と共に賊退治に向かった一刀
一方、村の入り口付近では
賊A「ちくしょう!?一体どうなってるんだ!? 」
賊B「相手はたった一人だってのによ!? 」
数人の賊達が村の入り口にて立ち塞がっている人物に進撃を阻まれていた。
その人物とは…
?「でりゃーっ!! 」
ブォンッ!!
巨大な鎖鉄球を振り回す小柄な女の子であった。
賊C「あんまりもたついてたんじゃ俺達が大将に殺されちまう!数はこっちが上なんだから押していくぜ! 」
?「くぅっ!? 」
最初は数人の賊達に対しても負けなかった女の子であったがやはり一人で守るには限界があったようだ。
?「(村のみんな、守りきれなくてごめんね…) 」
女の子が覚悟したその時!
ブオォンッ!!
賊A「何だありゃ? 」
賊達の後方より何かが土煙をあげながら前進しまくっていた。
それは…
春蘭「待て待てぇーっ!! 」
ブオォンッ!!
ブーストローラーで前進しまくる一刀におんぶされた春蘭であった。
ブーストローラーは一刀でしかまともに起動せず、春蘭は否定しまくったが安全性と華琳からの命令によりおんぶで春蘭を運ぶことになったのだ。
キキィッ!!
そして一刀は春蘭を送り届けると
春蘭「待たせたな賊共! 」
バッ!
春蘭が賊達の前に現れたのだった。
賊A「いきなり現れやがって!! 」
賊B「返り討ちにしてやるぜ!! 」
ババッ!!
賊達は春蘭に向かっていくが
春蘭「甘いわぁっ!! 」
ドカァッ!!
賊達『がはぁっ!? 』
春蘭の一撃にぶっ飛ばされてしまったのだった。
?「えっ!? 」
いきなり現れた人が賊をぶっ飛ばす、そのような出来事に村を守っていた女の子が驚いていると
一刀「大丈夫かい君? 」
一刀が女の子に近寄った。
一刀「もう大丈夫。俺達が守ってあげるからさ 」
?「えっ… 」
するとその時!
賊C「よそ見してんじゃねぇーっ!! 」
ブォンッ!!
一刀の背後から賊が刀を降り下ろした!
?「あぶな…!? 」
女の子は一刀に危険を知らせるが
ガキィンッ!!
?「えっ!? 」
賊C「なっ!? 」
一刀「はいはい。襲撃するってのに叫ぶだなんて馬鹿な賊ですねぇ 」
バンッ!!
一刀は背中に背負っている剣で後ろを見ずに賊の攻撃を防いだのだった。
一刀「はいはいここで一つ忠告です。あんた、後ろが危ないよ 」
賊C「えっ? 」
スッ…
一刀にそう言われ、賊が後ろを見たその時には
春蘭「くたばれぇっ!! 」
ドカァッ!!
賊C「がはぁっ!? 」
賊は春蘭にぶっ飛ばされたのだった。
それから数分後
華琳「どうやら賊を退治できたようね 」
後から来た華琳達が一刀達に合流した。
春蘭「華琳様、お待ちしていました 」
華琳「ご苦労だったわね春蘭、一刀もご苦労様 」
一刀「まぁ俺は春蘭を運んだだけなんだけどね 」
それはさておき
華琳「ところで春蘭達が来る前から村を守っていた者がいたと聞いたけどその子がそうなの? 」
秋蘭「そのようです華琳様 」
?「あ…あの、あなたは誰ですか? 」
村を守っていた女の子が聞くと
桂花「この御方を知らないだなんてね、この御方は刺史の… 」
?「刺史… 」
刺史という言葉を女の子が聞いた直後
?「でりゃーっ!! 」
ブォンッ!!
女の子は華琳目掛けて鉄球を繰り出してきたが
ガッキィーンッ!!
春蘭「貴様!一体何のつもりだ!! 」
間一髪、鉄球は春蘭の剣によって弾かれてしまった。
?「うるさい!!官軍(政府側の軍隊)なんて大嫌いだ!!いつもボク達貧しい人なんてほっといて自分のためになることしかしない!ボクは村の中で一番力が強いから!ボクがみんなを守らなくちゃいけないんだ!! 」
ブォンッブォンッ!!
女の子はもう一度華琳目掛けて鉄球を繰り出そうと振り回したその時!
スッ!
一刀が女の子に手を向け
一刀「フーディーニ!! 」
何かを叫んだ瞬間!
シュバァッ!!
一刀の右人差し指にしていた指輪から鎖が放たれ
ギュッ!!
?「うわっ!? 」
女の子を縛り上げた。
?「くそっ!!こんな鎖なんか!! 」
一刀「無駄だよ。その鎖は俺が指示しない限り絶対に外れることも切れることもない 」
この指輪は一刀の持つマジックアイテム・フーディーニリングというものであり、フーディーニという呪文を唱えると向けられた指先にいるものを縛り上げる指輪である。ただし気を使うため気がないと呪文を言っても意味がない
?「くそっ!!くそぉっ!! 」
女の子は力を出しまくるが鎖は切れなかった。
すると
華琳「あなたにそんな苦しい思いをさせるだなんて、前の官軍は相当なお馬鹿だったようね 」
スッ!
華琳は女の子の前に立つと
華琳「でも私はあなた達を見捨てた無能な官軍とは違う。あなた達を救ってみせる。そのために私は来たのだから 」
女の子に優しい言葉をかけたのだった。
?「あ…あなた様は…? 」
秋蘭「この御方は陳留の刺史である曹操様だ 」
華琳の名前を聞いた女の子は
?「そ…曹操様!?聞いたことがある。陳留にいる曹操って人は町の人からあまりお金を取らない良い人だって!?そんな人にボクは… 」
華琳「別に構わないわよ。官軍が悪く思われているのは知ってることだし、私は傷つかなかったしね 」
すると
華琳「一刀、この子を解放してあげなさい 」
華琳は一刀に女の子を解放するよう命じると
一刀「了解! 」
パチンッ!
シュッ!
一刀が指を鳴らし、女の子に巻き付いていた鎖が消滅したのだった。
華琳「さて、そろそろあなたの村を見せてくれるかしら。えぇと… 」
と、ここでまだ女の子の名前を聞いていなかったことに華琳が気づいた。
すると
季衣「ボクの名前は許緒といいます。いや、曹操様になら真名の季衣を預けます! 」
女の子は名乗るだけでなく真名まで言ってきた。
華琳「そう。なら私の真名、華琳も預けるわ 」
季衣「ありがとうございます 」
この後、季衣の案内で村を案内させてもらったのだが
ボロッ!
村は賊に襲われてボロボロであった。
季衣「あいつら、いつも襲ってくるんです。でもその度にボクがあいつらを追い返したんです 」
鉄球を振り回すほど力が強いとはいえすごい女の子である。
華琳「これはすぐに何とかしないといけないわね。賊達は私達が来たことを知ったことだし、早くて今日辺りにても襲撃を仕掛けてくるかもしれないわね 」
そう察した華琳
すると
一刀「華琳、ここは俺に任せてくれ 」
いきなり一刀が名乗り出たのだった。
華琳「は?何を言ってるの?あなた一人で数十万はいる賊をどうにかできるとでも… 」
華琳は一刀の方を見ると
一刀「確かに俺一人じゃ無理だ。だが俺には共に戦う仲間達がいる 」
バンッ!!
そこには村をめちゃくちゃにした賊達に対して殺意を抱いてしまったためペンタゴンが発動して頭痛が始まり、頭を押さえる一刀がいた。
一刀「賊達よ、ショータイムの開幕だぜ…!? 」
マジックアイテム
・フーディーニリング
フーディーニという呪文を唱えると向けられた指先にいるものを鎖で縛り上げる指輪。ただし気を使うため気がないと呪文を言っても意味がない