一刀ショー外史公演初開幕
様々なマジックアイテムが登場します
華琳の命で春蘭と戦い、負けはしたものの陳留にて奇術を行うことを許可された一刀
そして三日後
バサッ!
一刀「いい天気だな 」
一刀マジックショーが開幕するのだった。
前日より用意したテント(天幕)の中で、普段着であるフランチェスカ学園の上着を裏返し(リバーシブル)、マジックショーの衣装となった一刀が準備をしていた。
一刀「お前達も今日から頼むぜ! 」
一刀はバッグに入っている数個の玉にそう語る。
端から見ると何をやってるんだと首をかしげるであろうが一刀にとって必要なことなのだ。
そんな時
バサッ…
一刀「(おっ!もう客が来たか) 」
天幕の扉が開かれ、客が入ってくると思った一刀であったが
華琳「あら、中は結構広いじゃない 」
入ってきたのは華琳達一行であった。
一刀「華琳、見に来てくれたのか! 」
華琳「まぁ、それもあるんだけれど 」
秋蘭「はっきり言うと審査だ 」
一刀「審査? 」
春蘭「そうだ。覚悟しろよ北郷!華琳様がもし貴様の奇術を気に入らなければ営業停止になるからな! 」
華琳「私の国でやる以上、民に生半可なものを見せるわけにはいかないからね 」
つまり華琳が認めなければ一刀は陳留でショーを行うことができなくなるのだ。
一刀「成程ね。わかった!最高のショーを見せてやるぜ! 」
華琳「まぁ頑張りなさい 」
そしていよいよショーが始まるわけなのだが
舞台裏
一刀「ふ〜、やっぱり久々だから少しは緊張するもんだな。落ち着け!審査とはいえ初日公演で客が三人ならいいくらいじゃないか 」
現代では今でこそマスター一刀として有名な一刀だが、もちろん最初から有名だったわけではなく、当時の初日公演は犬猫が合わせて三匹であった。
それに比べれば人が三人だなんて成長した証なのかもしれない
そして
パッ!
春蘭「おわっ!? 」
春蘭一人が驚くなか、舞台に明かりがつくと
一刀「レディース&ジェントルメン!会場にお集まりの皆様、これより私、マスター一刀によるショーを開始させていただきます! 」
舞台に現れた一刀がそう叫んだのだった。
華琳「どうやら始まったようね 」
秋蘭「そのようですね 」
春蘭「華琳様、北郷が言った『れでぃーす』や『じぇんとるめん』は一体何なのでしょう!?それに奴は北郷一刀なのに何故『ますたー』一刀と名乗るのですか!? 」
華琳「春蘭、あなたはなるべく静かにしなさい 」
秋蘭「姉者、後で北郷に聞けばよかろう 」
春蘭「おぉ、そうであったな! 」
初めて聞く言葉に興奮しまくる春蘭に命じる華琳達であった。
一刀「それではまず始めに私と共にショーを盛り上げてくれるアシスタントに登場してもらいましょう 」
スッ!
一刀は二個の玉を手に持つと
一刀「カモンベイビー! 」
ぼわんっ!!
一刀が玉を舞台目掛けて投げつけた瞬間!
ぴょこんっ♪
ぶるんっ♪
バニー「はいは〜い♪ 」
玉の中からうさ耳巨乳バニーガールと
タウロス「ブモオォーッ!! 」
体の黒い屈強な体格の牛男が出現した。
この玉は一刀が使うマジックアイテムの1つ『アニ丸』といって中にいる特殊な獣人、獣を呼び出すことができる。
いわゆるモン〇ター〇ールのようなものである。
ちなみに気がなければ道具の持ち主であっても一切使えない
バニー「アルミラージ(肉食ウサギ)のバニーです。アシスタントをやりますからよろしくね♪ 」
ぶるんっ♪
胸を揺らしながら言うバニー
タウロス「ミノタウロスのタウロスだぜぇ!!怪力アシスタントだぜぇ!! 」
ブフゥーッ!!
荒い鼻息を出しながら言うタウロス
対して華琳達は
華琳「なっ!? 」
春蘭「た…玉からウサギと牛が出現した!? 」
秋蘭「これだけでもすごいではないか!? 」
まさかの出来事に驚きまくっていた。
しかしこれだけでは終わらない
むしろここからがショーの始まりなのだ。
一刀「さぁ、早速取り出したるはこのケース 」
バンッ!!
一刀は真ん中に線が引かれた長いケースを出現させると
一刀「このケースの中に私が入ります 」
スッ!
一刀はケースの端から体を中に入れると
一刀「さぁ、頼むよバニー! 」
バニー「了解ですマスター♪ 」
一刀がバニーに命じた直後
キッ!
バニーの目が変わると
バニー「ハァッ!! 」
シュシュシュッ!!
スパパパンッ!!
バニーはケースにつけられた線目掛けてナイフを繰り出しまくった。
一刀「ぎゃあぁーっ!? 」
春蘭「おぉっ!? 」
これはいわゆる人体切断マジックであり、ケースの中には実はもう一人、人が入っている。
…という一般的なマジックではない
その証拠に
タウロス「フンッ!! 」
ひょいっ!!
タウロスが切断されたケースを持ち上げたからだ。
切断された両方のケースが持ち上がったことにより片方にもう一人隠れているということは不可能である。
一刀「ぎゃあぁーっ!? 」
切断され、苦しむ一刀
春蘭「か…体を切られて大丈夫なのか!? 」
華琳達よりも驚きまくる春蘭
そして
スッ!
カチンッ!!
持ち上げられたケースが下ろされ、再びくっつけられると
スゥッ!!
一刀「はい拍手! 」
バンッ!!
一刀は体が無事なままケースから出たのだった。
春蘭「うぉーっ!? 」
パチパチーッ!!
一人興奮しまくり、拍手をしまくる春蘭
華琳「これは驚きね 」
秋蘭「一体どうやったのでしょうか? 」
パチパチッ!
春蘭ほどではないが拍手をする華琳と秋蘭
ここで読者のみんなに種明かしをしよう。
実はケースの中に一刀のマジックアイテムである『ディメンジョンリング』という二つで一つのアイテムが仕掛けられている
このリングをくぐるともう片方のリングからワープして出てくることができるのだ。
ただし、効果は最大30センチまでしか使えない
一刀「それでは次なる驚きを見せてあげましょう! 」
一刀がそう叫ぶと
タウロス「ほいっ! 」
バニー「はいっ! 」
トンッ!!
何やら準備をするバニーとタウロス
そして
バンッ!!
舞台には先端に丸い輪がつけられた棒が設置された。
一刀「それではこれより火の輪くぐりを始めるわけなのですが、ここでショーのスターに登場してもらいましょう! 」
スッ!
ぼわんっ!!
一刀はアニ丸を一個、地面に投げつけると
ガオオォォーーッ!!
玉より体が白くて鬣が赤いライオンが出現した。
一刀「ファイアライオンのレオンです。それではレオン、ごあいさつ! 」
ガオオォォーーッ!!
ファイアライオン
見た目は普通のライオンなのだが
ボオォッ!!
鬣から炎を発することができるのだ。
春蘭「な…何なんでしょうか!?あのでかい猫は!? 」
華琳「少なくとも猫じゃないでしょう 」
この時代に虎はいてもライオンはいないと思われるためライオンを知らない華琳達
一方一刀は
スッ!
一刀「レオン、ゴーッ!! 」
レオンにそう命じると
ダダッ!!
レオンは鬣を燃やしたまま、輪に向かっていき
バッ!
そのまま輪をくぐっていった。
そしてくぐると同時に
ボォッ!!
輪に炎が燃え移ってしまった。
その直後
一刀「ハァーッ!! 」
ダダッ!!
バッ!
一刀はレオンを追いかけるかのように燃える輪をくぐっていったのだ。
普通の火の輪くぐりは火の輪を動物が通るが、一刀のショーは自身が火の輪をくぐるのだ。
一刀「はい拍手ーっ!! 」
無事に火の輪をくぐり抜けた一刀がそう言うと
春蘭「うぉーっ!! 」
パチパチーッ!!
華琳「少しひやっとしたわよ!? 」
秋蘭「でもさすがでしたね 」
パチパチッ!!
見事拍手をもらえた一刀
すると
一刀「それでは観客の皆様方、ショーは楽しんでいただけたでしょうか?ではまたの機会を、シーユーアゲイン! 」
ショーが終わってしまった。
その直後
パチパチーッ!!
華琳「な…何なの!? 」
突然華琳達の後ろからたくさんの拍手が繰り出された。
慌てた華琳が後ろを見てみると
民達『わぁーっ!! 』
何と!?いつの間にか華琳達の後ろには陳留の民達がいたのだった。
華琳「あなた達、一体何をして… 」
長老「申し訳ありません曹操様、民達は皆、突然天幕より夏侯惇将軍の叫び声が聞こえ、何事かと駆け寄ったのです 」
春蘭「わ…私の叫び声だと!? 」
そう。実は春蘭が驚いて叫ぶ声が天幕の外に漏れていたのだった。
秋蘭「確かに姉者一人で騒いでいたからな 」
春蘭「うぅっ…!?物凄かったのだから仕方ないではないか! 」
それを聞いた華琳は
華琳「なら結果は決まったわね。みんな、よく聞きなさい 」
華琳は民達に顔を向けると
華琳「今の公演はこれから陳留で行うものよ。気になるものは見に来なさい 」
民達に向けてそう宣言する華琳
これは即ち、一刀の公演を許可したのだった。
マジックアイテム
・アニ丸
玉を投げることによって様々な獣人、獣を出現させることができる。ただし、気がなければ一切使えない
アルミラージのバニー
ミノタウロスのタウロス
ファイアライオンのレオン等他にもいる